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日本TI、Sitara『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサに業界で初めてEtherCATをはじめとする複数の産業用通信プロトコルをサポートしたワンチップ・ソリューションを発表

2011年11月25日

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2011年11月25日

日本テキサス・インスツルメンツは、業界で初めて複数の産業用通信プロトコルをサポートし、産業用オートメーション機器開発に大きく役立つ画期的なARM® CortexTM-A8システム・ソリューションを発表しました。7mW未満と低消費電力を提供するSitaraTM『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサ(MPU)のプロセッサ単体と、2種類の産業用オートメーション評価ボード(EVM)、通信プロトコルを簡単に開発できるソフトウェア開発キット(SDK)まで、開発に必要なすべてのトータル・ソリューションを提供します。このソリューションを使うことで、I/O(入出力)機器、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)およびPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)をはじめとした産業用オートメーション向け製品の市場への投入時間の短縮が可能となります。

オンチップの複数の産業用ペリフェラルおよび通信プロトコルでBOMコスト低減

『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサは、EtherCAT®、Ethernet/IP、PROFIBUS®、PROFINET®、POWERLINKおよびSERCOS IIIをはじめとした主要な産業用通信プロトコルのマスタおよびスレーブの両面をサポートします。新設計高性能リアルタイムエンジンのPRU(プログラマブル・リアルタイム・ユニット)を搭載、厳しいリアルタイム性が要求される産業用通信機能を搭載する製品に最適です。このPRUとARMがワンチップに統合されたことで、『AM335x』ARM マイクロプロセッサは外付けの通信専用の高価なASIC(特定用途向け集積回路)あるいはFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー)が不要となり、シンプルな設計かつBOMコストの低減に大きく役立ちます。また『AM335x』ARM マイクロプロセッサは、CAN、A/Dコンバータ、USB+PHYおよび、IEEE 1588機能付きの2ポートGigabit Ethernetをはじめとした主要な産業用ペリフェラルもサポートしていることから、高速のネットワーク・コネクティビティおよび、高いデータ転送のほか、各種センサ、アクチュエータおよびモーター・コントロールとの接続といった高い拡張性を持っています。

単一のスケーラブルなプラットフォームで数多くの異なる最終製品をサポート

設計者はピン互換性およびソフトウェア互換性を有する『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサのスケーラビリティにより、さまざまな産業用オートメーション・システムに最適なラインナップを選択することができます。

  • I/Oデバイス、ドライバ: 特に、スレーブ通信機能を必要とするセンサ、アクチュエータ、モーター・ドライブ、通信モジュールおよびゲートウェイなどの機器を実現する場合、275MHz周波数グレードの『AM3356』および『AM3357』が最適です。ARM CPUが275MHzであるものの、強力なPRUエンジンが搭載されています。外付けメモリやオペレーティング・システムがなくても動作できる設計となっており、システムの簡素化および小型化に役立ちます。
  • 産業用PLCアプリケーション:『AM3356』および『AM3357』ARM マイクロプロセッサのハイスペック・グレードである720MHzを選択することにより、電気モーター、空圧または油圧シリンダー、電磁リレー・ソレノイドその他の様々なI/Oデバイスを制御する必要のある高性能PLCアプリケーションに最適です。
  • HMI製品: 『AM3354』『AM3358』および『AM3359』ARM マイクロプロセッサは、オンチップの タッチ・スクリーン・コントローラおよびGPUグラフィクス・エンジン統合し、表現力豊かで直覚的なグラフィカル・ユーザー・インターフェイスと、タッチ・スクリーン・インターフェイスを同時に実現可能です。産業用通信機能の統合が不要なHMIアプリケーション向けには、ローコストの『AM3354』および『AM3352』のラインナップを準備しています。

市場投入時間を短縮する2種類の産業用評価ボードおよびソフトウェア開発ツール

『AM335x』ARM マイクロプロセッサは、2種類の産業用評価ボードを準備しています。

1. 『AM3359 IDK(Industrial Development Kit)』: 主要な産業用通信プロトコルのすべてと、モーター・コントロール・アプリケーションを広範囲で評価できる開発ツールです。『AM3359 IDK』は512MBのDDR2メモリ、2チャネルのモーター・ドライバ、デジタルI/O、A/Dコンバータを内蔵した『C2000』Piccoloマイコン(MCU)Stellaris® ARM Cortex-M3 マイコン、USB、Ethernet、SPI、I2Cほかをはじめ、数多くの用途に対応した評価機能を搭載しています。『AM3359 IDK』は参考価格895ドルでご注文を受け付け中です。

2. 『AM3359 ICE(Industrial Communication Engine)』: I/O機器およびセンサ機器などのスレーブ機器向けの評価に特化した超低価格99ドル(参考価格)の評価ボードです。ポケットサイズながら、主要なプロトコルをサポートしているため、試作ハードウェアを作る前に多くのソフトウェア検証やシステム全体の構想・設計を小さな投資で実現することができます。『AM3359 ICE』の受注も開始しております。

また、タッチパネルコントロールLCD付きの統合開発ボードである『AM335x EVM(評価モジュール)』も参考価格995ドルで受注を開始しています。

SDK(Software Development Kit) : 認証済みの主要な通信プロトコルライブラリをパッケージしたSDK(ソフトウェア開発キット)も合わせて提供しています。ハイエンドのアプリケーション向けに、Linux、AndroidおよびWindows Embedded Compact 7の各オペレーティング・システム用のSDKパッケージが選択可能で、またリアルタイム性が必要なアプリケーション向けに超小型のSYS/BIOSリアルタイム・オペレーティング・システムのパッケージを提供します。産業用オートメーションの設計のデモンストレーション、アプリケーション・ノートおよびビデオも含まれていますので、開発者は容易に評価・開発に着手できます。

TIでは、産業用Ethernet PHYおよび絶縁型CANトランシーバ、モーター・ドライバ、温度センサおよび電源管理デバイスのほか、ワイヤレス・コネクティビティのオプションなど、Sitara『AM335x』ARM マイクロプロセッサを補完するアナログIC製品をはじめ、システム・デザイン全体の設計に必要な全製品を供給しています。

※ SitaraはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。