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日本TI、モーター制御の設計レベルを向上するPiccoloシリーズで 機能を高集積化した『F2805x』C2000 32ビットマイコンを発表

CLAコプロセッサ、ソフト、ツール環境を含め クラス最高のモーター・システム効率を引き出し、5倍の性能を実現

2012年11月27日

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2012年11月27日

日本テキサス・インスツルメンツは、複雑なモーター制御設計を緩和する、最新のモーター制御ソリューションとして、新しく機能統合を進めたPiccolo™シリーズの『F2805x』マイコン製品 、モーター制御ソフトウェア、特定アプリケーション向けの開発ツール群、および広範囲に渡るソリューションを発表しました。これらのPiccoloマイコ ンは、電動ポンプ、ファン、けん引駆動、織機、そのほかの、電力効率の向上および制御性能を強化するため、様々な3相インバータ・モーター制御アプリケー ション向けに最適化されています。

新しい『F2805x』Piccoloマイコンは、数多くのアナログ構成部をオンチップに統合しているため、システム効 率の向上およびディスクリート部品の削減が可能となります。『F2805x』Piccoloマイコンは、『TMS320C28x™』DSP(デジタル・シ グナル・プロセッサ)コアのほか、C言語でプログラミング可能なCLA(制御補償器アクセラレータ)コプロセッサもオンチップに統合しています。CLAは 32ビットの浮動小数点数値演算アクセラレータで、CPUコアと独立して動作するよう設計されていることから、短時間での制御が求められる制御アルゴリズ ムや、DSP処理などによるCPU負荷を軽減させることで、CPUはモーション・プロファイル、システム管理、通信および安全確認などの他の処理に利用で き、各種のクローズド・ループ・アプリケーションにおいて最大5倍の性能を実現します。

F2805xPiccoloマイコンの特長と利点

  • 60MHz動作の『C28xCPUおよび、C言語でプログラミングが可能な60MHz動作の32ビット浮動小数点CLA コプロセッサ: プログラミングが容易で、柔軟性を向上、並列処理の複数のアルゴリズムおよび制御ループ向けに、オンチップのペリフェラル群への直接アクセスを実現。CLAは、より高速のシステム応答、1秒間に数千回もの制御ループ、トリガ動作の向上およびフォールト検出を実現
  • 組込みメモリ容量を増加: 最大128KBのフラッシュおよび、最大20KBのSRAMを提供。デバイス全体または、複数ソースのソフトウェア開発向けに、ブートROMおよび、フラッシュならびにROMの保護ゾーン向けの128ビットのデュアル・セキュリティ・キーが、コードの安全性を確保
  • オンチップの通信インターフェイス: SPIモジュール、I2Cバス、CAN 2.0および、3個のSCI/UARTモジュールが、リアルタイム通信向けのコネクティビティを向上
  • アナログの統合でシステム効率を向上、BOM(原材料)コストを削減:
    • 2個のサンプル・ホールドを備えた最大2.3MSPSの12ビットA/Dコンバータで、モーターの各相の同時読み出しを実現
    • フォールト・マネージメント機能付きの14チャネルのePWM(エンハンスド・パルス幅変調)回路で、複数のモーター制御のほか、電力変換を実現
    • 最大4個のPGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)で、A/Dコンバータ前段の帰還信号用の可変抵抗として動作し、モーターの各相の正確な電流帰還機能と、コストの削減および基板実装面積の縮小を実現
    • 10ビットのD/Aコンバータ付きの、7本のアナログ・ウィンドウ・コンパレータで、即座にフォールト保護が可能
    • 外部ピンを使用しない2系統のクロック信号源をオンチップに統合し、システムの堅牢性を向上。また、予備の発振回路で、クロック故障状態からのスムーズな回復を実現
    • 電圧レギュレータでシステムの複雑さを緩和、コストを削減、単一電源電圧によるマイコンの動作を実現
    • センサ付きモーター制御向けの、32ビットeCAP(拡張入力キャプチャ)モジュールおよび、eQEP(拡張直交エンコーダ・パルス)モジュールで、各種の回転作動システムにおける位置および速度を正確に検出およびキャプチャ

 モーター制御の開発を簡素化するツール群、ソフトウェア、トレーニングおよびサポート

TIのモーター制御向け開発キット製品 および、無償のオープンソース・モーター制御ソフトウェア・ライブラリ群ならびにサンプル・プログラムを活用することで、製品開発を迅速に開始できます。これらのライブラリ群およびサンプル・プログラムは、『F2805x』 Piccoloマイコン製品 に統合された『C28x』およびCLAの両方のコアで利用可能であり、主要なモーター制御向け数値演算関数のほとんどを含んでいるほか、デバイス特有のペ リフェラル設定機能も提供します。簡素設計を考慮したこれらのモーター制御ライブラリ群は、全てモジュール化で、開発のすべての段階に最適化されているこ とから、ブロック図の各ブロックを接続するように、各ソフトウェア・コード・ブロックを相互に結合できます。技術者に必要な作業は、このモーター制御ライ ブラリ群の各ソフトウェア・ブロックを結合した後、各パラメータを調整し、コードをコンパイルし、『F2805x』Piccoloマイコンのフラッシュに 書き込むだけです。

『C2000』 Piccoloマイコンをベースとしたモジュール方式の開発ツール群は、幅広い『C2000』マイコン製品での実験が可能なことから、価格、性能およびペリフェラル群の機能セットの各要件に適合する製品を選択できます。これらのツール群には、『C2000』ローンチパッド controlCARDcontrolSTICK および『C2000』検証用キット があります。これらのツール群には、TIのCode Composer Studio v5 IDE(統合開発環境)および、『C2000』 controlSUITE ソフトウェアが付属しており、モーター制御の開発向けの使いやすいオープンソースのデモンストレーションGUI、ソフトウェア例およびドキュメンテーションを提供します。オンラインで利用可能なモーター制御トレーニング (英語)も提供中です。

価格と供給

現在、『F2805x』Piccoloマイコン製品はご注文を受付け中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は3.25ドルから設定されています。『C2000』、モーター制御および『Piccolo』シリーズ向けのツール群は、それぞれ異なる価格で供給されます。

TIのマイコンおよびソフトウェアの幅広いポートフォリオ
TIでは、『MSP430™』16ビット超低消費電力マイコンから、『Stellaris®』ARM Cortex 汎用マイコン、『C2000™』32ビット・リアルタイム・マイコン、さらに『Hercules™』ARM セーフティ・マイコンまで、豊富かつ幅広いマイコン・ソリューションを展開しています。またこれらの製品の開発を支援するTIの統合的なソフトウェア、 ハードウェア開発ツール群、強力なパートナー製品、および技術サポートが、お客様の製品の開発期間を短縮します。

※C2000、Piccolo、controlSUITEおよびCode Composer StudioはTexas Instruments Incorporatedの商標です。StellarisはTexas Instruments Incorporatedの登録商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。