SCJ-14-096                                                                                              
2014年12月1日

日本テキサス・インスツルメンツは、高い過渡電圧から電子機器を保護する新しいデジタル・アイソレータと絶縁型デルタ・シグマ型モジュレータ・ファミリを発表しました。新しい『ISO7842』 ファミリは、業界最高の絶縁特性を実現した強化アイソレータで、業界で初めて、最低40年の全製品寿命期間にわたって1,500Vrmsの動作時ブレークダウン電圧に耐える絶縁特性を提供します。一方、『AMC1304』デルタ・シグマ型モジュレータ・ファミリは、シャント電流によるモニタリング向けに、絶縁特性の強化と同時に、クラス最高の精度と業界最小の消費電力を実現します。強化絶縁製品ファミリの詳細に関しては、http://www.tij.co.jp/isolation-pr-jpをご覧ください。

FA、モーター制御機器などの産業メーカーは、消費電力の低減、効率向上や、システム・インテリジェンス機能向上のため、先進的なエレクトロニクス技術の集積化を進めており、データレートやシステム性能の向上への要求がますます高まっています。TIの新しい強化絶縁製品は、高い堅牢性、高速性、高性能を実現しており、高電圧によるブレークダウンが発生する可能性のある機器で、機能性と安全性の面で高度な絶縁要件への対応を可能にします。同時に、数十年に渡る高い動作信頼性、高精度のアナログ性能、産業機器のノイズの多い環境下での高い耐久性も提供します。

 『ISO7842』 デジタル・アイソレータ・ファミリの特長
・優れた総合的な強化絶縁ブレークダウン定格: DIN V VDE 0884-10規格に基づく 8,000 V（最大値）の過渡過電圧の強化絶縁特性を提供。さらに、 UL1577規格に基づく5,700 Vrmsの絶縁定格を提供し、UL レコグナイズド・コンポーネントやDIN V VDE 0884-10認証の取得に必要な5,000 Vrms（代表値）の定格値を超過達成
・長期間の信頼性: 競合製品を最大50 パーセント上回る、業界最高の1,500 Vrmsの動作電圧を提供
・データ伝送エラーを最小化: 100kV/μsと高いCMTI（コモンモード過渡耐性）を提供し、ノイズの多い動作環境下で通信の信頼性を向上
・業界をリードする保護機能: 12,800 V_PEAKと業界最高のサージ電圧保護定格により、瞬間的な高電圧パルスに対する耐性を実現し、電子デバイスを電圧スパイクから保護
・高速、高精度タイミング:100Mbps超のデータレートで高精度のタイミングと低ジッタを実現

『AMC1304』 デルタ・シグマ型モジュレータ製品ファミリの特長
・業界をリードする高い精度: オフセット誤差は150μV（最大値）、ゲイン誤差は±0.3パーセントで、業界最高のDC性能を提供。温度ドリフトは業界最小で、-40℃～+125℃の全動作温度範囲で高い精度を実現。業界をリードするAC性能により、モーター制御における最小限の歪みやノイズを実現
・業界最小の消費電力: 消費電力は1次側7mA（最大値）、2次側5 mA（最大値）と業界最小、入力電圧範囲は±50mVで、システムの総合消費電力を最大80パーセント低減
・システム設計を簡素化:ファミリの4製品は、業界で初めてLDO（低ドロップアウト）レギュレータを集積し、レギュレーションを行っていない電源にもモジュレータの接続が可能。モジュレータ・インターフェイスとsincフィルタを集積したTIの C2000™ Delfino™ 『TMS320F2837x』 や 『TMS320F2807x』 の各マイコン製品との組み合わせにより、複数のアナログ信号の高精度で高効率な取得が可能になり、システム性能を向上
・高電圧絶縁保護: 7,000 V（ピーク値）の強化絶縁耐圧、10,000Vのサージ耐圧、1,000Vrmsと1,500Vdcの動作電圧を提供。耐圧性能についてはUL 1577規格のUL レコグナイズド・コンポーネントやDIN V VDE 0884-10認証要件に適合

製品開発に役立つツールとサポート
『ISO7842』と『AMC1304』ファミリ搭載製品の開発期間を短縮するハードウェア評価キット、TI Designsリファレンス・デザインなどを提供しています。

「TIDA-00171」絶縁型シャント電流/電圧フィードバック・リファレンス・デザインは、『AMC1304』 デルタ・シグマ型モジュレータとC2000™  『TMS320F28377D』 Delfino™ マイコンを搭載しています。「TIDA-00330」絶縁LVDSリファレンス・デザインは、 『ISO7842』 デジタル・アイソレータ、『SN65MLVD203』 M-LVDS トランシーバ、『SN6501』  トランスフォーマ・ドライバ、『TPS76333』1チャネルLDOを搭載し、強化絶縁M-LVDSトランシーバ・ノードと絶縁型電源による堅牢な高速シリアル・インターフェイスを実現しています。このほかに2種類の強化絶縁リファレンス・デザイン を用意しています。

パッケージ、供給と価格
4チャネルの 『ISO7842』 は、強化絶縁デジタル・アイソレータ製品ファミリの初の製品で、今後、1、2、3チャネル製品も追加される予定です。『ISO7842』は量産出荷中で、その他の製品は2015年第1四半期に供給開始の予定です。LDOとCMOSインターフェイスを集積した『AMC1304M25』 と、『AMC1305L25』デルタ・シグマ型モジュレータは、±50mV～±250mVの入力電圧範囲に対応した７製品で構成されるファミリの初の製品です。

『AMC1304M25』と『AMC1305L25』はサンプル出荷中で、量産出荷開始予定は2015年初めの予定です。これらの新製品はSOIC-16 DWパッケージで供給され、1,000個受注時の単価（参考価格）は『ISO7842』 が3.49ドル、『AMC1304M25』が3.80ドル、『AMC1305L25』が3.50ドルです。

『ISO7842』ほかの特性表

『AMC1304M25』ほかの特性表

『AMC1305L25』ほかの特性表

TIの強化絶縁製品ラインアップ関連情報
・高電圧用の強化絶縁に関するホワイトペーパー：「定義とテスト手法に関するホワイトペーパー」（英文） 
・ブログ記事： 「強化絶縁の利点」
・Analog Application Journal 記事：「低消費電力の絶縁型計測システム」（英文）
・ビデオ：「高電圧特性テスト」（英語）

※C2000およびDelfinoはTexas Instrumentsの商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。