2013年04月19日
SCJ-13-038
2013年4月19日
日本テキサス・インスツルメンツは、システム設計において限定された動作範囲や時間の掛かる調整処理から解放する、新型のInstaSPIN™-MOTIONモーター制御ソリューションを発表しました。InstaSPIN-MOTIONはトルク、速度およびモーション(加減速などの動作)を制御する包括的なソフトウェアであり、多様なモーションの状態遷移で動作する各種モーター・アプリケーションに、業界最高の効率で、堅牢なシステム性能を提供します。TIのInstaSPIN-FOC(フィールド・オリエンテッド制御)モーター制御ソリューションを元に構築されたInstaSPIN-MOTIONは、特に、複雑なモーション・シーケンスを最適化するよう設計され、調整を単一パラメータに削減するとともに、動作範囲全体に渡って、他に例のない精度で理想曲線への追従を実現します。最適化されたセンサレス・モーター制御を実現するための、最も簡単で最も効果的な手法を構成します。
2013年2月末に発表されたInstaSPIN-FOCソリューションは、高度なFAST™ ソフトウェア・センサの利点を活かして、回転子の磁束計測を行うほか、FOCのトルク・コントローラ内でモーターの識別機能、自動的な電流制御調整およびセンサレス・フィードバック環境を提供することで、高効率でセンサレス、そして幅広い負荷範囲の三相モーター・ソリューションを素早く展開できます。
さらなるモーター制御の向上および開発期間の短縮を提供
モーター制御機能をさらに追加したInstaSPIN-MOTIONは、より多くの専門技術をデバイスに搭載しています。TIの『C2000™』 Piccolo™ 32ビット・マイコン のROM(読み出し専用メモリ)内に組込まれたInstaSPIN-MOTION のコア・アルゴリズムは、LineStream Technologies社製のSpinTAC™コンポーネンツを内蔵し、モーション・プロファイルの最適化、単一パラメータの調整および、外乱除去コントローラを搭載し、開発期間の短縮、速度および負荷の変化範囲に渡って性能を向上します。 InstaSPIN-MOTIONは、センサ付きフィードバックまたは、内蔵のセンサレスのInstaSPIN-FOCソリューションで使用できます。
InstaSPIN-MOTIONテクノロジーの主な特長と利点
例えばモーターに必要なモーションを他の手法で定義するために、単純化され柔軟性の低い制御曲線を使用することで、逆に機械的なストレスを発生させてしまうといった、非効率な古い設計技術を排除することができます。手動でプログラミングされた、演算負荷の掛かる制御曲線では、多くのメモリが必要とされます。また、動作条件の変動範囲に渡って理想的なモーター性能を実現するには、複数パラメータの設定、およびPI(比例積分)コントローラが必要になり、時間の掛かる調整作業を要します。
価格および供給について
現在、InstaSPIN-MOTIONに対応した、90MHz動作、32ビット浮動小数点演算機能を備えたPiccolo 『F2806xM』 マイコンは、現在出荷中です。10,000個受注時の単価(参考価格)は、10.22ドルより設定されています。最新のInstaSPIN-MOTIONによるモーター設計を迅速に開始できる低電圧、低電流モーター制御キット『DRV8312-69M-KIT』を参考価格 299ドルで供給中です。また低電圧、高電流モーター制御キット『DRV8301-69M-KIT』を同299ドルで供給中です。また、高電圧モーター制御キット『TMDSHVMTRINSPIN』を同699ドルで供給中です。既にTIのモーター制御開発キットを購入済みのお客様には、InstaSPIN-MOTION対応のPiccolo controlCARDである『TMDSCNCD28069MISO』を同99ドルで供給します。先月のInstaSPIN-FOCのリリースをもとに、上記のキットを購入されたお客様は、最新のキット資料 および MotorWare のダウンロードのみで、InstaSPIN-MOTIONに対応できます。
TIのInstaSPIN-MOTION およびモーター制御ソリューションに関する情報は、こちらからも参照できます。
※ InstaSPIN、C2000、Piccolo、MSPおよびMotorWareはTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。