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日本TI、業界標準を上回る性能と浮動小数点演算機能でミッション・クリティカル市場分野の厳しい消費電力、精度および分解能の要件に適合する『TMS320C66x』マルチコアDSPを発表

2011年11月16日

SCJ-11-097

2011年11月16日

日本テキサス・インスツルメンツは、『TMS320C66x』DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)を基に、業界最高の性能を提供し、ミッション・クリティカル市場分野の性能および精度の標準をさらに向上する、マルチコアDSP製品の供給を発表しました。TIの『C66x』DSPの各製品は、SDR(ソフトウェア無線)、レーダー、監視および画像処理用カメラをはじめとした様々なアプリケーションに最適であり、開発各社に多様なマルチコア・ソリューションおよび機能と、拡張されたIPコア群、開発ソフトウェア、ツール群との組合せを提供することで、電力効率が高くコスト効率の洗練されたシステム・アーキテクチャを実現します。開発各社はTIの『C66x』マルチコアDSP製品を使うことで、各種のミッション・クリティカル・アプリケーションに必須の、より高い処理能力、高精度および高分解能の要求条件に、いっそう効率良く対応できます。

Gedae, Inc.の最高経営責任者であるビル・ランドグレン氏(Bill Lundgren)は次のように述べています。「防衛用のセンサ処理市場分野では、ほとんど限りのない計算能力への要求とともに、より低消費電力のデバイスを要求されることがあります。高い帯域幅のオンチップ・データ、オンチップ・メモリ、MIMD(複数命令、複数データ)のマルチコアおよび、膨大な処理帯域幅を提供するTIのマルチコアDSP製品ファミリーは、各種のミッション・クリティカル・アプリケーションに大変魅力的です」

ミッション・クリティカル開発各社のニーズに対応

ミッション・クリティカル開発各社が良質のシステム・アプリケーションを設計する場合に考慮しなければならない重要な要素として、機能、信頼性および、使いやすさがあります。TIの『C66x』マルチコアDSPは、1個のデバイス上に固定小数点と浮動小数点の両演算機能を搭載し、ミッション・クリティカル・システムの重要な要件である精度を向上する、業界初の10GHz DSPです。また『C66x』マルチコアDSP製品は、複数のDSPの機能を1個のデバイス内に搭載していることから、基板実装面積を縮小およびコストを低減、SwaP(サイズ、重量および電力)の困難を緩和するほか、全体的なクロックレートおよび消費電力の低減を実現し、システム性能を向上します。さらに、TIのマルチコアDSPは、SRIO、PCIeおよびHyperlinkなどのインターフェイス帯域幅の要件にも対応します。TIのマルチコア・ソリューションは、高温、長期保存への耐久性など、究極に過酷な物理環境で動作することが必要な各種アプリケーション向けに、工業用温度範囲のリード・ソルダー・ボール・パッケージで供給されることから、『C66x』ファミリーは、各種のミッション・クリティカル・アプリケーションにおいて高信頼性および利便性を実現します。

SDR(ソフトウエア無線)のニーズに対応

TIの『C66x』DSPの製品には、SDR、公共安全、およびブロードバンド・ラジオ・システム向けのアクセラレータを内蔵し、無線向けの1.2GHz動作の4コア・デバイスである『TMS320C6670』SoCがあります。『C6670』は、複数の標準規格に対応するBCP(ビットレート・コプロセッサ)および、LTE、WCDMA、TD-SCDMAおよびWiMAX向けの物理レイヤ処理を加速するコプロセッサを内蔵していることから、低いレイテンシでシステム容量および性能を大幅に向上します。さらに、バランスが良好なプログラマブルCPUコア群および、設定しやすいアクセラレータ群によって、より簡素化したプログラミング・モデルでソフトウェア無線を実現できます。これらの改良されたアクセラレータ群の追加は、ミッション・クリティカル業界向けの、複数の標準規格に対応する通信機能を中核としたソリューションの開発に、さらに役立ちます。また、TIのKeyStoneマルチコア・アーキテクチャによって、開発各社はTIの『C66x』マルチコアDSPファミリー全体に渡って同一プラットフォームを活用できることから、各種のSDRにおいて、複数の複雑な信号をサポートできます。

知的機能を備えたレーダー・システムのニーズに対応

現在のレーダー・システムでは、FFT(高速フーリエ変換)のため、より高速の演算処理が要求されます。TIの『C66x』マルチコアDSPは、FFTの演算処理時間の要件に対応するための、並行処理への経路を提供します。レーダー開発各社は、使用するコアの個数を選択することで、FFTの時間間隔の要件に対応できます。レーダー・システムに必要なFFT演算処理性能を達成すれば、残りの『C66x』DSPコアを使用して、信号の前処理および後処理や、システム内のその他のタスク群を実行できます。さらに、マルチコアをフルに制御する権限を備えたTIのソフトウェア・ツール群が、最良のコア設定を決定することから、より高い柔軟性を実現し、開発各社はレーダー・システムの複数の要求条件に対応可能になります。

監視および画像処理システムのニーズに対応

クラウド・コンピューティングの出現により、監視アプリケーションは、より集中化したネットワークへ移行しています。また、増加するカメラ入力の管理に役立つ、進歩したビデオ解析アルゴリズムへの需要が増加しています。これらの需要に対応するためには、非常に高い処理性能が必要です。TIの『C66x』マルチコアDSPは、ミッション・クリティカル開発各社に、業界をリードするサードパーティおよびパートナ各社からの膨大なアルゴリズムを集積した『Vision Library』を提供します。このライブラリは、大多数のビデオ解析アルゴリズムの基本的なビルディング・ブロックとして使用できる、40種類を超える主要カーネル群を提供します。さらにTIでは、開発各社向けにJPEG 2000などの進歩したコーデック群を供給することから、多くの国の政府機関が規定する各種アプリケーションに必要な、可能な限り最高の画像品質、低いレイテンシおよび、フレーム間の非依存性を提供します。

TIの『C66x』マルチコアDSPは、SDR、レーダー、監視および画像処理システムのほか、フライト・コントロール、経路検索、サーバー、ビデオ処理ネットワークおよびセキュリティなどの各種アプリケーションにも最適です。

マルチコア・ソフトウェア、ツール群および低価格のEVMが開発を迅速化

TIでは、開発を容易にするとともに、マルチコア性能をフルに活用するために役立つ、堅牢性の高いマルチコア・ソフトウェア、ツール群および低価格のEVM(評価モジュール)を供給しています。Linuxソフトウェア、最適化されたライブラリ群、OpenMPプログラミング・モデルへのサポートおよび、無償のMC-SDK(マルチコア・ソフトウェア開発キット)をはじめとした、大幅に更新されたマルチコア・ソフトウェア・キットおよびツールセットを供給中です。TIの包括的なEVMを使用することで、『C66x』マルチコア・デバイスの開発および評価がより容易になります。『C6678』マルチコアDSPの開発をただちに開始できる、『TMDSEVM6678L』EVMを参考価格399ドルで供給中です。このEVMには無償のMC-SDK、『Code Composer StudioTM』 IDE(統合開発環境)および、アプリケーションおよびデモンストレーション用のコード群のスイートが付属していることから、プログラマは新しいプラットフォームに素早く慣れることができます。

TIKeyStoneマルチコア・アーキテクチャについて

TIのKeyStoneマルチコア・アーキテクチャは、マルチコアの本来の革新を実現するために開発され、高性能かつ低消費電力のマルチコア・デバイスのポートフォリオ『TMS320C66x』新型DSPシリーズの基礎として飛躍的な性能を提供します。KeyStoneアーキテクチャは、その他のあらゆるマルチコア・アーキテクチャとは異なり、マルチコア構成のデバイス内の、一つ一つのコアの処理性能をフルに発揮させる能力を提供します。KeyStoneアーキテクチャを搭載するデバイスは、ワイヤレス基地局、ミッション・クリティカル、テストおよびオートメーション、医療用画像処理およびハイエンドのコンピューティングをはじめとした高性能市場向けに最適化されています。

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