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日本TI、200V ACサーボやロボティクス向けに 99パーセントの電力変換効率を提供する GaNパワー・デザインを発表

より高速、より高精度のドライブ制御を提供する、新しい 高電圧、三相の高周波PWMインバータのリファレンス・デザイン

2017年06月29日

SCJ-17-017                                                                                              
2017年6月29日

日本テキサス・インスツルメンツは、200V、2kWのACサーボ・モータ・ドライブや、高速の電流ループ制御、より高い周波数、より高精度の速度やトルクの制御が可能な次世代産業用ロボティクスの設計に役立つ、GaN(窒化ガリウム)半導体をベースとした革新的な三相インバータのリファレンス・デザインを発表しました。この新しいデザインは、リファレンス・デザインのページ からダウンロードできます。

GaNパワー・ステージによる3相インバータ
この三相高周波GaNインバータ・リファレンス・デザインは、パワーFET、ゲート・ドライバと保護機能を集積してTIが昨年発表した、最新の『LMG3410』 600V、12A GaNパワー・モジュール を搭載しています。このGaNモジュールは、シリコンFETの5倍までの速度でスイッチング可能であり、PWM(パルス幅変調)周波数が100kHz、98パーセント以上、また24kHzの場合には99パーセント以上の高効率動作が可能です。設計者はGaN半導体を使うことで、スイッチング性能を最適化してモータの電力損失を削減するとともに、放熱器のサイズを縮小し、基板実装面積を節約できます。インバータを100kHzで動作させることによって、低インダクタンスのモータ製品での、トルク・リップルの大幅な削減に役立ちます。

高電力、速度と高性能
このGaNインバータ・パワー・ステージは、TIの『TMS320F28379D』ドライブ制御SoC(システム・オン・チップ)をはじめとしたマイコン製品と簡単にインターフェイスが可能なことから、電圧周波数のダイナミックな調整を可能とし、超高速の電流ループ制御を達成します。またTIは、サーボ・ドライブ製品内の電流ループ性能を1μs以下までの向上を可能として3倍のモータ・トルク応答性を持たせた、複数の革新的なサブ-サイクルPWM更新手法を提供する、新しいDesignDRIVE Fast Current Loop ソフトウェア を発表しました。このFast Current Loop ソフトウェアは、従来のマイコンをベースとした電流ループ・ソリューションを上回る高性能を提供し、controlSUITE™ ソフトウェアと共に、無償で供給されます。

このリファレンス・デザインはGaNモジュールのほかに、TIの『AMC1306』絶縁型デルタ-シグマ型モジュレータを複数個搭載して電流センシングを行い、モータ制御性能を向上しています。またTIの『ISO7831』デジタル・アイソレータは、このリファレンス・デザインに搭載された6個のPWMとマイコンとの間に、強化絶縁機能を提供します。

TIの新しい三相インバータ・デザインの特長
・高効率パワー・ステージ: PWM周波数が100kHzの場合98パーセント、24kHzの場合には99パーセントの効率を提供、放熱器を小型化
・高いPWM周波数: 高いPWMスイッチング周波数によって、低インダクタンスのモータを最小限の電流リップルで駆動可能
・高速のスイッチング・トランジション: スイッチ・ノードの電圧リンギングなしで25ns以下のスイッチング、EMI(電磁妨害)を低減
700万時間以上のデバイス信頼時間を有す600V12Aの『LMG3410 GaN FETパワーステージ: 迅速、簡単なプリント基板レイアウトと、小型フォームファクタの設計が可能

その他の設計情報
ホワイト・ペーパ「産業用機器を進歩させる高精度モータ・ドライブ制御
GaNの性能を最適化する統合ドライバ製品」で『LMG3410』モジュールの詳細
TIの モータ・ドライブスマート・グリッド・インフラストラクチャ システムの詳細

※controlSUITEはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。