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アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「当社」)は、本日開催の取締役会において、当社の担当役員を対象とする業績連動型株式報酬制度および国内外の当社グループ幹部を対象とする業績連動型株式交付制度(以下両制度併せて「本制度」)を継続すること、および本制度に基づく、2025年度に実施するインセンティブプラン(以下「本プラン」)の詳細を決議しましたので、下記の通りお知らせいたします。
記
1. 本制度の目的
(1) 本制度は、当社の担当役員および国内外の当社グループ幹部を対象とした、当社グループの中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進することを目的とする、企業価値・株主価値との連動性が高く、かつ、透明性・客観性の高いグローバル共通の中長期インセンティブプランです。
(2) 当社の担当役員を対象とした業績連動型株式報酬制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」)と称される仕組みを採用します。BIP信託とは、米国のパフォーマンス・シェア(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度を参考にした役員インセンティブプランであり、BIP信託が当社株式を取得し、企業価値・株主価値の成長度等に応じて担当役員に当該信託から「当社株式の交付等」(下記3.(5)で定義する。以下同じ)を行うものです。
また、国内外の当社グループ幹部を対象とする業績連動型株式交付制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」)と称される仕組みを採用します。ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブプランであり、ESOP信託が当社株式を取得し、企業価値・株主価値の成長度等に応じて国内外の当社グループ幹部に当該信託から「当社株式の交付等」を行うものです。
2. BIP信託・ESOP信託の仕組み
① 当社および当社グループ会社は、業績連動型株式報酬制度および業績連動型株式交付制度の継続、本制度に基づく本プランの実施および内容に関して取締役会等必要な手続を行います。
② 当社は金銭を信託し、受益者要件を充足する当社の担当役員を受益者とする信託「BIP信託」および受益者要件を充足する国内外の当社グループ幹部を受益者とする信託「ESOP信託」(以下「BIP信託」と「ESOP信託」を併せて「本信託」)を設定します。なお、国内外の当社グループ会社は各社の対象人数等に応じて信託金相当額を拠出します。
③ 本信託は、信託管理人の指図に従い、②で拠出された金銭を原資として当社株式を株式市場から取得します。
④ 本信託内の当社株式に対しても、他の当社株式と同様に配当が行われます。
⑤ 本信託内の当社株式については、信託期間を通じ、議決権を行使しないものとします。
⑥ 信託期間中、受益者は、当社の株式交付規程に従い、当社株式の交付等を受けます。
⑦ 信託期間中の企業価値・株主価値の成長度等により、信託期間の満了時に残余株式が生じた場合、信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本制度に基づくインセンティブプランとして本信託を継続利用するか(※1)、または、本信託から当社に当該残余株式を無償譲渡し、当社はこれを無償で取得した上で、取締役会決議によりその消却を行う予定です。
⑧ 本信託の終了時に、受益者に分配された後の残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属する予定です。また、信託費用準備金を超過する部分については、当社および当社役員と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
(※1)当社の担当役員を対象とした本プランは、2015年度から導入している業績連動型株式報酬制度と同種のインセンティブプランであることから、2022年度に設定した担当役員を対象とする既存の役員報酬BIP信託を継続利用いたします。また、国内外の当社グループ幹部を対象とした本プランは、2020年度から導入している業績連動型株式報酬制度と同種のインセンティブプランであることから、2022年度に設定した国内外の当社グループ幹部を対象とする既存の株式付与ESOP信託を継続利用いたします。
3. 本プランの内容
(1) 本プランの概要
本プランは、2026年3月末日で終了する事業年度から2028年3月末日で終了する事業年度までの3年間(以下「対象期間」)を対象として、対象期間を通じた企業価値・株主価値の成長度等に応じて当社株式の交付等を行うインセンティブプランです。
当社は、次年度以降も毎年、新たなBIP信託もしくはESOP信託を設定し、または信託期間の満了した既存のBIP信託もしくはESOP信託の変更および追加信託を行うことにより、本プランと同種のインセンティブプランを継続的に実施することを予定しています。次年度以降に実施するインセンティブプランの内容については、都度、取締役会の決議によって決定します。
(2) 本プランの対象者(受益者要件)
2025年4月1日時点に在任する当社の担当役員および国内外の当社グループ幹部(以下「制度対象者」)は、原則として、以下の受益者要件を充足していることを条件に、下記(4)に定めるポイントに応じた数の当社株式の交付等を本信託から受けるものとします。
受益者要件は以下の通りです。
①対象期間満了日において制度対象者であること
②その他本制度の趣旨を達成するために必要と認められる要件を満たしていること
(3) 信託期間
本信託の信託期間は2025年5月21日(予定)から2028年8月末日(予定)までとします。
なお、信託期間の満了時において、信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本プランと同種のインセンティブプランとして本信託を継続することがあります。
(4) 制度対象者に交付される当社株式
制度対象者に対して交付される当社株式の数(下記(5)により換価処分の対象となる当社株式の数を含む)は、以下に従って付与されるポイントにより、1ポイント=当社株式1株(※2)として定まります。
(※2)本信託に属する当社株式が株式の分割、株式の無償割当て、株式の併合等によって増加または減少した場合は、当社は1ポイント当たりに交付される当社株式の数を合理的な方法により調整します。
まず、2025年4月1日に制度対象者として在任する者には、以下の算定式に従って基準ポイントが付与されます。
(基準ポイントの算定式)
役位・グローバルグレード等に応じ個別に定める基準金額(※3)÷2025年3月の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値
*小数点以下の端数は切捨
(※3)基準金額の水準は、優秀な人材の獲得・保持が可能となる競争力のある報酬水準となるよう、外部専門機関の客観的な報酬調査データ等を参考に職責等に応じて適切に設定します。
2028年3月31日に制度対象者として在任する者は、以下の算定式に従って算出されるポイントに応じた数の当社株式の交付等を本信託から受けるものとします。
基準ポイント×業績連動係数(※4)
*小数点以下の端数は切捨
(※4)本プランの業績連動係数は、対象期間における当社株主総利回り(Total Shareholder Return。以下「TSR*」)と東証株価指数の成長率およびグローバル製薬企業(以下「TSR Peer Group」)のTSRとの比較結果に基づき、0%~200%の範囲で決定します。TSR Peer Groupは、報酬委員会の審議を経た上で取締役会に答申され、2025年6月末日までに決定されます。
*TSR:キャピタルゲインと配当を合わせた株主にとっての総合投資利回り
(5) 制度対象者に対する当社株式の交付等の方法および時期
「当社株式の交付等」とは、ある時点において、付与されているポイントに対応する当社株式の数の半数について本信託から株式の交付を受け(ただし、単元未満株数については、本信託内で換価した上、その換価処分金相当額の金銭の給付を受け)、残りの半数については本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けることをいいます。
受益者要件を充足した制度対象者は、2028年6月頃に、当社株式の交付等を受けるものとします。
(6) マルス条項およびクローバック条項について
当社および当社グループ会社は、制度対象者による不正行為等があった場合には、当社および当社グループ会社の決定により、株式交付等を受ける権利を喪失させるマルス条項、および当社が予め定めた一部の制度対象者(トップマネジメント等の上位の役職に限る。以下同じ)に対して、重大な会計上の誤りや不正による決算の事後修正が行われた場合または制度対象者による不正行為等があった場合に、当社取締役会の決議により、制度対象者に交付等した当社株式数に相当する金銭の返還を要求することができるクローバック条項を定めています。返還の対象となり得る報酬は、当該事象が発生した事業年度およびその前の3事業年度を対象期間に含む、交付等した当社株式数に相当する金銭の一部または全部です。
(7) 本信託による当社株式の取得
本制度の継続にあたり、本信託による株式市場からの当社株式の追加取得は行いません。
(8) 本信託内の当社株式に関する議決権行使
本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権を行使しないものとします。
(9) 本信託内の当社株式に係る配当の取扱い
本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、本信託の信託報酬および信託費用に充てられます。
(10) 信託期間満了時の取扱い
対象期間における企業価値・株主価値の成長度等により、信託期間満了時に残余株式が生じた場合は、信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本プランと同種のインセンティブプランとして本信託を継続することがあります。信託期間満了により本信託を終了させる場合には、本信託から当社に当該残余株式の無償譲渡を行い、当社はこれを取締役会決議により消却することを予定しています。
また、信託期間満了時における本信託内の当社株式に係る配当の残余は、本信託を継続利用する場合には株式取得資金として活用されますが、信託期間満了により本信託を終了させる場合には、当社および当社役員と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
以上
(ご参考)
【2025年度インセンティブプランのための信託の内容】
| 「BIP信託」 | 「ESOP信託」 | |
| ① 信託の種類 | 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託) | |
| ② 信託の目的 | 当社担当役員に対する インセンティブの付与 |
国内外の当社グループ幹部に 対するインセンティブの付与 |
| ③ 委託者 | 当社 | |
| ④ 受託者 | 三菱UFJ信託銀行株式会社(予定) (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社) |
|
| ⑤ 受益者 | 当社担当役員のうち受益者要件を充足する者 | 国内外の当社グループ幹部のうち受益者要件を充足する者 |
| ⑥ 信託管理人 | 当社と利害関係のない第三者(公認会計士) | |
| ⑦ 信託契約日 | 2025年5月21日(予定) | |
| ⑧ 信託の期間 | 2025年5月21日(予定)~2028年8月末日(予定) | |
| ⑨ 本プラン開始日 | 2025年4月1日 | |
| ⑩ 議決権行使 | 行使しないものとします | |
| ⑪ 取得株式の種類 | 当社普通株式 | |
| ⑫ 信託金の金額 | 378百万円(予定) (信託報酬および信託費用を含む。)(※5) |
3,750百万円(予定) (同左)(※6) |
| ⑬ 帰属権利者 | 当社 | |
| ⑭ 残余財産 | 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内とします。 | |
(※5)上記の信託金の金額には、既存のBIP信託から承継する残余財産を含みます。
(※6)上記の信託金の金額には、既存のESOP信託から承継する残余財産を含みます。
*本制度の継続にあたり、BIP信託およびESOP信託への信託金の追加拠出、ならびに株式市場からの当社株式の追加取得は行いません。
アステラス製薬株式会社について
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