TI ホーム > ニュースリリース

ニュースリリース

TI、高性能の太陽光発電システム向けにハードウェアとソフトウェアを提供する「C2000 ソーラー・マイクロ・インバータ 開発キット」を発表

TIの幅広い太陽光発電アプリケーション向け『C2000』Piccolo『F28035』 リアルタイム・コントロール・マイコンをベースにした新型開発キット

2014年05月16日

SCJ-14-033                                                                                              
2014年5月16日
※本資料は5月15日に米国で発表したニュースリリースを記者の皆様のご参考のために翻訳した資料です。内容については英文ニュースリリースが優先することをご了承ください。

テキサス・インスツルメンツは、太陽光発電の各種アプリケーションの設計簡素化に役立つ、「C2000™ ソーラー・マイクロ・インバータ開発キット」を発表しました。この開発キットは、TIの『C2000』 Piccolo™ 『TMS320F28035』マイコンをベースにグリッド接続のソーラー・マイクロ・インバーターを実装しています。ソーラー・マイクロ・インバーター製品は、太陽光発電業界でも新生の市場分野です。ソーラー・マイクロ・インバーター・システムは、一つの場所に設置されたすべてのソーラーパネルを1個の集中型インバーターに接続する代わりに、個々のソーラーパネルの出力に、より小型のマイクロ・インバーターを接続します。この構成は、部分的な日陰状態の防止、システム効率の向上、信頼性の向上と、より高いモジュール性など、数多くの利点を提供します。『C2000』 Piccolo 『F28035』マイコンの数々の革新的な特長と、ユニークなハードウェア設計を組み合わせた「C2000 ソーラー・マイクロ・インバーター 開発キット」は、高効率、高信頼性のグリッド接続ソーラー・マイクロ・インバーター製品を設計するための、他に例のないプラットフォームを提供します。

ソーラー・マイクロ・インバーターの設計を簡素化
ソーラー・マイクロ・インバーターは数々の利点を提供する一方、設計者に、複雑な困難を強いることがあります。設計者は、ソーラーパネルの電力出力の非直線性や、最大限のエネルギー供給を実現するための多様なテクノロジによるMPPT(最高電力点追従)アルゴリズム群への取り組みのほかに、複雑な電力ステージの設計と制御を理解することが必要です。同様に、これらの複雑な機能群を実装するための性能と柔軟性を備え、かつ簡単に動作させることが可能な、最適なコントローラを見つけることも必要です。TIの『F28035』 マイコンをベースとした「C2000 ソーラー・マイクロ・インバーター 開発キット」は、設計者に最適なマイコンを提供すると同時に、開発プロセスを、より管理しやすい部分まで分割することで、各アプリケーションの困難に系統的に対応します。ユーザーは、最初からコード開発を行う必要はなく、まず簡素なグラフィカル・インターフェイスによって設計を評価できます。ユーザーがより深く吟味できるようになった後、理論をベースにした詳細なドキュメンテーションが、ステップ・バイ・ステップのガイドを提供、ユーザーはオープン・ループからクローズド・ループの動作まで、ソーラー・マイクロ・インバーターを段階的に構築し、ソフトウェアとハードウェアを実装できます。

C2000 ソーラー・マイクロ・インバーター 開発キット」の特長と利点
・二次側の倍電圧回路、MPPTやグリッド接続DC/ACインバーターを内蔵した、アクティブ・クランプDC/DCコンバータによる制御を実装、ソーラー・マイクロ・インバーターの電力変換ステージを構成

・28 V~ 45 Vのソーラーパネル電圧入力をサポートするほか、220V ACで最大280W、110V ACで140Wの出力電力をサポート、多様な要件を持つ全世界の太陽光発電市場に最適

・93%のピーク効率と、4%未満のTHD(全高調波歪み)特性が、より高いソーラーパネルあたりの出力電力を実現、有害な発熱を防止するとともに、システムの寿命を延長

・『C2000』 Piccolo 『F28035』マイコンは、コンプリートなマイクロ・インバーター・システム向けの高性能コントローラとして動作し、DC/DC や DC/AC用電力ステージ向けの高い周波数の制御ループを実行

・単一のマイコン・システムの実装により、設計の簡素化とシステム・コストの削減を提供

・『C2000』 Piccolo 『F28035』マイコンは、インバーター回路を100kHzという高いPWM周波数で動作させ、 高調波歪みを低減すると同時に、受動部品のコストを削減

・『C2000』 Piccolo 『F28035』マイコンに統合された4.6 MSPSの12ビットA/Dコンバータ、低レイテンシの『C28x』リアルタイム・プロセシング・コアと、豊富な機能を備え150 psと 高分解能のPWM (パルス幅変調)モジュール群などの機能が、個々の電力ステージの効率的な制御を実現

・設計者は、コンプリートなソフトウェア・ソースコード、ハードウェア設計ファイル群と、詳細なドキュメンテーションによって、設計をどのように実装したかを正確に理解し、独自の太陽光発電の実装を開始するための基礎を学ぶことが可能

・ソーラー用とデジタル電源用のソフトウェア・ライブラリ群が、MPPTやソフトウェアによるPLL(位相ロック・ループ)などの多様な電力トポロジやアルゴリズムの実装に役立つ、最適化されたコードによるビルディング・ブロックを提供、カスタマイズしたソーラー・インバーター・ソリューションの設計に最適

・この開発キットに搭載された 『UCC27531』 『UCC27211』 の高性能ゲート・ドライバ製品が、17nsと低い伝搬遅延時間、高雑音環境向けの負電圧対応機能や、IGBTの駆動のための高電源電圧(『UCC27531』)などを提供し、高効率を実現

価格と供給
新製品の「C2000 ソーラー・マイクロ・インバーター 開発キット」(『TMDSSOLARUINVKIT』)は、単価(参考価格)850ドルで供給中です。また、TIでは、同550ドルの「C2000 高電圧MPPTキット」 (『TMDSHVMPPTKIT』) や、同450ドルの「C2000 高電圧単相インバーター・キット」(『TMDSHV1PHINVKIT』)などの、集中インバーターやストリング・インバーターの各トポロジ向けの補完的なソーラー開発プラットフォームも供給中です。これらのソーラー開発キットは、TI eStoreから販売中で、フルスイートのソフトウェア・ライブラリ群、ソフトウェア例や、リファレンス・ハードウェアのフル・パッケージが完備しています。これらのキットの無償のソフトウェアや設計リソースに関しては、C2000 controlSUITE™からご覧ください。

TIマイコンを支えるイノベーション
TIは、業界をリードするプロセス技術、独自のシステム構成、IP、専門技術を生かし、20年以上にわたり革新的なマイコン製品を提供し続けています。『MSP430™』超低消費電力マイコン、『C2000™』リアルタイム・マイコンならびに、ヘラクレス(Hercules™)セーフティARMマイコンなど充実したマイコン製品を揃えています。さらにデザイン・ネットワーク・パートナー各社のツール、ソフトウェアやワイヤレス・コネクティビティ・ソリューションおよび技術サポートで、顧客各社の製品の市場投入までの時間短縮に貢献します。

※C2000、Piccolo、HerculesおよびcontrolSUITEはTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。