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ニュースリリース

日本TI、InstaSPIN-FOCモーター制御テクノロジを迅速に評価できるオンライン・シミュレーション・ツールを発表

アプリケーションに要求されるモーター制御の機能および性能検査が可能なウェブベースのツールを無償で提供

2013年06月17日

SCJ-13-060                                                                                              
2013年6月17日

日本テキサス・インスツルメンツは、モーター設計においてTIのInstaSPIN™-FOC(フィールド・オリエンテッド制御)テクノロジを使用した機能評価および検証が可能な、無償の対話型(インタラクティブ)オンライン・シミュレーション・ツールを発表しました。このオンライン・シミュレーション・ツールを使うことで、三相の同期または非同期モーターを使った様々な速度および負荷条件のアプリケーションに対して、TIのInstaSPIN-FOCのソフトウェア・センサをベースの優れたセンサレス制御を全て評価することができます。ユーザーは、オンライン・シミュレーションの中で、ライブラリから各種のモーターを選択、速度および負荷プロファイルをカスタマイズし、シミュレーション結果を数分で得ることができます。また様々なズームおよびパンのオプションを備えたシミュレーション・ビューワーを使うことで、各波形を表示、周期計算、RMS、平均などの数々の波形解析を実行し、結果を印刷することができます。これらの豊富な使用体験ツールは、TIのInstaSPIN-FOCモーター・テクノロジへのより高い信頼を得ることで、同テクノロジを使ったモーター設計を促進する目的で開発されました。


2013年2月に発表されたTIのInstaSPIN-FOCソリューションは、モーターのメカ的な回転センサをなくし、システム・コストの削減に役立つ、TIの新しいセンサレス・オブザーバー・アルゴリズムであるFAST™(磁束、角度、速度およびトルク計測)ソフトウェア・エンコーダ機能を、TIの  『C2000™』 Piccolo™ 32ビット・マイコンのROM(読み出し専用メモリ)に内蔵しています。InstaSPIN-FOCは、モーター制御経験が少ない設計者にも、開発の困難および複雑さを緩和するとともに、あらゆる可変速度および負荷範囲のモーター・アプリケーションにおいて、モーターの効率、性能および信頼性を向上するプレミアム・ソリューションを実現します。このモーター・テクノロジは、先に発表されたInstaSPIN-MOTION およびInstaSPIN-BLDCの各テクノロジに追加され、将来のInstaSPIN関連製品とともに、モーター制御の開発を簡素化および効率化します。

ウェブベースのインタラクティブなシミュレーションで、InstaSPIN-FOC FASTソフトウェア・オブザーバーを検証する多くの利点:

  • 研究・設計期間を数カ月短縮: FOCアルゴリズムの適用に革新的FASTオブザーバーを使用。FASTオブザーバーは、一部の『C2000TM』Piccolo マイコン製品のメモリ内に、既に設計、検証、コード化されたものを実装済
  • エンコーダに近い性能を提供: メカ的な真の磁束軸に対して、正確な角度予測を表示。代表的な角度予測性能は、速度依存はあるものの通常は実際の磁束軸から1度未満の精度を提供。これにより、従来の多くのアプリケーションで使用されていたエンコーダの削減を実現
  • その他のシステム・センサを不要に: FASTソフトウェア・オブザーバーを用いて、モーターのトルク、速度および磁束の正確な計測機能を確認することでき、システムで従来正確性を高めるために必要としていたセンサの削減が可能
  • 多種類の三相モーターに対応: このオンライン・シミュレーションは、BLDC、SPMおよびACインダクション・モーターに対応し、その評価が可能。さらに、InstaSPIN-FOCソリューションは、IPMモーターにも対応
  • 回転開始時間を短縮: FASTオブザーバーは回転開始条件によらず適合できるとともに、通常、交流波形の1サイクル期間内にクローズド・ループのセンサレス制御への遷移が可能
  • 低速領域でも高性能を実現: 1Hz未満(代表値)の低速動作においても角度計測の完全さを安定に保ち、フルトルク、ゼロ速からの逆転、ストール状態からの滑らかな回復動作を実現

価格および供給について

現在、 InstaSPIN-FOCオンライン・シミュレーション・ツールは無償で供給中です。また、InstaSPIN-FOCを内蔵した、量産対応の90MHz動作、32ビット浮動小数点演算機能を備えた『F2806xF』Piccoloマイコンも出荷中です。10,000個受注時の単価(参考価格)は、6.70ドルより設定されています。今後、InstaSPIN-FOCは、その他の数種類のPiccolo マイコンでも供給される予定です。このウェブベースのシミュレーション・ツールを使ってInstaSPIN-FOCテクノロジの検証した後、低電圧・低電流のモーター制御キット『DRV8312-69M-KIT』(参考価格299ドル)、低電圧・高電流モーター制御キット『DRV8301-69M-KIT』(同299ドル)、また高電圧モーター制御キット『TMDSHVMTRINSPIN』(同699ドル)を使って、この最新のテクノロジによるモーター設計を開始できます。また、既にTIの最新のハードウェアのリビジョンに対応したモーター制御開発キットを購入済みのお客様には、InstaSPIN-FOC対応のPiccolo controlCARDである『TMDSCNCD28069MISO』(同99ドル)を実装することで同等の評価を行うことができます。

TI InstaSPIN-FOC およびモーター制御ソリューションに関する情報は、こちらからも参照できます。

※ InstaSPIN、C2000、Piccolo、MSP、TivaおよびMotorWareはTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。