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ニュースリリース

日本TI、消費電力と性能に新しい標準を確立し、精度の向上および電池動作時間の延長を実現するA/Dコンバータ・ドライバ・アンプを発表

2011年11月10日

クラス最高の低消費電力、帯域幅、スルーレート、全高調波歪および精度を提供する 新型ドライバ・アンプ製品

SCJ-11-095

2011年11月10日

日本テキサス・インスツルメンツは、汎用、低消費電力、レール・ツー・レール出力のオペアンプ製品のポートフォリオを拡張、業界最高の性能-消費電力比を提供する、1チャネルおよび2チャネル内蔵のA/Dコンバータ・ドライバ・アンプとして、『OPA2836』を発表しました。これらの新製品は、市販の同種のソリューションと比較して、消費電力を33%低減すると同時に、2倍を超える帯域幅、15倍も高速のスルーレート、40倍も優れたTHD(全高調波歪)および75%も高い精度を提供します。

製品に関する情報はこちらからも参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ部門担当でシニア・バイスプレジデントのスティーブ・アンダーソン(Steve Anderson)は次のように述べています。「現在まで、超音波流量計、スマート・ポンプおよび電力品質測定器をはじめとしたポータブルの産業用測定機器の設計各社が、12ビットから16ビットの分解能の精密SAR(逐次比較型)やデルタ-シグマ型のA/Dコンバータを使用して高精度アプリケーションを設計する場合、オペアンプの性能が制約となっていました。顧客各社は、業界で最も高い性能-消費電力比を提供する『OPA2836』オペアンプ製品を使うことで、超低消費電力特性を保ちながら、これらのA/Dコンバータをデータシートに記載通りの高性能で駆動できるようになります。またポータブルの産業用および医療用機器では、高精度を保ちながら、電池動作時間を延長できます」

TIでは、カメラ、ノートPCや携帯電話など、さらに低い消費電力特性が必要な電池動作のコンシューマ・エレクトロニクス機器の設計各社向けに、『OPA2835』A/Dコンバータ・ドライバ製品を供給中です。『OPA2835』オペアンプは、市販の同種の製品と比較して、クラス最高の性能-消費電力比を保ちながら、60%も低い電力で動作します。

OPA2836A/Dコンバータ・ドライバ・アンプの主な特長と利点

  • 業界最小の消費電力: ポータブルの産業、コンシューマおよび医療向けアプリケーションにおいて、1mA/チャネルの低消費電流と、205MHzの広帯域を同時に提供、TIの『ADS7945』および、ナショナル セミコンダクターの『ADC128S102』をはじめとした低消費電力SARおよびデルタ-シグマA/Dコンバータを高精度で駆動
  • クラス最高の性能: 205MHzの帯域幅、560V/μsのスルーレート、130dBcのTHD、4.6nV/√Hzのノイズ特性によって、クラス最高の直線性、SNR(信号-雑音比)およびSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)を実現、感度の向上およびデータ・コンバータ回路の性能を向上
  • 高精度: 入力オフセット電圧が65μV(代表値)、オフセット・ドリフトが1.1μV/℃(代表値)と低いことから、高精度の測定を実現
  • 超小型のパッケージ: 2mm角の超小型WQFNパッケージに、ゲイン設定抵抗も内蔵していることから、市販の同種の製品と比較して、基板実装面積を最高75%縮小

開発ツール群およびサポート

TIでは、1チャネル内蔵の『OPA836』オペアンプ向けEVM(評価モジュール)として『OPA836IDBVEVM』を99ドル(参考価格)で、また2チャネル内蔵の『OPA2836』オペアンプ向けEVMとして『OPA2836IDGSEVM』を同149ドルで供給中です。

また『OPA836』オペアンプと『ADS7945』の構成のリファレンス・デザインとして『ADS7945EVM-PDK』および、同オペアンプと『ADS7946』によるリファレンス・デザインである『ADS7946EVM-PDK』も供給中です。

さらに、1チャネル内蔵の『OPA835』オペアンプ向けEVMである『OPA835IDBVEVM』を99ドル(参考価格)で、また2チャネル内蔵の『OPA2835』オペアンプ向けEVMである『OPA2835IDGSEVM』を同149ドルで供給中です。

上記の4品種のデバイスのPSpiceおよびTINA-TI Spiceモデルおよび、TINA-TIリファレンス・デザインも供給中です。

価格および供給について

1チャネル内蔵の『OPA836』および『OPA835』はサンプルおよび量産出荷中で、2mm角の10 ピンWQFNパッケージおよび、3mm角の6ピンSOT23パッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は『OPA836』が0.90ドル、『OPA835』が0.85ドルです。

2チャネル内蔵の『OPA2836』および『OPA2835』はサンプルおよび量産出荷中で、4mm×5mmの8ピンSOICパッケージ、3mm角の10ピンMSOPパッケージおよび、2mm角の10ピンWQFNパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は『OPA2836』が1.50ドル、『OPA2835』が1.35ドルです。

OPA2835』および『OPA2836』の特性表

項目

OPA2835

OPA2836

OPA835

OPA836

内蔵チャネル数

2

2

1

1

最低安定ゲイン時の帯域幅BW@Acl

56 MHz

205 MHz

56 MHz

205 MHz

最小安定ゲイン Acl

1 V/V

1 V/V

1 V/V

1 V/V

スルーレート(typ)

160 V/μs

560 V/μs

160 V/μs

560 V/μs

セトリングタイム(0.1%)(typ)

55 ns

30 ns

55 ns

30 ns

電圧ノイズVn (平坦帯域)(typ)

9.3 nV/√Hz

4.6 nV/√Hz

9.3 nV/√Hz

4.6 nV/√Hz

電源電圧範囲 Vs

2.5 V ~ 5.5 V

2.5 V ~ 5.5 V

2.5 V ~ 5.5 V

2.5 V ~ 5.5 V

チャネルあたり静止電流 (max)

0.25 mA

1 mA

0.25 mA

1 mA

出力電流Io (typ)

40 mA

50 mA

40 mA

50 mA

第2高調波歪

70 dBc

85 dBc

70 dBc

85 dBc

第3高調波歪

73 dBc

105 dBc

73 dBc

105 dBc

高調波歪測定周波数

 

 

1 MHz

1 MHz

入力オフセット電圧 Vio (max)

0.5 mV

0.4 mV

0.5 mV

0.4 mV

オフセット・ドリフト (max)

±8.5 μV/℃

±6.3 μV/℃

±8.5 μV/℃

±6.3 μV/℃

入力バイアス電流 IIB (max)

400 nA

1000 nA

400 nA

1000 nA

動作温度範囲

-40 ℃ ~ +85 ℃

-40 ℃ ~ +85 ℃

-40 ℃ ~ +125 ℃

-40 ℃ ~ +125 ℃

ピン/パッケージ

10ピンMSOP、8ピンSOIC、10ピンQFN

10ピンMSOP、8ピンSOIC、10ピンQFN

10ピンQFN、6ピンSOT-23

10ピンQFN、6ピンSOT-23

1,000個受注時の単価

 (参考価格)

1.35 ドルより

1.50 ドルより

0.85 ドルより

0.90 ドルより

※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。