Q&A:TI が取り組むサステナブルな未来の構築

世界各地で ESH (環境:Environmental、安全:Safety、健康:Health)チームのリーダーが、TIのサステナビリティに関する長い歴史と、環境への影響を軽減する当社の取り組みを紹介します

18 7月 2024

TI は数十年にわたり、環境への影響を軽減することに重点を置き、製造効率の向上から温室効果ガス排出量(GHG)に至るまで、サステナビリティ目標を設定し、達成しています。

そして、その影響は非常に大きく、2022 コーポレート シティズンシップ レポートで報告している通り、2015 年以来、GHG 排出量を 23% 削減し、各 IC 製造に使用されるエネルギーを 28% 削減しました。TI は毎年、保全プロジェクトを通じて数百万ガロン (1 ガロンは 3.79 リットル) 節水し、埋立処分用の廃棄物の 90% を別の方法で処理しています。

TI の ESH担当バイス プレジデントを務める Heidi Means が、環境責任に関わる TI の長い歴史と、サステナビリティ戦略の一環として環境への影響を軽減するために実践している取り組みについて説明します。

 

質問:サステナビリティはなぜTI にとって大切なのでしょうか?

Heidi Means:当社の目標の 1 つは、社員であることを誇りに思える会社、そして地域の隣人として望ましい会社であることです。TI の価値基準の 1 つは、信頼できる会社であることです。つまり、誠実な行動をとり、正しいことを実行し、社会的責任に沿った形で事業を運営しています。サステナビリティは、TI が価値基準と目標を具体化する方法の 1 つであり、我々はそれを誇りに思っています。

TI は毎年数十億個のチップを製造するグローバル企業の 1 社として、環境に優しい方法で事業を運営するという、社会的責任があります。TI は、従業員やお客様が居住し、そしてTIが事業を行っている地域社会の環境、健康、安全を保護しながら、事業を運営したいと考えています。

 

質問:TI は環境への影響を軽減する上で、どこに重点を置いていますか?

Heidi:私たちの目標は、 TI の事業運営の指針であり、継続的な改善を心がけ、環境に配慮した方法で事業を運営するための基礎となります。

よりサステナブルな未来を創造するTIの長い道のりの一環として、私たちは環境への影響を軽減するためのさまざまな措置を講じています。これには、温室効果ガスは熱を環境内にとどめ、地球温暖化の加速の原因になる温室効果ガスの排出量削減が含まれます。2022 年、TI はエネルギー、原材料、水の使用量、および温室効果ガスの排出量を削減するために、全社で数百件のプロジェクトを実施しました。また、自社の製造拠点での環境への影響を軽減する、新しいテクノロジーやイノベーションへの投資を続けています。たとえば、たとえば、2018 年から 2022 年にかけて、TIのエネルギー削減プロジェクトにより、推定年間エネルギー消費量が1時間あたり 320 ギガワット削減されました。これは、米国の一般的な家庭 30,000 世帯のエネルギー消費量にほぼ匹敵します。1

今後も、自社製造能力を拡大する中で、エネルギー使用量、温室効果ガス排出量、水使用量、埋立処分用の廃棄物の量を削減するための、複数年にわたるサステナビリティに関する取り組みがTIの指針となるでしょう。

 

質問:温室効果ガスはどこで発生しているのでしょうか?また、Scope 1 と Scope 2 の排出量を減らすために TI はどのような取り組みをしていますか?

Heidi:この質問にお答えするには、TIの戦略が、外部のサプライヤーのみに依存するのではなく、自社で所有するウエハ ファブやアセンブリおよびテスト拠点など、内部の製造能力の向上に投資することであることを理解することが重要です。自社の生産能力を拡大し、生産量を増やすなど、自社の製造を所有することで、特にScope1やScope2の排出量などのサステナビリティに関する成果をより幅広く管理できるという利点が得られます。

TI が重点を置いている製造プロセスの領域の 1 つは、半導体の製造に使用されるガスや化学物質に由来するScope1の排出です。TI は地球温暖化係数が低い代替ガスや化学物質の使用、先進的な製造ツールやテクノロジーの購入、また、半導体製造で使用するガスの排出に対処する、およびユースポイントにおける熱排出物低減装置の設置など、長年にわたりこれらの排出量を削減するために投資してきました。

温室効果ガス排出量のもう1つの排出源は、TI の工場や他の拠点を稼働するために使用する電力であり、これはScope 2 の排出物に相当します。再生可能エネルギー源による電力への投資を継続するとともに、製造、配送、流通業務を最適化するための措置も講じています。

より長期的な観点では、TI は複数の業界団体のメンバーとして参画しています。業界団体では費用を拠出し、化学物質、テクノロジー、低減の構想を含め、サステナビリティに関するイノベーションの調査と研究を進めています。

Matt and Joseph

質問:TI は製造能力を増強し続けていますが、最新の拠点においてサステナビリティ活動はどのような取り組みがありますか?

TI は可能な限り効率的かつサステナブルであり、また LEED (Leadership in Energy and Environmental Design:エネルギーおよび環境設計のリーダーシップ) 認証を取得できるように、新しい工場やオフィスの設計と建設を整えています。LEED は、世界で最も広く認知されている、グリーン対応建造物のレーティング システムです。

たとえば、米国テキサス州リチャードソンにある RFAB は、世界で初めて LEED Gold 認証を取得したグリーン対応の半導体製造施設です。その後の 10 年で、RFAB2 は TI で 4 番目、かつ最新の LEED 認証製造拠点となります。これは、高性能のグリーン対応建造物に関するサステナブルな設計、建設、運営を対象とした、米国グリーン・ビルディング協会 (USGBC) による厳格な認証であるLEED Gold v4 認証を取得した米国初、世界で 4 番目の半導体製造工場です。RFAB2 は毎年、7 億 5,000 万ガロン (28 億 3,900 万リットル、283.9 万キロリットル、比重 1.0 として 283.9 万トン) の飲料水と、約 80,000 メガワット時 (MWh) のエネルギーを節約することが想定されています。工場は、適正な原材料を使用して建設され、健全な労働環境を促進する方法で設計、および建造されています。

 

質問:2022 年、TIはこれまで以上に再生可能エネルギー源からの電力を調達し、使用しました。未来の再生可能エネルギー使用量に関しては、どのような計画を持っていますか?

Heidi:過去数年間にわたり、TI は再生可能エネルギーによる電力の使用を増やしてきました。また、温室効果ガス排出量削減の一環として、今後数年間で再生可能エネルギーによる電力の使用量を増やすことに取り組んでいます。その例として、TI は 2022 年に米国テキサス州北部の事業向けに 47 メガワットの太陽光電力を確保し、2023 年は、18 メガワットの風力電力を追加しました。TI はまた、インドのバンガロールにあるオフィスで、屋上ソーラー システムの使用を開始し、同拠点の電力需要の一部を賄っています。TI は、再生可能エネルギーによる電力の使用機会を検討する際に、立地、投資要件、規模、タイミングなどの要因を引き続き検討していきます。

 

質問:サステナビリティを向上させるための企業としての取り組み以外に、TI が設計および製造する半導体デバイスは、環境改善においてどのような役割を果たしているのでしょうか?

HeidiTI の製品がエネルギー使用量を削減できる可能性は、エアコンや洗濯乾燥機から、データ センターの省電力に至るまで、あらゆるアプリケーションにおいて重要です。TI のお客様がサステナビリティの向上につながる技術革新を進めるにつれて、半導体は新しい方法でエネルギーの未来に貢献しています。たとえば、TI の製品の採用により、これまで以上に航続距離が長い次世代の電気自動車 (EV) の開発や、グリッド (電力網) から消費者に至るまで、エネルギーをインテリジェントに管理するソーラーシステムやエネルギーストレージシステムの構築が可能になります。 

TIは、お客様がTIのテクノロジーを活用して、より効果的かつ効率的にエネルギーを捕捉、変換、分配するサステナブルなエネルギー エコシステムを構築し、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を加速できるよう支援しています。 

TI の半導体製品が現在と未来にわたって、環境への影響を軽減する上で重要な役割を果たすさまざまな方法について考えるのは、本当にうれしいことです。

 

1米国の家庭の電力使用量はどれぐらいですか?』 (How much electricity does an American home use?)2023 年 9 月 13 日 (米国エネルギー省のエネルギー情報局:U.S. Energy Information Administration)