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日本TI、低価格モーター・アプリケーション向けにInstaSPIN-FOCセンサレス・モーター制御テクノロジを発表 三相モーター制御設計を簡単化

『C2000』Piccolo『F2802x』リアルタイム制御マイコン製品で、InstaSPIN-FOCテクノロジを搭載し、より容易、迅速、かつ安価なモーター開発を実現

2013年08月28日

SCJ-13-078                                                                                           
2013年8月28日

日本テキサス・インスツルメンツは、最も低価格のリアルタイム・コントロール『C2000™』Piccolo™『F2802x』シリーズのマイコン製品に、画期的なInstaSPIN-FOC™(フィールド・オリエンテッド制御)センサレス・モーター制御テクノロジを搭載したラインナップを追加しました。これによって、特定市場のモーター設計者のみ利用できた高効率の三相モーター制御の専門技術を、より多数の開発者にも利用することができ、小型パッケージおよび低価格帯のマイコンで、従来センサで必要としていたシステムコストの削減を実現します。『C2000』 Piccolo 『F2802x』マイコン製品のROM(読み出し専用メモリ)に内蔵されたTIのInstaSPIN-FOCテクノロジを使うことで、モーター制御の開発の迅速化と同時に、BLDC(ブラシレスDC)、PMSM(永久磁石同期型)およびAC誘導などの各種モーターを搭載したコスト重視の各種アプリケーションの効率を向上します。

TIの低価格のInstaSPIN-FOCテクノロジを搭載したPiccolo『F2802x』シリーズのマイコン製品は、あらゆる種類の三相の同期型または非同期型モーターの同定、調整および制御を数分で実現する能力を備えていることから、洗濯機、コンプレッサ、ポンプ、ファン、電動自転車、電動工具、トレッドミル、コンパクト・ドライブ、ミシンおよび織機、リフトおよびホビー用モーターをはじめとした、多様なアプリケーションに最適です。

InstaSPIN-FOCテクノロジが2013年2月に初めて発表されるまで、既存のセンサレス・アルゴリズムは実際のアプリケーションの条件に対して十分な堅牢性を備えておらず、また複雑な制御システムへの実装も困難であり、数カ月もの開発期間を必要としていたことから、大多数の開発者には、センサレスFOCを利用することが困難でした。InstaSPIN-FOCテクノロジは、より低価格で、すべてのレベルの技術者向けに、システムの複雑さを低減すると同時に、向上したモーター効率、信頼性および性能を得られることから、これらの困難を克服し、開発の簡単化に対応することができます。

InstaSPIN-FOCテクノロジ搭載のPiccoloF2802x』マイコン製品の主な特長と利点

  • 幅広いモーター設計者が利用可能48ピン・パッケージ、32KBまたは64KBのフラッシュ品を大量発注時には単価(参考価格)2ドル前後で供給
  • 設計期間を数カ月短縮: モーター・パラメータの同定、ソフトウェア・オブザーバの調整、およびトルク制御の調整を、ほぼ自動で提供
  • 購入前の評価が可能: 無償で提供された、インタラクティブなInstaSPIN-FOCオンライン・シミュレーション・ツールを使うことで、多様なモーターの速度および負荷プロファイルをカスタマイズし、数分でシミュレーション結果の入手が可能
  • メカ式エンコーダに近い性能を提供: 組込まれた内蔵 FAST™オブザーバ・アルゴリズムで、電流および電圧の解析結果のみから、使用条件全体に渡って、モーターの磁束、角度、速度およびトルクの値を高い信頼性と堅牢性で推測が可能。正確なセンサレスの推測性能によって、ほぼすべてのトルクおよび速度のアプリケーションにおいて、メカ式の回転センサが不要
  • 全種類の三相モーターに適合: 同期型(BLDC、SPMおよびIPM)ならびに非同期型(ACI)の各モーターを、同一ソリューションで対応
  • 同定と調整: オフラインのモーター試運転機能によって、必要なモーター・パラメータを同定、FASTアルゴリズムを調整、電流コントローラーの初期化を行い、安定した動作を実現。オプションのオンラインの抵抗の再較正機能によって、抵抗変化に追従し、最も性能を要求される低速負荷条件において、堅牢なオブザーバ性能を提供
  • 起動時の困難を解決: 組込みの複数の起動モードおよび、数回未満の電気的サイクルでオブザーバの角度を確定し、他のセンサレス手法の起動時の困難を解決
  • 低速性能: 1Hz未満(代表値)の低速動作において角度計測の完全さが安定に保たれていることで、フルトルク、安定な停止、回転停止後の逆転、停止からのスムースな回復などを実現
  • システム・アーキテクチャの柔軟性を向上FOCトルク制御または、ソフトウェア・モーター回転センサなど、制御システムをカスタム化に対応できるように、関数コールによる実装を可能とし、システム・アーキテクチャの柔軟性を向上
  • 最も効率的なモーターの大きさを選択可能: 組込みの磁界制御機能で、より高速のアプリケーションでは弱め界磁駆動、より高トルクのアプリケーションでは強め磁界駆動を実現
  • 大幅な省エネルギーを実現: 誘導モーターの場合は、PowerWarp™モードを使用することで、必要なトルクを発生するための磁化電流を最小限化し、低負荷動作における無駄なエネルギーを削減
  • 開発が簡単、評価が迅速:  MotorWare™を経由して、InstaSPIN-FOC の機能である、モーターの同定、各種モーター・パラメータの保存、トルク制御、スピード・コントローラの調整、動作中の抵抗値監視、磁界調整、空間ベクトル変調、およびPowerWarpなど、12種類を超える演習プロジェクトを用意。またそれらは、モーター制御ライブラリ(モジュール群、ドライバ群、システム例および資料)を利用した、最新のオブジェクト指向のC言語および、APIベースでコーディングされた形で提供

価格および供給について
InstaSPIN-FOCを搭載した『F28026F』 および『F28027F』の各Piccoloマイコン製品は量産出荷中で、10,000個受注時の単価(参考価格)は4.03ドルから設定されています。現在、InstaSPIN-FOC オンライン・シミュレーション・ツール は、無償で提供中です。このソリューションの開発および評価に役立つ、モジュール方式のcontrolCARD (『TMDSCNCD28027F』)は、単価(参考価格)69ドルで供給中です。このcontrolCARDは、現在、『TMDSHVMTRINSPIN』 高電圧(50-350V、10A)モーター・キットに同梱して、単価(参考価格)699ドルで供給中です。このモーター・キットは、外付けエミュレータと組み合わせることで、先に発表された低電圧インバータ評価モジュールである(『DRV8312』/『DRV8301』 RevD)キットにも使用できます。 InstaSPIN-FOCおよびInstaSPIN-MOTIONは、先に発表されたPiccolo 『F2806x』 マイコン製品にも搭載されています。

 

TIの『C2000』Piccolo 『F2802x』マイコン製品、InstaSPIN-FOCおよびTIのモーター制御ソリューションの詳細に関する情報は、こちらからも参照できます。

TIのマイコンおよびソフトウェアの幅広いポートフォリオ
TIは、『MSP430™』超低消費電力マイコン、『C2000』リアルタイムコントロール・マイコン、Tiva™ ARM®マイコンならびに、Hercules™セーフティARMマイコンまで、低消費電力、リアルタイム・コントロール、セーフティおよびコネクティビティを提供し、業界をリードする、最も幅広いマイコン製品ポートフォリオによって、マイコン製品を20年以上に渡って革新し続けています。設計各社は、TIのツール群、ソフトウェア、ワイヤレス・コネクティビティ・ソリューション、強力なサードパーティ製品および技術サポートを活用することで、製品の市場投入時間を短縮できます。

※ InstaSPIN、C2000、PiccoloおよびMotorWareはTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。