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日本TI、高性能とリアルタイム性能の両方を提供する新しいARMコアSitara プロセッサ製品を発表

ARM Cortex-A9コアをベースとしたSitara 『AM437x』プロセッサ製品が、 強化された処理性能と産業用コネクティビティ向けの複数のオプションを提供

2014年07月01日

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2014年7月1日

日本テキサス・インスツルメンツは、バーコード・スキャン機能やデュアル・カメラを備えたデータ端末など、オートメーションと産業用の両方のドライブ製品向けに、複数の産業用プロトコルをサポートする、新しいSitara™ 『AM437x』プロセッサ製品ファミリ を発表しました。今回発表された『AM437x』プロセッサ製品は、クワッド・コアのPRU(プログラマブル・リアルタイム・ユニット)を利用したリアルタイム処理を提供することから、顧客各社は、製品をさらに差別化できます。これらのPRUは、産業用のフィールドバス・プロトコル群などの複雑な機能を実現するための、高い堅牢性を提供するほか、ARMプロセッサからリアルタイム処理の負荷を低減し、モーター制御などのタスク管理も実現可能です。高性能のARM Cortex-A9 プロセッサとペリフェラル群の統合、さらに複数のPRUの組み合わせによって、ファクトリー・オートメーション、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)、ホーム・オートメーションやIoT(Internet of Things、モノのインターネット)用ゲートウェイ、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)その他、幅広いアプリケーションを開発できます。

Sitara AM437x』プロセッサ製品の特長
・このSoCは、1GHz ARM® Cortex®-A9 コアとその他のサブシステムを統合、従来世代のSitaraプロセッサ製品より、最大40パーセント高いシステム性能を提供

・次世代のクワッド・コアPRU-ICSS (産業用通信サブシステム)コネクティビティ・ペリフェラルが、EtherCAT、EtherNet/IP、Profibus、PROFINET-RT/IRT、POWERLINK、Sercos III、IEC61850などから同時に2種類の産業用プロトコルを実現するほか、EnDatなどのモーター・フィードバック用プロトコルや、BiSSなどのセンサやアクチュエータ用のプロトコルもサポート

・オンチップのクワッド・コアPRUコプロセッサは、リアルタイム処理、I/O群への直接アクセス、超低レイテンシの要件への適合を実現

・特定アプリケーションのニーズに対応する、次のような新しいペリフェラル・オプションを統合

+ネットワーキング向けのデュアル・ポート1Gb Ethernetスイッチ
+バーコード・スキャナなどのアプリケーション向けの、2組のパラレル・カメラ・ポート
+サーボモーターの制御、オーディオのサンプリングやセンサのモニタのための、2個の独立した、最大867ksps、8チャネルA/Dコンバータ
+モーター制御とオーディオ向けアルゴリズム向けの、より向上したベクタ浮動小数点ユニット
+産業用ドライブ業界のトレンドの、より高精度の電流センス向けの、9チャネルのSinc3 フィルタ・シグマ-デルタ型A/Dコンバータ

広範囲の統合と新しいペリフェラル群が、より多くの特長と高い機能を実現
Sitara 『AM437x』プロセッサ製品は、ARM-Cortex™-A9コアを統合した高性能製品の追加による製品ポートフォリオの拡大のほかに、最大512 kBのオンチップ・メモリ、POWERVR SGXTM 3Dグラフィクス・アクセラレータと、色空間の変換、オーバーレイ、リサイジングその他の機能を実現するディスプレイ・サブシステムを内蔵しています。顧客各社はSitara『AM437x』プロセッサ製品によって、柔軟な個別設計の電源を使用するオプションを選択でき、電源のシーケンス動作を簡素化できます。さらに、Sitara 『AM437x』プロセッサ製品のコンパニオン電源管理ICである 『TPS65218』 は、電源分配パスを統合しているほか、高精度の電圧スーパーバイザや最小限の消費電力の電源モードなどの利点を提供し、消費電力を70パーセント削減して、高効率のDC/DCコンバータ製品を提供します。『TPS65218』は、低容量のコインセル電池での動作が必要で、5年以上の有効寿命をサポートするシステム向けに設計されました。4本のSPIを利用でき、XIP(execute-in-place、コードをRAMにコピーせず、直接実行する動作)が可能なことから、各システムは、低価格のNORフラッシュから直接立ち上げが可能です。

堅牢なソフトウェアとハードウェアを提供
Sitara 『AM437x』プロセッサを搭載した製品の開発は、無償、かつ安定なmainline Linuxソフトウェア開発キット (SDK)、複数のハードウェア・プラットフォーム群や、デバッグを支援する開発ツール群など、 多様なソフトウェア・プラットフォーム群によって簡素化されます。

Sitara 『AM437x』プロセッサ製品向けの 汎用EVM(評価モジュール) は、HMI、ポータブルのデータ端末、アセット・トラッキング、患者モニタ、テスト・計測その他の幅広いアプリケーションの開発を簡素化します。このEVMには、 7インチ(178mm)の容量性タッチLCDスクリーンが付属しているほか、TIの WiLink™ 8 コンボ・コネクティビティ・モジュール製品をプラグインできるコネクタを備えています。WiLink 8モジュール製品には、標準のLinux SDKと統合、検証済みのソフトウェア・ドライバ群も付属しています。2014年第3四半期には、PLCやドライブなどの産業用オートメーションのアプリケーションの開発が可能になるとともに、産業用Ethernetとモーター・フィードバックの各種プロトコルを同時に実現する、IDK(産業向け開発キット)も供給予定です。

供給
『TMDXEVM437X』 汎用開発キットは、単価(参考価格)599ドルでTIのウェブサイトから入手可能です。産業向けのIDK開発キットは、2014年第3四半期に単価(参考価格)329ドルで供給の予定です。『AM437x』プロセッサ製品は、2014 年7月にサンプル供給の予定です。現在、mainline Linux SDK は供給中で、Adeneo Embedded社、 QNX社、 Mentor Embedded社、 Wind River社、 Green Hills Software社、Smart Embedded Systems社 や Ittiam Systems社 をはじめとしたTIのデベロッパー・ネットワークの各社が、2014年内に複数のソフトウェア・ソリューションを供給する予定です。さらに、2014年内には、『AM437x』をベースとしたハードウェア・ソリューションを、bytes at work社、Gumstix社、Calixto Systems社 やMistral Solutions社などのハードウェア・モジュール供給各社が供給する予定です。

AM437x』に関する情報
・このquote sheet (英語)で、『AM437x』 プロセッサ製品に対するサードパーティ・サポートの詳細を参照
・『AM437x』プロセッサ製品をベースのTI Designs (リファレンスデザイン)
・新しい『AM437x』プロセッサ製品 に関する Tools Insider blog post(英語) をチェック

※ SitaraおよびKeyStoneはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します