2015年10月01日
SCJ-15-048
2015年10月1日
日本テキサス・インスツルメンツは、100 fs(フェムト秒)の超低ジッタ特性と、独自の柔軟なピン制御オプションを提供する、新しいクロック・ジェネレータ製品ファミリを発表しました。新しい『LMK033x8』クロック・ジェネレータ製品のジッタ性能は、通常のリファレンス・クロック・ソリューションと比較して、システムのタイミング・マージンやビット・エラー・レート(BER)を最適化し、データ伝送エラーを低減するとともに、通信、ネットワーキング、サーバーやコンピューティング機器、高性能産業用アプリケーションなどにおいて、より高い信頼性を提供します。『LMK033x8』クロック・ジェネレータ製品が提供する多岐にわたる特長は、プロトタイプ設計や評価を簡素化し、設計期間の短縮に役立ちます。製品の詳細に関しては、http://www.tij.co.jp/lmk033xx-pr-jpをご覧ください。
『LMK033x8』の特長と利点
・柔軟なジッタ・バジェットを可能にする超低ジッタ特性: 最大2系統の高性能PLLatinum™ フラクショナルN フェーズ・ロック・ループ (PLL) が、100MHzを越える出力周波数で、1 KHz-5 MHz と12 KHz-20 MHzの複数の帯域幅にわたり、100 fs RMSの超低ジッタ性能を実現。この超低ジッタ特性の利点を活用することで、設計者はシステムのビット・エラー比(BER)を向上するとともに、無線通信インフラストラクチャ機器の信頼性を向上
・柔軟で、簡素な設定: 競合製品のようにワンタイム・プログラマブル・メモリを使用せず、独自のピン・モード設定機能によって71種類のプリ・プログラムの周波数スタートアップ・プランから簡単に選択が可能。 カスタマイズを可能にするEEPROMを実装しているほか、I2C インターフェイス経由で、製品の全ての設定が可能
・設計期間を短縮: 周波数マージン設計のグリッチレスの微調整と粗調整が可能で、プロトタイプの設計およびプロセス検証(DVT/PVT)中に、負荷テストやコンプライアンステストの簡素化が可能
・電源ノイズに対する耐性を提供: LDO(低ドロップアウト)レギュレータを集積、複雑なフィルタ回路なしで電源ノイズに対する耐性を提供
設計期間の短縮に役立つ評価ツールとサポート
TIでは、新製品の迅速かつ簡単な評価に役立つ評価モジュール(EVM)を供給しています。現在、『LMK03328EVM』は単価(参考価格)299ドルでTI storeと販売特約店から供給中で、『LMK03318EVM』は2015年第4四半期に供給予定です。
TIの WEBENCH® Clock Architect ツールは、『LMK033x8』製品ファミリや、TIのその他のクロック/タイミング製品を採用した製品の設計プロセスの簡素化に役立ちます。この設計支援ツールは、多数の製品の詳細なデータベースから、推奨できるシステム・クロック・ツリーを選択、シミュレーションを行う業界初のタイミング設計支援ツールです。このツールには、PLLのフィルタ設計や、出力クロックの位相ノイズのシミュレーション機能のほか、性能やコストなど、設計者が求める要件に対してクロック・ツリーを最適化する機能も提供します。
パッケージ、供給、価格
『LMK033x8』クロック・ジェネレータ製品は7mm×7mmのQFNパッケージで供給されます。現在、『LMK03328』デュアルPLL内蔵、8出力クロック・ジェネレータ製品は供給中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は10.00ドルです。『LMK03318』シングルPLL内蔵、8出力クロック・ジェネレータ製品は、2015年第4四半期の出荷予定で、1,000個受注時の単価(参考価格)は7.50ドルです。
これらのクロック・ジェネレータ製品は、高性能と柔軟性を提供する『LMK03806』 や 『CDCM6208』 の各クロック・ジェネレータ製品を含む、TIの クロック/タイミング製品ポートフォリオの最新の製品です。 また、TIでは、『LMK00301』 ユニバーサル差動バッファや、『LMK00338』 PCI Express Gen-3標準規格準拠の高速ステアリング・ロジック(HCSL)バッファ製品をはじめとした超低付加(アディティブ)ジッタのファンアウト・バッファ製品などの、『LMK03328』や『LMK03318』を補完する幅広いタイミング製品ポートフォリオも供給しています。
TIのクロック/タイミング製品ポートフォリオの情報
・クロック/タイミング製品についてのblog記事を参照
・ 『LMK033x8』のデモ・ビデオを視聴
・アプリケーション・ノート“『LMK03328』を使った高速シリアル・リンク用クロック回路”(英文)を参照
・アプリケーション・ノート“TIの高性能クロック・ジェネレータ製品を使った周波数マージン設計” (英文)を参照
『LMK03328』、『CDCM6208』、『LMK03806』の特性表
項目 |
LMK03328 |
CDCM6208 |
LMK03806 |
入力レベル |
CML, LVDS, LVPECL, |
CML, LVCMOS, LVDS, LVPECL, XTAL |
LVCMOS, LVDS, LVPECL, |
出力レベル |
CML, HCSL, LVCMOS, LVDS, LVPECL |
CML, HCSL, LVCMOS, LVDS, LVPECL |
LVDS, LVCMOS, LVPECL |
出力周波数(max) |
1,000 MHz |
800 MHz |
2,600 MHz |
出力本数 |
8 本 |
8 本 |
14 本 |
出力電源電圧 |
3.3 V、2.5 V、1.8 V |
3.3 V、2.5 V、1.8 V |
3.3 V |
コア電源電圧 |
3.3 V |
3.3 V、2.5 V、1.8 V |
3.3 V |
設定方式 |
EEPROM, I2C, ピン設定 |
SPI, I2C, ピン設定 |
uWire |
動作温度範囲 |
-40 ℃ ~ 85 ℃ |
-40 ℃ ~ 85 ℃ |
-40 ℃ ~ 85 ℃ |
ピン/パッケージ |
48WQFN |
48VQFN |
64WQFN |
1,000個受注時の単価 |
10 ドル |
5.2 ドル |
7.55 ドル |
TIのWEBENCH® オンライン設計支援ツールについて
WEBENCH Designer / WEBENCH Architectのツールによって、開発者はカスタムデザインの設計、シミュレーション、エクスポートが容易に可能となります。部品ライブラリはメーカー120社の40,000点以上の部品データを収録しています。また、価格と供給に関するデータは8つの言語で提供されており、設計の最適化、製造計画のためにTIのディストリビューション・パートナーが随時更新しています。無償で利用できるWEBENCHオンライン設計支援ツールを使って設計を開始するには、こちらにアクセスしてください。
※WEBENCHはTexas Instrumentsの登録商標です。PLLatinumはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。