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ニュースリリース

日本TI、C-RANアプリケーションおよびネットワーク・サーバ向けKeyStoneマルチコア・アーキテクチャを拡大

2012年01月05日

SCJ-12-001

2012年1月5日

日本テキサス・インスツルメンツは、ワイヤレス市場分野最前線に対する基地局向けSoC(System-on-Chip)ソリューションの取り組みとして、新たなC-RAN(クラウド・ラジオ・アクセス・ネットワーク)アプリケーション、およびネットワーク・サーバ向けにKeyStoneマルチコア・アーキテクチャの拡大を発表しました。このKeyStoneアーキテクチャの拡大は、急速に発展しつつあるC-RAN基地局のパラダイムに対応しており、製造各社は最高性能かつ高い電力効率のC-RAN基地局クラスターを開発するために必要な大容量のデバイス・プールの構築が可能になりました。基地局をクラスター構成にすることで、処理の集中が可能になり、フィールド設置機器の総数を削減できることから、より低い運用コストを追求する通信事業各社に革新的なオプションを提供します。KeyStoneアーキテクチャの拡大は、スモール・セルまたはマクロ・セル基地局向けKeyStone製品を採用している製造各社に、ソフトウェアへの投資を無駄にすることなく、C-RAN向けの強力かつ高いコスト効率を提供します。

Yankee Groupのモバイル・インフラストラクチャ担当プリンシパル・アナリストのケン・ライバーン氏(Ken Rehbehn)は、次のように述べています。「高い柔軟性を持つTIのKeyStoneアーキテクチャをC-RANネットワーク・トポロジの要件に対応するように拡大したことで、無線システムのイノベーター各社は、スモール・セルから大規模なC-RANプロセシング・プール群までのスケーリングが可能である均質のアーキテクチャの利点を活用できます。これらの拡大によって、開発コストの増加なしで、極めて重要で高い柔軟性を備えた製品を提供し、市場への投入時間を短縮することが可能になります」

C-RANは、サービスエリアおよび通信容量の拡大のための用地買収から、「グリーン基地局」などの環境管理まで、増大しつつある様々な困難に対応しながら展開されるワイヤレス施設内において、スモール・セル、DAS(分散型アンテナ・システム)、AAA(能動型アンテナ・アレー)、RRH(リモート・ラジオ・ヘッド)などの新たなトポロジ構成ツール群と共に使用されます。

KeyStoneは、基地局開発各社向けに包括的でスケーラブルなプラットフォームを提供する初のマルチコア・アーキテクチャです。今回のC-RAN向けKeyStoneの拡張には、マルチコア・ナビゲーターのキューマネージャ(Queue Manager)の強化も含まれており、16,000を超えるキューと、100万を超えるディスクリプタを提供します。さらに、TI独自のチップ間インターフェイスであるHyperlinkはデュアルポート動作で100Gbpsに対応し、内蔵イーサネットスイッチは1ポートあたり10Gbpsまで拡張しました。これらの拡張によって、複数のKeyStoneアーキテクチャSoCで構成された、より大規模なプールを相互接続して1個のSoCとして動作させることが可能となり、Ethernet IPで送られるベースバンドIQ信号の大規模な処理を必要とするC-RAN基地局にとって重要かつ高い処理能力を提供します。開発各社は、この構成によって、ワイヤレスに最適化した複数のKeyStone SoCで1基のC-RAN基地局全体を構築でき、消費電力の大きなx86サーバやその他のネットワーク・プロセッサが不要になります。

TIのワイヤレス基地局インフラストラクチャ担当、テクニカル・ストラテジ責任者のトム・フラナガン(Tom Flanagan)は、次のように述べています。「今回の拡大は、KeyStoneアーキテクチャのスケーラビリティを活用することで、マルチコアの処理性能が飛躍的に向上しました。KeyStoneアーキテクチャによって、800個近いDSPコアをプールし、それらを1個のマルチコア・デバイスとして使用可能で、前例のない高レベルの容量のデバイス・プール群を構築できます。各種のC-RANアプリケーション向けのシリコン・パートナとして選択された場合、真のマルチコア・プラットフォームであり差別化要素であるKeyStoneアーキテクチャのパワーを十分に発揮させることが可能です」

TIKeyStoneマルチコア・アーキテクチャについて

TIのKeyStoneマルチコア・アーキテクチャは、真のマルチコアの革新を実現するプラットフォームであり、開発各社に堅牢で高性能かつ低消費電力のマルチコア・デバイスのポートフォリオを提供します。飛躍的な性能を提供するKeyStoneアーキテクチャは、TIの『TMS320C66x』新型DSP世代を開発する基礎となりました。KeyStoneは、その他のあらゆるマルチコア・アーキテクチャとは異なり、マルチコア構成のデバイス内の、一つ一つのコアの処理性能をフルに発揮させる能力を提供します。KeyStoneアーキテクチャを搭載するデバイスは、ワイヤレス基地局、ミッション・クリティカル、テストおよびオートメーション、医療用イメージングおよびハイエンドのコンピューティングをはじめとした高性能市場向けに最適化されています。

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