TI ホーム > ニュースリリース

ニュースリリース

日本TI、DCから7GHzまでの広帯域に対応した ADC駆動向け高性能完全差動アンプを発表

レーダー、試験/計測機器、ワイヤレス基地局などの性能を向上

2014年12月02日

SCJ-14-097                                                                                              
2014年12月2日

日本テキサス・インスツルメンツは、DC結合アプリケーションにクラス最高のAC性能を提供し、システム性能を向上する2つの完全差動アンプ(FDA)を発表しました。新製品の『LMH3401』と『LMH5401』は、既存のA/Dコンバータ駆動アンプに対し、帯域幅とスルーレート特性の向上と、歪みの低減を実現します。両製品は性能が極めて高く、人々の安全を守るレーダー・システムのほか、通話の切断を低減し、アップロード速度を高めるワイヤレス基地局を実現します。『LMH3401』と『LMH5401』の詳細は、http://www.tij.co.jp/lmh3401-pr-jpをご覧ください。

『LMH3401』はゲインが16dBで、類似FDA製品と比較して、性能の向上と同時に、サイズと消費電力の各30パーセント低減を可能にします。さらに、16dBゲイン時に7GHzの-3dB帯域幅、18,000V/μsの高スルーレート、500MHz時に-77dBcの低い高調波歪み特性を提供します。

『LMH5401』は、6dB以上のゲインに設定可能で、12dBゲイン時に6.2GHzの-3dB帯域幅 を提供します。また、17,500V/μsのスルーレート、200MHzで-90dBcの高調波歪み特性と-90dBcのIMD3特性など、業界をリードする性能を実現します。

LMH3401』と『LMH5401』の特長
・低消費電力でクラス最高の帯域幅とスルーレートを実現:低消費電力で、レーダーなどのパルス波形ベースのシステムにおける高速エッジ・レートの追従のほか、ワイヤレス基地局などの連続RF波形環境下での高周波増幅が可能
・高い信号品質: 強い遮断信号が存在しても、システムの小信号受信が可能
バランを不要に: シングルエンド信号から差動信号への変換が可能で、バラン(平衡-不平衡変換回路)を不要に。これにより、総合的なBOMコスト低減、広帯域幅の実現、システムの実装面積の縮小、設計の簡素化を実現。バラン使用回路と比較した場合の『LMH3401』と『LMH5401』の利点についてはブログ記事(英語)を参照

システム性能を最大化する関連デバイス
『LMH3401』と『LMH5401』は、送受信アプリケーションにおいて、真のDCから1GHz強へのデータ変換の際に、信号歪みを最小化します。これにより、システム設計の際に、12ビット4GSPS『ADC12J4000』、16ビット370MSPS『ADC16DX370』、16ビット2.5GSPS『DAC38J84』などのTIの最高速データ・コンバータの性能の最適化が可能になります。

TIの低ドロップアウト・レギュレータ(LDO)は、ノイズ・フリーの正負電源レールを提供し、『LMH3401』や『LMH5401』の性能を最大化します。例えば、『LP5907』は、低ノイズ、高PSRR(電源リップル除去比)、低静止電流、高速ライン/負荷過渡応答特性を提供し、『LMH3401』を最近のRF/アナログ回路要件に適合させることが可能になります。また、『TPS7A3001』LDOレギュレータは電源リップル・ノイズを減衰し、2電源に必要なクリーンな負電源レールを提供します。

製品開発を迅速化するツールとサポート
『LMH3401』と『LMH5401』の評価モジュールは、それぞれ単価(参考価格)149ドルで供給中です。また、システム性能の迅速なシミュレーションを可能にするTINA-TI SPICEモデルやリファレンス・デザインも用意しています。

パッケージ、供給、価格
『LMH3401』と『LMH5401』は、2.5mm角の14ピンQFNパッケージで供給されます。1,000個受注時の単価(参考価格)は、『LMH3401』が8.95ドル、『LMH5401』が7.95ドルです。

LMH3401』と『LMH5401』の特性表

項目

LMH3401

LMH5401

内蔵チャネル数

1

1

電源電圧範囲 Vs

3.3 V ~ 5.25 V

3.15 V ~ 5.25 V

スルーレート(typ)

18000 V/μs

17500 V/μs

平坦帯域の電圧ノイズ Vn (typ)

1.4 nV/√Hz

1.25 nV/√Hz

チャネルあたり静止電流 Iq (max)

62 mA

62 mA

出力電流 Io (typ)

50 mA

40 mA

第2高調波

96 dBc

109 dBc

第3高調波

102 dBc

103 dBc

最小安定ゲイン時の帯域幅  BW@Acl

7000 MHz

 

入力バイアス電流 Iib (max)

10000 nA

60000 nA

オフセット電圧 Vos(max)

20 mV

0.25 mV

ピン/パッケージ

14UQFN

14UQFN

動作温度範囲

-40 ℃ ~ +85℃

-40 ℃ ~ +85℃

1,000個受注時の単価(参考価格)

8.95ドルより

7.95ドルより


TI高速アンプ 関連情報
ブログ記事「差動信号経路への同相信号による影響の低減法(英文)
ブログ記事「LDOによる高速動作回路の問題解決法(英文)
通信システムのフィルタ損失の管理手法(英文PDF)

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。