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日本TI、初のデジタルI/Q復調器内蔵 超音波アナログ・フロント・エンドの量産出荷を開始

2012年11月06日

SCJ-12-111

2012年11月6日

日本テキサス・インスツルメンツは、デジタルI/Q復調機能とデシメーション機能を統合し、超音波診断装置やソナーや非 破壊検査などの超音波システムのFPGAのデータ処理要件を低減する、初のアナログ・フロント・エンド(AFE)製品を発表しました。新製品の 『AFE5809』は、デジタルI/Q復調器のほか、血流速度測定のためのCWD(連続波ドップラー)プロセッサも内蔵しており、医療用超音波機器の BOMコストを削減します。さらに、消費電力とノイズ特性のさまざまな組み合わせの選択が可能で、システム性能の最適化を可能にします。製品の詳細、サンプル、評価モジュールのご注文については、http://www.tij.co.jp/afe5809-pr-jp から参照できます。

AFE5809』の主な特長

FPGAの処理要件を低減: 内蔵デジタル復調器により、システム内のデータ処理要件とLVDS配線数を低減しており、コスト効率を向上

CWDミキサの集積: 内蔵のCWDミキサと加算アンプは、-156dBc/Hz(2.5MHzの搬送波から1KHzでの値)以下という低い近接位相ノイズを実現しており、血流速度の測定を可能に

デジタル復調器を内蔵し、超音波AFEとして業界最小のノイズと消費電力を実現: 業界最小の0.75nV/√Hzのノイズと158mW/チャネルの消費電力を実現。さらに、内蔵の14ビット、65MSPSのA/DコンバータのSNR(信号対ノイズ比)は各77dBFSで、鮮明なイメージ品質を提供

プリセット・プロファイル: デジタルI/Q復調器は最大32個のプリセット構成プロファイルを備えており、製品設計を簡素化

システムを最適化: 必要な機能をすべて集積したことにより、各種の超音波アプリケーションのシステム性能を最適化

  • 柔軟なアクティブ終端付きのプログラマブル低ノイズ・アンプ(LNA)
  • 最大ゲインは54dBで、ダイナミック・レンジを向上
  • LVDS出力が可能な、最大65MSPSの12ビット/14ビットA/Dコンバータ
  • 1 ~64 のデシメーション係数を持つデジタルI/Q復調器
  • 各種の画像処理モードに対して電力と性能を最適化するプログラマブル・モード低周波数信号処理のサポート(100KHz未満)

ツールとサポート

『AFE5809EVM』 評価モジュールを、単価(参考価格)299ドルで供給中です。また『AFE5809』の性能シミュレーションに役立つTINA-TI SPICE model も供給中です。

供給、パッケージ、価格

『AFE5809』は15mm x 9mmの135ピンBGAパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は87ドルです。

医療用アプリケーション向けに高度に最適化したTIのアナログ製品と包括的な関連製品ラインナップ

『AFE5809』は、TIの『AFE58xx』完全集積型超音波AFEファミリに新たに追加された製品です。この製品ファミリは、ハイエンド画像処理向けの『AFE5808A』『AFE5807』 、ポータブルからミッドレンジの超音波製品向けの『AFE5803』『AFE5804』『AFE5805』 、ハンドヘルドタイプの超ポータブル超音波製品向けの『AFE5801』『AFE5851』 で構成されています。

『AFE58xx』ファミリのすべてのデバイスは、送信側にTIの『LM96530』/『TX810』 T/Rスイッチ、『LM96550』 パルサー、『LM96570』 送信ビームフォーマーと組み合わせて使用できます。これらの製品は、TIが提供している組み込みプロセッサ、シグナル・チェーン、電源ICなどの超音波アプリケーション向けの包括的な製品ラインナップの一部で、先進的な超音波製品の迅速な開発を可能にします。

AFE5809』そのほかの特性表

項目

AFE5809

AFE5808A

AFE5807

AFE5805

内蔵機能

デジタル復調器内蔵超音波AFE

超音波AFE

超音波AFE

超音波AFE

内蔵チャネル数

8

8

8

8

チャネルあたり消費電力(typ)

158 mW

158 mW

97 mW

122 mW

分解能

12ビット、
14ビット

12ビット、
14ビット

12ビット、
14ビット

12ビット

入力電圧ノイズ(typ)

0.75 nV/√Hz

0.75 nV/√Hz

1.1 nV/√Hz

0.85 nV/√Hz

入力信号範囲(typ)

1,000 mVpp

1,000 mVpp

1,000 mVpp

250 mVpp

ゲイン設定範囲(typ)

40 dB

40 dB

40 dB

46 dB

最大総合ゲイン(typ)

54 dB

54 dB

54 dB

50 dB

第2高調波歪み HD2 (typ)

-60 dB

-60 dB

-60 dB

-60 dB

オーバーロード・リカバリ

1 クロック・サイクル

1 クロック・サイクル

1 クロック・サイクル

1 クロック・サイクル

ゲイン誤差(typ)

±0.5 dB

±0.5 dB

±0.5 dB

±0.5 dB

動作温度範囲

0℃~ 85℃

0℃~ 85℃

0℃~ 85℃

0℃~ 70℃

ピン/パッケージ

135NFBGA

135NFBGA

135NFBGA

135NFBGA

1,000個受注時の単価(参考価格)

87ドルより

58ドルより

54ドルより

44.7ドルより

 AFE5807』そのほかの特性表

項目

AFE5804

AFE5801

AFE5851

内蔵機能

超音波AFE

超音波AFE

超音波AFE

内蔵チャネル数

8

8

16

チャネルあたり消費電力(typ)

101 mW

58 mW

39 mW

分解能

12ビット

12ビット

12ビット

入力電圧ノイズ(typ)

1.23 nV/√Hz

5.5 nV/√Hz

5.5 nV/√Hz

入力電圧範囲(typ)

280 mVpp

2,000 mVpp

1,000 mVpp

ゲイン設定範囲(typ)

46 dB

36 dB

36 dB

最大総合ゲイン(typ)

49 dB

31 dB

31 dB

第2高調波歪み HD2 (typ)

-65 dB

-75 dB

-55 dB

オーバーロード・リカバリ

1 クロック・サイクル

1 クロック・サイクル

1 クロック・サイクル

ゲイン誤差(typ)

±0.5 dB

±0.5 dB

±0.5 dB

動作温度範囲

0℃~ 70℃

-40℃~ 85℃

-40℃~ 85℃

ピン/パッケージ

135NFBGA

64VQFN

64VQFN

1,000個受注時の単価(参考価格)

44.7ドルより

40ドルより

72ドルより

『AFE5809』などのTI医療用画像処理アプリケーション 向け製品の詳細はこちらからもご参照できます。

『AFE5809』のデータシートのダウンロード、評価モジュールとサンプルのご注文

TIの超音波アプリケーション向け製品ラインナップに関しての超音波システムの双方向ブロック図

TIの医療用画像処理アプリケーション向け製品の詳細

TIの医療用アプリケーション向け製品ラインナップの詳細

TIの「医療用画像処理アプリケーション・ガイド」(“Medical Imaging Applications Guide”)のダウンロード

 TIの医療用コンポーネントについて

21世紀、あるいは、その先の未来を視野に入れたヘルスケアの革新のため、TIは医療機器の品質をさらに向上し、医療機 器をさらに使いやすいものにする創造的な技術の開発に取り組んでいます。医療機器向けソリューションの分野で、TIはビルディング・ブロックから半導体ソ リューションに至るまでのアナログと組み込みプロセッサを網羅した包括的な製品ラインナップを提供しています。それに加え、TIはシステムに対する知見、 グローバルなサポート・インフラ、先進的なプロセス技術、医療業界との連携などでの大きな強みを活かし、革新的な医療用エレクトロニクス技術をさらに柔軟 に、低コストで使いやすいものにしています。ワイヤレス通信、コンシューマ・エレクトロニクス、車載、航空宇宙などのさまざまな市場で培ってきた経験をも とに、TIは医療機器市場で求められる高い水準の品質と信頼性を維持しながら、高速化、高精度化、低消費電力化、小型化などへの時代のニーズに応えていま す。詳細はhttp://www.tij.co.jp//medical をご覧ください。

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