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日本TI、デジタル/アナログ両方の位置センサをサポートする 業界初の産業用ドライブ制御SoC製品を発表

産業用サーボやACインバータ・ドライブ製品における各種位置センサとのインターフェイスを提供する、新しいC2000 Delfino マイコン製品とDesignDRIVE Position Managerテクノロジ

2015年11月24日

SCJ-15-064                                                                               
2015年11月24日

日本テキサス・インスツルメンツは、アナログとデジタルの両方の位置センサをサポートする、業界初のオンチップ・ソリューションを発表しました。新しい『TMS320F28379D』『TMS320F28379S』マイクロ・コントローラ(MCU)は、TIの『C2000™』 Delfino™ MCUラインアップを拡張しDesignDRIVE Position Manager テクノロジを導入した事により、各種の位置センサとのインターフェイスを簡素化します。このソリューションは、デコード処理をオンチップで行い通信レイテンシを削減でき、より高速の制御ループが可能となり、システム性能を向上する事ができます。さらに、FPGAやASICが必要なソリューションに対して基板実装面積を縮小でき、システム・コストを削減できます。

Position Manager は、EnDat2.2、BiSS-C、レゾルバや SIN/COSセンサとのインターフェイスに必要な基本機能を提供しているため、開発、サポートやテストのための期間を短縮します。TIの『C2000』MCUリアルタイム制御アーキテクチャをベースとしたDesignDRIVE プラットフォームは、ロボティクス、CNC(コンピュータ数値制御)機械、エレベータ、コンベア、運輸や、その他の産業用製造アプリケーションなどに使用される産業用インバータやサーボ・ドライブの開発に最適です。

産業用ドライブの開発サイクルから、複雑な作業を排除
DesignDRIVE はハードウェアとソフトウェアの両方を含むプラットフォームで、様々な産業用ドライブやサーボ・アプリケーションの開発や評価を簡素化します。Position ManagerはDesignDRIVE内で提供される新しいテクノロジで、デジタルおよびアナログ位置センサとのインターフェイスを簡単に構築できます。

『TMS320F28379D』と『TMS320F28379S』MCUは、Position Managerテクノロジをオンチップでサポートする、『C2000』ポートフォリオ最初のMCUです。Position Manager はDesignDRIVEソリューションの重要な構成要素であり、産業用ドライブ・システムの設計者は、現行のセンサ接続に必要なFPGAやASICの開発、サポートや保守等の技術的な作業が不要になります。

位置センサとのインターフェイスにおける互換性問題を解決
TIの Position Managerテクノロジは、デジタルおよびアナログの両位置センサとの間に互換性を提供することから、1つの『C2000』 Delfino MCUで複数の方式のセンサをサポートする柔軟性を提供します。これらのセンサには、EnDat 2.2、BiSS-C、レゾルバ、SIN/COS や、CW/CCW(右回転/左回転)を含むインクリメンタル・エンコーダが含まれます。

TIは、産業用アプリケーション向けに、デジタルおよびアナログの両位置センサ製品をサポートする、唯一の半導体ベンダです。TIは、位置センサの主要開発会社であるHEIDENHAIN社と協働して、このオンチップ・ソリューションをテストし、互換性を確保しました。HEIDENHAIN社のシニア・プロダクト・マネージャであるハーバート・レイター氏(Herbert Reiter)は、次のように述べています。「TIが当社のEnDat仕様でのPosition Managerの導入と検証に成功したことを承認します。今後もTIと共にお客様へ新しいEnDatの機能を提供していきたいと考えています。」

統合サポートで開発を迅速に開始

  •  C2000 DesignDRIVE開発キット は、様々な回路構成のモーター・ドライブを簡単に評価でき、リアルタイム・イーサネット通信機能や機能安全等の開発へと拡張する事もでき、より包括的で統合されたシステム・ソリューションを提供します。
  • DesignDRIVEはTIの『C2000』 controlSUITE™ パッケージによりサポートされており、電流、速度や位置ループを組み込んだモーターのベクトル制御のサンプル・コードを含み、評価や開発をただちに開始する事が可能です。
  • さらに、ユーザーはコード生成やデバッグなどの機能を提供するTIの Code Composer Studio™ IDE(統合開発環境)をダウンロードできます。
  • モデルベースのシミュレーションやソフトウェア開発向けに、Mathworks社の Simulink およびEmbedded Coderが、TIの『F28379D』や『F28379S』 MCUをサポートしています。
  • ユーザーはインターフェイスや電源のモーター・ドライブ向けリファレンス・デザインをダウンロードして、そのまま使用する、もしくは必要に応じて変更して使用する事もできます。

『C2000』MCUとDesignDRIVE テクノロジを使うほかに、産業用ドライブのパワー・ステージを開発する場合に、新しい強化絶縁対応ゲート・ドライバ製品であるTIの『ISO5852S』 製品ファミリを統合できます。この製品ファミリは業界最高の1.5 kVrmsの動作電圧、業界最高の100kV/μs(MIN)のCMTI(コモンモード過渡耐性)や高精度のタイミングを提供し、高電圧および高速スイッチングIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)やSiC(シリコン・カーバイド)パワー・スイッチを高効率で駆動できます。この新製品ファミリの1,000個受注時の単価(参考価格)は2.15ドルから設定されています。

価格と供給
『TMS320F28379D』『TMS320F28379S』 の各MCUは、サンプル供給中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は17.20ドルからです。ハードウェアとソフトウェアを含み、幅広い産業用ドライブの設計を迅速に評価できるTIの DesignDRIVE Kit (『TMDXIDDK379D』) は、単価(参考価格)999ドルで、TI Storeと販売特約店から供給されます。また、Position Manager テクノロジは、DesignDRIVE からダウンロードできます。

TIPosition ManagerDesignDRIVEに関する情報

TIマイコンを支えるイノベーション
TIは、業界をリードするプロセス技術、独自のシステム構成、IP、専門技術を生かし、20年以上にわたり、超低消費電力マイコン、リアルタイム・マイコンなどの革新的なマイコン製品を提供し続けています。超低消費電力、低消費電力性能、安全通信機能、リアルタイム・コントロール、制御、オートメーション、安全性能向けの充実したマイコン製品を取り揃え、デザイン・ネットワーク・パートナー各社のツール、ソフトウェアやワイヤレス・コネクティビティ・ソリューションおよび技術サポートで、顧客各社の製品の市場投入までの時間短縮に貢献します。

※ C2000、Delfino、controlSUITEおよびCode Composer StudioはTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。