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ニュースリリース

IEEEがTIの技術者3名をフェロー会員に選出

2011年12月08日

半導体業界に大きな影響を与えた革新的な製品によって、 TI技術者が栄誉ある技術コミュニティの顕彰を授賞

SCJ-11-103

2011年12月8日

テキサス・インスツルメンツは、TIの3名の技術者が、IEEE(米国電気電子学会)のフェロー会員に選出されたと発表しました。IEEEフェロー会員は、その個人の顕著な業績が、この顕彰に価すると判断されたIEEE会員に与えられる称号です。

このたび、TIのキルビー・ラボ責任者のAjith Amerasekera、アナログ部門の最高技術責任者Ahmad Bahai、それにEDM(External Development Manufacturing)グループのTIフェローであるLuigi Colomboの3名が、半導体業界における革新への貢献によって、IEEEの最高レベルの会員であるフェローとなりました。3名は、既にIEEEフェロー会員に選出済みの19名のTIの技術者に加わります。

TIの会長兼社長でCEO(最高経営責任者)であるリッチ・テンプルトン(Rich Templeton)は次のように述べています。「革新こそ、TIがこれまで80年を超える歴史を創ってきた基礎です。IEEEフェロー会員は、私たちの業界と、私たちが生活しているこの世界に大きな影響を与えた、重要な革新を成し遂げた人たちの顕著な業績を顕彰するものです。今回、TIで働く数多くの輝く知性のうち、これら3名がフェロー会員として認められ、大変幸甚です」

今回、IEEEフェロー会員に選出された3名の技術者のそれぞれが、電子技術界への多大な貢献を認められています。

Ajith Amerasekeraは、革新的な半導体のリーダーシップおよび回路設計への貢献によってフェロー会員となりました。彼のバックグラウンドとして、サブミクロンCMOSテクノロジーへの高電流、高電圧の影響に関する研究があり、この研究によって実際のデバイスの初の予測モデルおよび回路シミュレータを実現し、ESD(静電気放電)、ラッチアップの物理的なメカニズムおよび回路レベルのゲート酸化物のインテグリティをはじめとした、半導体デバイスの堅牢性についての知見が深まりました。2008年、Amerasekeraは、ブレークスルー・テクノロジーの研究のみを目的としたTIのハイリスク・イノベーション・センターであるキルビー・ラボの研究者に任命されました。彼は30件もの公開済み特許を所有するとともに、100件を超える論文を、技術ジャーナル誌およびカンファレンスにて発表したほか、半導体エレクトロニクス分野において4冊の本を著述しています。彼は数々の国際会議の技術プログラム委員会に参加し、現在は2012 VLSI Symposium on Circuitsの総合議長に就任しています。

Dr. Ahmad Bahaiはマルチ・キャリアのワイヤレスおよび有線通信システムへの貢献が認められました。Dr. BahaiはTIのアナログ・ビジネス部門のCTO(最高技術責任者)と、アナログおよびミックスド・シグナル・ラボの責任者を兼務しています。彼はこれまで、ナショナル セミコンダクター社のCTOと同社のリサーチ・ラボの責任者を兼務していました。また、スタンフォード大学および、カリフォルニア大学バークレー校の助教授も兼任しています。Dr. Bahaiは、4GおよびPLC(電力線通信)など、現行の数多くの通信システムで使用されているマルチ・キャリアのスペクトラム拡散理論の共同開発を行いました。彼はOFDM(直交周波数分割多重)方式に関する最初の参考書を1999年に著作するとともに、IEEEジャーナルの協力編集者としても5年間活躍しました。現在、彼はISSCC(International Solid-State Circuits Conference)の技術運営委員会に所属しています。Dr. Bahaiは120件を超えるIEEE/IEEの出版物のほか、システムおよび回路に関する28件の特許を所有しています。

Dr. Luigi Colomboは、IR(赤外線)デテクタおよびhigh-k(高誘電率)のゲート誘電材料に関する貢献が認められました。彼の仕事は広範囲に渡り、主なものとしては、以前までのTIの軍事・防衛ビジネスを、暗視スコープや赤外線追尾ミサイルなどの軍事用画像アプリケーション向けのIRデテクタ製造で市場リーダーの地位に押し上げたHgCdTe成長プロセスがあります。またDr. Colomboは、現在、半導体業界で使われているhigh-k材料テクノロジーの確立および確認においてリーダーの役割を演じました。彼は130件を超える文献を各ジャーナル誌および会報誌に発表するとともに、50件を超える招待講演および90件を超える通常講演を行ったほか、3冊の書籍においてIRデテクタの材料およびhigh-k材料に関連する内容の章を著述しました。Dr. ColomboはIR材料、強誘電メモリ、high-k材料、金属ゲート、デバイスのインテグレーションおよびグラフェン(一原子層炭素物質)の各分野において72 件の米国特許および18件の国際特許を所有しているほか、20件の特許を申請中です。

TIの革新的な企業活動について

TIのビジネスの中核は革新的な製品の開発です。最近の3年間に、TIは研究開発部門に50億ドルの投資を行いました。TIの包括的な革新戦略には、複数の大学および業界コンソーシアムへの投資および協働、キルビー・ラボでのブレークスルー・テクノロジーの研究、TIのビジネスユニット内および特別ラボ内でのより高い競争力の道筋の実行、それにワールドクラスの製造テクノロジーの開発などがあります。これらのアプローチによって、TIは、それらの技術的な進歩の開発、評価、洗練および活用が可能になり、顧客各社において発展中のニーズを満足する、差別化した製品を実現します。詳細についてはhttp://www.ti.com/innovation をご参照ください。

IEEEおよびIEEEフェロー・プログラムについて

IEEEのフェロー会員は、IEEE委員会が、IEEEに関わる各分野において著しい業績をあげた個人に授与するものです。1年間に選出されるフェロー会員の数は、投票権を持つ会員総数の0.1%を超えてはならないと定められています。IEEEフェローは会員制度の中で最も高いものであり、技術コミュニティにおいては極めて高い名誉であり、経歴上の重要な功績として認識されています。2011年には、321名の会員がIEEEフェローとなりました。

IEEEは人類社会のための技術進歩を目的とした、世界をリードするプロフェッショナルの団体です。世界160カ国から385,000人の会員を擁するIEEEは、航空宇宙システム、コンピュータおよび通信から生体医療技術、電力およびコンシューマ・エレクトロニクスまで、広範囲の分野をリードする専門家で構成されています。