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日本TI、スマート・メーターやホーム・オートメーションなどの常時動作機器の消費電力を低減する高電圧スイッチャを発表

最大入力電圧700Vで、静止時の消費電力を半減

2014年09月25日

SCJ-14-078
2014年9月25日

日本テキサス・インスツルメンツは、静止電流が業界最小の100μA未満で、既存製品に比べて消費電力を半減する新しい700VスイッチャICを発表し、オフライン型AC/DC電源設計向けの高電圧電源製品ラインアップを拡充しました。新製品の『UCC28880』コントローラは、700VのパワーMOSFETと高電圧電流源を集積しており、スマート・メーター、ホーム・オートメーション機器や白物家電などの出力電流が最大100mAの常時動作機器の非絶縁型電源システムの総体的なエネルギー効率を向上します。製品の詳細についてはhttp://www.tij.co.jp/ucc28880-pr-jpをご覧ください。

TIのハイ・ボルテージ・パワー・ソリューションズ・グループCTOのデーブ・フリーマン(Dave Freeman)は、「世界では数億ものスマート・メーターが、使用電力の計測と、電力事業者へのデータ・フィードバックのために、電力を消費しています」と述べ、さらに「こうしたメーターの消費電力は相対的に低く、電力料金として請求されていませんが、個々のメーターに必要な電力と使用台数を掛け合わせて見ると、メーターの消費電力低減は極めて大きな意味を持っています。TIの新しい高電圧電源ソリューションなどの新たな電力変換技術は、スマート・メーターの消費電力を最小化します」と語りました。

 『UCC28880』高電圧スイッチャ は、高い電力効率とシステム性能の維持と、システム・コストとサイズの低減を実現します。また、他の半導体部品を追加することなく、降圧、昇降圧、フライバックなど各種トポロジのコンバータ設計を可能にします。

UCC28880』の特長と利点

  • 業界最小の消費電力: 負荷の減少により、静止時電流を100μA未満まで低減
     
  • 製品サイズと相対的なシステム・コストを削減: 700VのMOSFET、スタートアップ用電流源、内部電流検出回路を29.4mm2の小型7ピンSOパッケージに集積。さらに、外付け位相補償回路が不要 で、部品数と基板面積をさらに低減
     
  • 過電流時に優れたシステム性能を提供: 電流制限機能のほかに、インダクタ電流の 暴走防止機能による低負荷短絡保護で設計の信頼性を確保
     
  • 過熱保護: ヒステリシス・リスタート機能による過熱保護で安全性を向上< >: パッケージ片面への高電圧ピンの隔離配置により、低電圧ピンと高電圧ピンとの間隔を最大化
     
  • 沿面距離と絶縁間隔の拡大: パッケージ片面への高電圧ピンの隔離配置により、低電圧ピンと高電圧ピンとの間隔を最大化


『UCC28880』を搭載した オフラインのAC/DCリファレンス・デザイン  (『PMP8550』) は、ソリューション全体のサイズが38 x 32 x 22mmで、13Vの出力電圧をサポートし、最大100 mAの出力電流を生成する低コスト、低消費電力の非絶縁型ハイサイド降圧コンバータの迅速な設計を可能にします。このリファレンス・デザインは、スイッチ内蔵の降圧コンバータを搭載し、各種の産業機器に使用できます。回路図、CADファイル、テスト結果をダウンロードできます。

供給と価格
700VのFETを集積した『UCC28880』スイッチャは7ピンSOICパッケージで供給中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は0.55ドルです。『UCC28880』の
ローサイド降圧型評価モジュール と、  ハイサイド降圧型評価モジュール は、ダウンロード可能なPSpiceモデルが付属し、それぞれ単価(参考価格)49ドルです。

TIの電源 IC に関する情報

UCC28880』の特性表

 項目  UCC28880
 出力電流 Iout (max)  0.1 A
 静止時電流 Iq (typ)  0.06 mA
 入力電圧範囲  30 V ~ 700 V
 出力電圧 Vout (min)  3.3 V
 制御モード  電圧モード
 デューティサイクル (max)  55 %
 スイッチ電流制限(typ)  0.21 A
 スイッチング周波数 (max)  66 kHz
 制御トポロジ  降圧型 / 同期整流降圧型 /フォワード・フライバック型
 動作温度範囲  -40 ℃ ~ 125 ℃
 ピン/パッケージ  7SOIC
 1,000個受注時の単価(参考価格)  0.55 ドルより

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