2012年03月01日
SCJ-12-028
2012年3月1日
日本テキサス・インスツルメンツは、業界をリードするRF(高周波向け)電源管理IC(集積回路)の製品ポートフォリオに、新しいRF DC/DCスイッチング・コンバータ製品として『LM3242』および『LM3243』の2品種を追加したと発表しました。新製品のレギュレータは、高周波パワーアンプ(RF PA)のすべての動作条件において消費電力を最少にする適応的機能を備えた電源ICです。これらの新製品は、先行の『LM3241』とともに、スマートフォンおよびタブレットをはじめとした電池動作の2G、3Gおよび4G(第2、第3および第4世代)の新たな携帯電話の通信規格であるロング・ターム・エボリューション(LTE)用ポータブル機器の電池動作時間の延長および、発熱の低減を実現します。
製品に関する情報はこちらからも参照できます。
ポータブル機器のRF回路の動作電力は、全体的な消費電力の30%以上と、大きな割合を占めています。RF PAは、実際に必要な電力にかかわらず、常に最高の出力を得るよう駆動されることから、現行のモバイル・システム内で、電力効率が最も低い構成要素となっています。『LM3242』および『LM3243』の各レギュレータは、実際に必要な電力を元に、PA電力を能動的に調整することで、エネルギーを大幅に節約します。
『LM3242』および『LM3243』は、厳格なRF性能要件を満たすとともに、PAの出力電力の動的な最適化を実現することで、電池からの消費電流を最高50%以上削減するほか、PAの温度を最高30℃も低減するなど、従来のDC/DCスイッチング・コンバータと比較してユニークな特長を備えています。『LM3242』および『LM3243』の各ICは、95%という高い電力変換効率を実現するとともに、あらゆる電池状態および出力条件において効率を最高にする、複数の動作モードを備えています。『LM3242』は、3Gおよび4Gの各種アプリケーションとの間で互換性を備え、ソリューションの実装面積が9mm角と非常に小型です。『LM3243』は、ユニークなアクティブ電流アシストおよびアナログ・バイパス(ACB)モードを備えていることから、出力の安定化および、最小のソリューション・サイズを保ちながら、2G、3Gおよび4Gの各種アプリケーションのサポートを実現します。
『LM3242』および『LM3243』の主な特長と利点
供給、パッケージおよび価格について
現在、『LM3242』および『LM3243』は量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。『LM3242』は9ピン、『LM3243』は16ピンのmicro SMDパッケージで供給されます。1,000個受注時の単価(参考価格)は『LM3242』が0.76ドル、『LM3243』が0.95ドルです。
『LM324x』の特性表
項目 |
|||
スイッチング周波数 (typ) |
6,000 kHz |
6,000 kHz |
2,700 kHz |
入力電圧範囲 Vin |
2.7 V ~ 5.5 V |
2.7 V ~ 5.5 V |
2.7 V ~ 5.5 V |
出力電流 Iout (max) |
750 mA |
750 mA 1 A(バイパス・モード時) |
2.5 A |
出力電圧 Vout |
0.6 V ~ 3.4 V |
0.4 V ~ 3.6 V |
0.4 V ~ 3.6 V |
回路形式 |
降圧型 |
降圧型 |
降圧型 |
ピン/パッケージ |
6ピン micro SMD |
9ピン micro SMD |
16ピン micro SMD |
保護機能 |
過電流保護、過熱保護、ソフト・スタート |
過電流保護、過熱保護、ソフト・スタート |
過電流保護、過熱保護 |
1,000個受注時の単価(参考価格) |
0.90ドル |
0.76 ドル |
0.95 ドル |
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