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日本TI、ナノパワー・エネルギー・ハーベスト向けに、高効率の昇圧型充電ICを発表

2011年11月08日

330nAの静止電流および330mVのコールドスタート機能で、 ワイヤレス・センサ・ネットワークのコスト効率をさらに向上する新型IC

SCJ-11-093

2011年11月8日

日本テキサス・インスツルメンツは、エネルギー・ハーベスト向けの次世代の電源管理ICとして『bq25504』を発表しました。この高効率の昇圧型充電ICは、ソーラーパネル、熱電対、電磁力および振動をはじめとしたナノパワー(超低電力)のエネルギー・ハーベストで発生する、マイクロワットからミリワットの範囲の電力を管理するとともに、それらのエネルギーをLi-Ion電池およびスーパー・キャパシタなどの蓄電池に充電します。『bq25504』は、過電圧および電圧低下など、蓄電池の保護回路も内蔵しているほか、電池が深放電した場合のシステムのキックスタート機能も提供します。 

 

製品に関する情報はこちらからも参照できます。

例えば、室内の照度条件でハンドヘルド機器の電源として使用されるソーラーパネルでは、『bq25504』昇圧型充電ICは、使用可能なハーベスト・エネルギーを、リニア・レギュレータ製品と比較して30%~70%も向上します。この高効率によって、ソーラーパネルのサイズおよび枚数を低減できることから、ソリューションの総合的な価格を削減できます。また『bq25504』は地域、産業用、浄水/排水および構造的侵入検知のほか、コンスーマ向けならびに、高信頼および医療用のWSN(ワイヤレス・センサ・ネットワーク)アプリケーションにも利点を提供します。

TIのシニア・バイスプレジデントでパワー・マネージメント部門担当のサミ・キリエーキ(Sami Kiriaki)は次のように述べています。「ワイヤレス・センサ・ネットワークはこれまで、電池のメンテナンスおよび交換コストのために、その応用範囲を限定されてきました。今回発表された『bq25504』昇圧型充電ICは運用コストを低減できることから、危険な領域または立入りを制限された領域の産業用モニタリングをはじめとした、各種アプリケーションにおいて超消費電力のワイヤレス・センサ・ネットワークのコスト効率を大幅に向上できます」

bq25504』の主な特長と利点

  • 330nAと低い静止電流および、80%を超える高い電力変換効率を提供することから、エネルギー・ハーベストから得られるエネルギーを最大限に活用
  • 照度によって出力が変動するソーラーパネルおよび、温度によって出力が変動するTEG(熱電対)をはじめとした、DC出力のハーベスト素子から得られるエネルギーを最適化するMPPR(マキシマム・パワー・ポイント・トラッキング)を内蔵
  • ユーザーがプログラム可能であることから、『bq25504』昇圧型充電ICは、様々なエネルギー源および、多様な電気化学反応の電池やスーパー・キャパシタなどの蓄電池で使用可能
  • 『bq25504』は330mV(代表値)とスタート電圧が低いことから、単一セルのソーラーパネルで低照度の場合や、低温度差のTEGの場合でもスタートアップが可能
  • Battery OKインディケーターによって、外部負荷の条件付きイネーブルが可能なほか、蓄電池の保護を提供

開発ツール群およびサポート

TIでは、超消費電力のエネルギー・ハーベストの実装に役立つ、ツール群およびサポートを提供しています。

価格および供給について

現在、『bq25504』昇圧型コンバータは3mm角のVQFNパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は2.10ドルです。

TIのバッテリー・マネージメント・ソリューションについて

TIでは、フルラインのハイパフォーマンス製品を含む、コンプリートなバッテリー・マネージメント製品ポートフォリオを供給しています。これらの製品は、電池の充電ICから、高精度のImpedance TrackTM電池残量計まで多岐に渡ります。さらに、電源保護および認証ICならびに、ソーラー電源およびワイヤレス・パワーをはじめとした充電電源の切換ICも供給中です。

bq25504』の特性表

項目

bq25504

入力電圧範囲 Vin

0.13 V ~ 3 V

ピン/パッケージ

16QFN

動作温度範囲

-40 ℃ ~ +85 ℃

1,000個受注時の単価

 (参考価格)

2.10 ドル

機能

エネルギー・ハーベストIC

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