2012年10月11日
SCJ-12-100
2012年10月11日
日本テキサス・インスツルメンツは、IGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)とMOSFET向けに、同じフォトカプラ型の競合製品と比較して40%も高速な絶縁型ゲート・ドライバを発表しました。新製品の『ISO5500』のTTLロジック入力と出力のパワー・ステージは、酸化シリコン膜(SiO2)絶縁バリアにより分離されており、フォトカプラや磁気アイソレータ製品と比較して、デバイス寿命を倍増します。絶縁型電源と組み合わせて使用することにより、高電圧やグラウンドからの絶縁を提供すると同時に、ノイズ電流のローカル・グラウンドからの流入を阻止し、敏感な回路との干渉や、その損傷を防止します。これにより、エレクトロニクス製品の安全性と信頼性を向上します。製品の詳細とサンプルのご注文は、http://www.tij.co.jp/iso5500-pr-jp から参照できます。
『ISO5500』は、モーター制御、モーション制御、産業用インバータ、スイッチング電源などの用途で、電圧低下ロックアウト回路により出力電源を監視し、十分なゲート駆動電圧を確保すると同時に、過電流保護機能も提供します。出力電源が12V未満まで低下した場合には、ゲート・ドライバの各出力がロジックL状態に遷移し、パワー・トランジスタをオフにすることで、デバイスの過熱と損傷を防ぎます。また、-40℃~+125℃の拡張温度範囲動作への対応が認定されています。
『ISO5500』への二次的な電源として、『SN6501』トランス・ドライバ をトランス、整流器、レギュレータと組み合わせて使用できます。これにより、小型、低コスト、高効率、低EMI(電磁妨害)の絶縁型電源ソリューションの提供が可能になります。
『ISO5500』 の主な特長
· 業界最速の伝搬時間: 伝搬遅延は最大300nsで、モーター制御を高速化
· デバイス間マッチング特性の改善による性能向上: デバイス間スキューを最大45nsと、フォトカプラ式ゲート・ドライバ製品と比較して80%も短縮。これにより、モーター制御 、電源インバータ などのHブリッジ・アプリケーションで正確なスイッチング性能を確保
· 信頼性向上: すべてのピンで4kVのESD(静電気放電)耐性を提供することにより、高い信頼性を確保し、過酷な動作環境でのデバイスの損傷を防止
· 設計の簡素化とコスト削減: 3.3Vと5V電源をサポートし、1種類のデバイスにより各種 3.3Vと5Vアプリケーションへの対応が可能。また、レベル・トランスレータを不要にし、システム・コストと部品点数を削減
· TIのマイコン製品との互換性: モーター制御やデジタル制御電源などの各種アプリケーション向けにTIのマイコン製品ラインナップを補完しており、信号回路とコントローラの高電圧からの絶縁を可能に
ツールとサポート
デバイス・パラメータの評価が可能で、基板レイアウトの参考になる『ISO5500EVM』 評価モジュール(参考価格49ドル)を注文できます。
価格、パッケージ、供給
『ISO5500』は10.3mm角の16ピンSOICパッケージで量産出荷中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は3.00ドルです。
『ISO5500』の特性表
項目 |
ISO5500 |
内蔵チャネル数 |
1 |
定格絶縁電圧 |
4243 Vrms |
伝搬遅延 (max) |
300 ns |
ピン配置 |
HCPL316J |
動作温度範囲 |
-40 ℃~ 125 ℃ |
ピン/パッケージ |
16SOIC |
1,000個受注時の単価(参考価格) |
3.00ドルより |
TIのアイソレータ製品ラインナップに関する情報はこちらからも参照できます。
· TIの「モーター・ソリューションズ・ガイド」 のダウンロード(英語)
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