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日本TI、組み込みのウルトラモバイル赤外線分析向けに業界初のフル・プログラマブルMEMSチップセットを発表

手のひらサイズの機器設計とSNR(信号対ノイズ比)の2倍改善を実現する新しいTI DLPチップセット

2015年03月10日

SCJ-15-010                                                                                              
2015年3月10日

TI は、700nmから2,500nmの近赤外線(NIR)波長領域の携帯型分析器を実現する、業界初のフル・プログラマブル MEMS(Micro-Electro Mechanical)システム・チップセット の製品ポートフォリオを発表しました。

このDLP®チップセットは、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)『DLP2010NIR』、電源管理デバイス『DLPA2005』とDMDコントローラ『DLPC150』で構成され、低消費電力動作、複数のプログラマブルな高速パターンや、高振れ角を実現した最新の5.4μm ピクセル・デザインなどの特長を備え、コンパクトな光設計を実現します。製品の詳細に関してはwww.tij.co.jp/DLPNIR をご覧ください。

『DLP2010NIR』 DMDは、業界最小、かつ最高の光効率を提供するDLPチップであり、分光計や化学用分析計[1]をはじめとした、多様なハンドヘルドのNIRセンシング・アプリケーション分野向けに開発されました。 アプリケーション分野としては、農業、食品・飲料、石油化学、ヘルス、スキンケアなどの業界があります。このチップセットとBluetooth®Bluetooth low energy 対応の『DLP NIRscan™ Nano』評価モジュール (EVM)を組み合わせることで、ポータブルのアナライザを簡単に試作し、ウルトラモバイルの分光計を迅速に開発できます。

[1] このチップセットは、TIが特許を取得したDLP TRPアーキテクチャを活用、先行のDLP Picoチップセット・アーキテクチャと比較して、消費電力を最大で50パーセント削減

DLP2010NIR』チップの特長と利点

・二次元の微小ミラー・アレイとシングル・ポイント・ディテクタを組み合わせることで、リニア・アレイ・システムと比較して、より低価格で、より高い精度の信号検出を提供
・700nmから2,500nmまでの広いNIR領域に対応、高精度の分光分析や、多様な材料の計測を実現
・小型サイズ、17度角のピクセル・ティルトにより、コンパクトな光学エンジン設計を実現、ハンドヘルドの組み込みシステムに最適
・854× 480個のマイクロミラーがプログラマブルに高速駆動できることで、先進的なフィルタリングを提供し、各種アプリケーションにおいて迅速な計測を実現

DLP NIRscan Nano EVMの特長と利点
・光学モジュール、エレクトロニクスやソフトウェア、アプリケーション開発などの実験解析にかかる費用に貢献
・90 cm3とポケットに入るフォームファクタで、900nmから1,700 nmの高分解能の波長領域を提供、先行の高解像度EVM 『DLP NIRscan』を継承
・TIのデュアル・モードBluetooth ワイヤレス・ネットワーク・プロセッサ・モジュール 『CC2564』を組み込み、Bluetooth やBluetooth low-energyの各機能が、iOSやAndroid™ のアプリ開発各社に、EVMプラットフォームへのワイヤレス接続機能を構築する能力を提供
・ARM® Cortex®-M4 CPU、1MBフラッシュ、256KB RAM、10個の I2Cモジュール、8個のUART、4個のQSPIモジュール、USB 2.0その他の豊富な機能を統合した『TM4C129x』 マイコンが、高度なコネクテッド製品を実現
・バッテリーを追加する場合、 I2C制御またはスタンドアロンの動作を提供する2A単一セル用スイッチング・モードUSBチャージャである『bq24250』 が、高速、高効率かつ柔軟な充電機能を提供。このチャージャICは、電源経路、入力電流と電圧の動的な電源管理、さらに放電されてしまった状態や、電池なしの状態でのシステム立ち上げを提供

TIでは、最終製品の迅速な開発に役立つ、デザイン・ハウス各社のエコシステムを提供しています。このDLPデザイン・ネットワーク は、開発各社のハードウェアやソフトウェアの実装、光学系の設計、システムの実装、試作、製造サービスや、ただちに使用できるソリューション提供など、現行や新興の顧客各社のニーズをサポートする、多様なネットワークです。

供給と価格
『DLP2010NIR』と『DLPC150』は2015年4月に、また『DLP NIRscan Nano』 EVMは2015年春に、TI Storeから供給される予定です。『DLP2010NIR』は、40ピン・パッケージで、『DLPC150』は201ピンVFBGAパッケージで供給されます。『bq24250』電池チャージャICは、4.0mm角の24VQFNと2.4mm×2.0mmの 30DSBGA パッケージで供給中です。

センシング・アプリケーション向けのTI DLP NIR製品ポートフォリオに関する情報
・『DLP2010NIR』と『NIRscan Nano』EVMのアプリケーション分野に関する ビデオ を参照
・『DLP2010NIR』と『NIRscan Nano』EVMの詳細に関する概要ページ を参照
・TIの 革新的なセンシング・ソリューションの詳細
DLPデザインハウス・ネットワークを参照
・DLPテクノロジーの使用についてのGetting Started ページを参照

DLP®テクノロジーについて

1996年以来、テキサス・インスツルメンツのDLP®テクノロジーは、インテリジェントなディスプレイ技術を含め、世界をリードする、さまざまなディスプレイ機器に採用されており、広範な用途において、色彩、コントラスト、明瞭度、輝度の面で優れた特性を持つ高精細な画像を提供してきました。DLPのインテリジェントなディスプレイ機能は、工業製品を含む、車載、医療、コンシューマ・マーケットなどの分野で広範なアプリケーションへの利用を可能にします。DLPテクノロジー採用のアプリケーションは、デジタル・シネマ用映写機(DLP Cinema®)や、大規模ホール、会議室、教室、ホームシアターなどの施設で使われる大型ディスプレイ機器から、手のひらに乗るサイズのDLP Pico®搭載モバイル機器にまで広がっています。すべてのDLPチップには、毎秒1万回ものスイッチングを行う極小ミラーが敷き詰められています。この高速スイッチング・スピードの利点により、DLPは今までにない新たなアプリケーションを実現します。

DLPテクノロジーに関する情報は、ホームページ(http://www.dlp.com/jp )およびツイッター(www.Twitter.com/TI_DLP )でも発信しています。

※ DLPおよびDLP CinemaはTexas Instrumentsの登録商標です。DLP Picoおよび NIRscanはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。