アステラスの社員がオフィスのホールを歩く様子は、大胆なアイデアを生み出し、協働してイノベーションを起こすコミットメントを表しています。

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世界の人々の健康のために、最先端の科学を追求し、より良い社会の実現を目指す社員の想いを紹介します

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大胆なアイデアを成果に結びつける
2025年12月18日

現代社会では、変革が常に私たちの身近にあり、唯一の確実な要素とされていますが、その変革を主導したり、乗り越えたりするのは簡単ではありません。変革は既存の前提を覆し、慣れ親しんだ習慣を乱し、不安を引き起こすこともあります。しかし、変革は組織や個人が成長するための大きなチャンスでもあります。

アステラスでは、ここ数年間、社歴上最も重要な変革期を迎えています。患者さんに革新的な治療薬やヘルスケアソリューションをより迅速にお届けするために、オペレーションモデルを適応させ新しい働き方を積極的に取り入れています。販売統括&メディカルアフェアーズ担当のClaus Zielerが、この経験を通じて、大胆なアイデアを成果に結びつけるために、どのような行動を取るべきかを探求します。

「なぜ変革が必要なのか」を問いかけることの重要性

Claus Zieler, Chief Commercial and Medical Affairs Officer at Astellas

Claus Zieler
販売統括&メディカルアフェアーズ担当
Chief Commercial & Medical
Affairs Officer (CCMAO)

人々は、変革が必要なときに変革プロセスそのものに抵抗を示すのではなく、「なぜ変革が必要なのか」が理解できないときに抵抗を感じます。

リーダーは「何を」「どうやって」変えるかに目を向けがちですが、「なぜ変革が必要なのか」を効果的に伝えることが非常に重要です。会社や社員、そして患者さんにとって、「なぜ変革が必要なのか」を理解しなければ、変革への意欲は薄れ、変革の勢いも失われてしまいます。

また、変革が必要な理由は一度だけではなく、何度も繰り返し説明する必要があります。時には不快なフィードバックを受けることもあるかもしれません。分かりやすく説明したつもりでも、必ずしも意図した通りに受け入れてもらえるわけではありません。人々が日常的に使う言葉や業務に関連付けて、理解を促す努力が求められます。そのような説明を繰り返すことで、初めて変革が受け入れられるようになります。

「なぜ変革が必要なのか」を説明する際には、実現可能で、感情にも配慮する必要があります。そして、変革がもたらす価値を明確にイメージできるように説明し、理解してもらうことが重要です。この説明が受け入れられなければ、どんなに優れた変革でも絵に描いた餅になります。

説明を繰り返すことは非常に重要です。リーダーは、「なぜ変革が必要なのか」を明確にし、自信を持って繰り返し伝え続ける必要があります。変革の意義や信念を強調し、受け手と目線を合わせることが求められます。このコミュニケーションの重要性は、私がキャリアの初期の頃に上司から教わったことです。当時、私は同じ説明を何度もする機会がありました。12回目の説明を終えた後、上司は「君にとっては12回目かもしれないが、聞く側にとっては初めての説明であることを忘れないで」と言いました。私自身が同じ説明を繰り返しすることがあっても、受け手にとっては初めて聞く重要な情報であることに気付かされました。一貫したメッセージを伝えることで信頼を得ることができ、その信頼が私たちの信念を強めることにつながります。

アイデアを実現させることの難しさ

変革を成功させるのは極めて困難です。約7割の戦略は意図した成果を出せないといわれています。私の経験上、戦略そのものに問題があることは少ないです。多くの組織は戦略立案には長けていますが、実行に移すことが難しいのです。大胆な戦略を立案しても、具体的な成果を出すことに失敗することが多いです。

そこで、アイデアを実現させるまでの3つのステップを長年の経験から導き出しました。

Claus Zieler, Chief Commercial and Medical Affairs Officer at Astellas, is speaking at a town hall meeting for employees.

  1. コンセプト作成:まず、小規模な専門チームでコンセプトを作成します。
  2. 検証とコミュニケーション:その後、幅広いステークホルダーにコンセプトを説明します。実現可能性を検証し、懸念点を洗い出し、課題がクリアになるまでコンセプトを洗練させます。重要なのは、同じメンバーで議論を繰り返すのではなく、レギュラトリー・アフェアーズ、製造、財務、人事など、多岐にわたるステークホルダーの視点を取り入れ、異なる課題を提起してもらうことで、最終的にはコンセプトをより洗練されたものにすることです。
  3. 規律をもって推進:明確なマイルストーン、ガバナンス、アカウンタビリティを設定し、成果が出るように推進します。

ステップ2で行う検証は見落としがちですが、アイデアが根付くかどうかを判断し、決定づける重要なステップです。このステップでの注意点は、アイデアを無理に押し付けるのではなく、得られたフィードバックをもとにアイデアが適用できるかどうかを検証することです。

変革はプロセスではなく、人々が主導するもの

変革にはガバナンスやマイルストーンが重要ですが、成功を決定づける要素ではありません。変革は人が主導して初めて成果を得られるものです。

社員は変革が必要だと聞くと、戦略そのものではなく、自分自身の役割がどのように変わるのか、今日一緒に働いている同僚からのサポートが引き続き受けられるのか、またこの変革をチーム内でどのように共有すればよいのかと、あれこれ心配するようになります。そして、そのような心配が聞き入れられないと、変革に対して抵抗を示すようになります。

リーダーは、変革に伴う社員の心配を受け入れる機会を作ることが重要です。公式な説明会を設けたり、カジュアルにアイデアをフリップチャートにスケッチして説明したり、時にはただ心配事を聞くための時間を設けることが大切です。そして、社員に共感し、心配事を受け入れ、誠実に回答することが求められます。

心理的安全性とエンパワーメント

社員の心配を受け入れる機会を作ることは、心理的安全性の醸成にもつながります。そのような機会があると、社員は安心して質問したり、反対意見を述べたり、報復を恐れずに失敗を認めることができるようになります。心理的安全性を確立するのは容易ではありませんが、これはチームのパフォーマンスを最も強く予測する指標であるともいわれています。心理的安全性の高いチームは革新的であり、失敗からの立ち直りも早く、効率性が高いとされています。

また、心理的安全性が高いと、エンパワーメントが育まれる土壌が形成されるともいわれています。アステラスの社員に責任を持って仕事を任せることで、迅速な意思決定が行われ、居心地の良い安全圏から一歩踏み出し、大胆に行動するようになります。しかし、心理的安全性が確保されていない状況でエンパワーメントが行われると、社員は仕事を任せられた際に危険にさらされていると感じ、良い機会とは捉えられなくなります。

Claus Zieler, Chief Commercial and Medical Affairs Officer at Astellas, is smiling while having a conversation.

Zenger Folkman(リーダーシップの研究と能力開発を専門とするコンサルティング企業)の調査によると、エンパワーメントが低い場合、裁量を任せられていると感じて努力する社員はわずか4パーセントに留まります。一方、エンパワーメントが高い場合、その割合は67パーセントに上昇します。社員が会社から支えられ、信頼されていると感じるときこそ、エンパワーメントの効果が発揮され、成果が生まれます。社員は現状に満足せず、果敢に大胆なアイデアに挑戦し、失敗を恐れずに行動し、そこから学ぶようになります。

変革期においては、意欲的な目標を設定し、果敢に挑戦することが不可欠です。心理的安全性が確保されることで、社員はリスクを恐れずに変革を受け入れるようになります。その結果、チーム全体が自信を持って新しい働き方を受け入れ、実行するようになります。社員の心理的安全性を担保せずに変革を推進することは非常に困難です。

誠実な態度で変革を導く

変革を導くための重要な教訓があります。それは、誠実な態度で変革を進めることです。リーダーは全ての回答を用意する必要はありません。誰かが問題を提起したときに、「これまで考えたことがなかった」と認め、「調整が必要かもしれない」とする姿勢は、リーダーシップを損なうものではありません。むしろ、そのようなリーダーは社員からの信頼を高め、共に変革に取り組もうという支持を得ることができます。

リーダーが誠実な態度で接し、共感し、一貫性を持つことで、社員はその変革に確信を持って取り組むようになります。それにより、「なぜ変革が必要なのか」を繰り返し考えるようになり、エンパワーメントと心理的安全性が単なるスローガンではなく、実効性のあるものになります。最終的には、社員は明確な目的を持ち、変革に取り組むようになり、人間味あふれるリーダーについていくようになるでしょう。

変革は挑戦であり、避けられないものです。「なぜ変革が必要なのか」を明確にし、変革に必要なプロセスだけでなく、人々にも焦点を当てることが重要です。それにより、大胆なアイデアが持続的な成果に結びつくことを実感しています。そして最終的には、その成果が目に見える形で患者さんの人生に変革をもたらすことが何よりも重要です。


本記事は、Claus ZielerLinkedInアカウントに寄稿した記事の和訳です。

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