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日本TI、業界初、価格5ドルのARM Cortex-A8 マイクロプロセッサを発表

2011年11月01日

ARM9の価格と低消費電力で、GPU、タッチ・スクリーン、Gigabit Ethernet、 高速インターフェイスなどを統合した画期的なCortex A8マイクロプロセッサ

SCJ-11-091

2011年11月1日

日本テキサス・インスツルメンツは、コストおよび消費電力を低く抑えながら、既存ARM9TM搭載製品の性能を大幅に向上させることができ、さらにタッチ・スクリーン、高解像度のディスプレイや3D描画のためのGPU、複数の高速で柔軟なインターフェイスを統合した『AM335x』SitaraTM ARM® CortexTMA-8 マイクロプロセッサ(MPU)を発表しました。また、新製品の市場投入を6カ月以内でき、低価格の開発環境ならびに、無償のソフトウェア開発キット(SDK)も同時に供給します。

TIのSitara ARM マイクロプロセッサ部門、総責任者のディプティ・バチャーニ(Dipti Vachani)は次のように述べています。「新製品の『AM335x』Sitara ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサは、コストや消費電力を増加させることなくシステムのパフォーマンスを大幅に上げることができるので、様々なアプリケーションの追加など、無限の可能性を追求することができます。さらに、すべての組込み用プロセッサ製品向けに、設計に必要なすべてのツール群、無償のソフトウェアおよび充実したサポートを提供します」

『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサは、単価(参考価格)が5ドルからと設定され、最小7mWの低消費電力により長時間の電池駆動と少ない発熱を実現でき、ポケットサイズのポータブル機器や冷却ファンなしの各種アプリケーションに最適です。高性能と、直感的な3Dグラフィクス・ユーザー・インターフェイス、タッチスクリーン・コントローラおよび洗練されたペリフェラル群をワンチップに集積したことから、ポータブル無線通信機器、携帯型ゲーム機および教育用機器、ホーム/ビルディング監視機器やその他小型サイズ機器などの常時電源が入るシステムにおいて、PCB(プリント基板)の実装面積の縮小、設計の簡素化、BOMシステム・コスト(最高で約40ドル)の低減させることができます。

調査会社In-Statのチーフ・テクノロジー・ストラテジストであるジム・マクレガー氏(Jim McGregor)は次のように述べています。「豊富な機能をワンチップに集積したTIの『AM335x』ARM マイクロプロセッサと、関連のソフトウェアおよびハードウェア開発ボードは、組込みシステム設計者に低価格・低消費電力で使いやすいソリューションを提供します。このようなトータル・システム・ソリューションによって、組込みシステム設計者は、ARMコア・テクノロジーおよび、Androidオペレーティング・システムをはじめとした莫大なオープンソース・ソフトウェアの資産の利点を最大限に活用することで、将来に渡って、シリコンおよびソフトウェアへの投資の道筋を確保できます」

迅速な開発に役立つ89ドルのオープンソース開発ボードおよび全機能内蔵の評価モジュール

TIでは、『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサ向けに、複数タイプの開発ツールを供給中です。BeagleBoard.orgコミュニティが参考価格89ドルと低価格で供給するBeagleBoneは、最新でバリューの高いオープンソース・ハードウェア・プラットフォームであり、設計者は迅速かつ容易に開発を開始できます。また、995ドル(参考価格)で供給される全機能内蔵の『AM335x』EVM(評価モジュール)は、7インチLCD(液晶ディスプレイ)タッチ・スクリーンを搭載しているほか、すべてのペリフェラルの接続評価が可能です。このEVMには、有線インターフェイスの他、TIのワンチップ802.11b/g/n+Bluetooth®テクノロジーを広範囲に活用できる『WL1271』モジュールを搭載しており、Wi-Fi DirectTMを実現する初の統合プラットフォームを提供します。

『AM335x』ARM Cortex-A8マイクロプロセッサと、実績ある『WL1271』ソリューションの組合せは、非常に低価格で高性能のワイヤレス・コネクティビティ・プラットフォームとなります。

複数のポピュラーなOSをサポート、マイコンと同様のプログラミングを実現するソフトウェア

BeagleBoneおよび、全機能内蔵のEVMには、以下の複数のソフトウェア・ソリューションが付属します。

  • 開梱して数分以内にデモンストレーションを、1時間以内に開発を開始できるTIのEZ-SDK(ソフトウェア開発キット)
  • Linux、AndroidおよびWindows Embedded Compact 7の各オペレーティング・システムをサポート
  • 互換性を備えたセキュリティ・ソリューション群および、複数のRTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)を各パートナーにて準備、用途に合わせたOSの選択が可能で、さらなる製品のカスタマイズを実現、開発を簡素化
  • 開発各社において、これらのマイクロプロセッサをオペレーティング・システムなしでマイコンと同様のプログラミングを可能にするStarterWareソフトウェア・スタック

これらのソフトウェア・ツール群によって、開発各社は各種のマイコン(MCU)からARM9デバイス、ARM Cortex-A8デバイス、ARM+DSPデバイスのほか、ビデオ・コプロセッサを搭載したシリーズへのスケールアップが可能になり、開発期間を短縮、コストを低減できます。

AM335xSitara ARM Cortex-A8 MPUの主な特長と利点

特長

利点

NEON 搭載、最高720MHz動作のARM Cortex-A8 マイクロプロセッサ

高い堅牢性、高性能、各オペレーティング・システムのサポートを提供、アプリケーション処理、ネットワーク・コネクティビティ、UI(ユーザー・インターフェイス)およびシステム・コントロールを実現 

TIの『TPS65910』と同様の、柔軟性に富む電源管理オプション

スタンバイ時に最小で7mW、アクティブ・モード時に700mW程度の低消費電力。各種のポータブルおよびファンレスのデザインを実現

UIおよび3D 機能

 

  • タッチスクリーン・コントローラ
  • タッチ・スクリーン・インターフェイスの開発を実現
  • GPUグラフィクス・プロセッシング・ユニット(200Mポリゴン/秒)およびディスプレイ・コントローラ
  • 豊富な3D GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)および複数のディスプレイを実現

柔軟性の高いペリフェラル群を集積

システムの複雑さを緩和、消費電力を低減、BOMを削減

  • CANインターフェイス
  • センサ、アクチュエータおよび工業用の制御デバイスへの接続を実現
  • Gigabit Ethernet 2ポート・スイッチ
  • デュアルUSB + PHY

 

  • LPDDR1/DDR2/DDR3

 

 

 

  • PRU (プログラマブル・リアルタイム・ユニット)
  • A/Dコンバータ
  • 暗号機能のアクセラレーション
  • 高速のネットワーク接続によりデータ・スループットを大幅に向上
  • ハイスピードUSBのホストおよびデバイスをサポートしていることから、既存システムへの接続を柔軟に実現、PHY内蔵でシステム・コストを削減
  • 柔軟なメモリ・オプションにより、マルチ・プログラミング、システムの応答性および性能など、各アプリケーションの特定のニーズに適合

 

  • システムの柔軟性を強化、リアルタイム処理に最適なプログラム可能の専用ユニットを搭載
  • アナログ・センサへの接続およびモーター制御が可能
  • 各種のデータ保護方式のハードウェアによるアクセラレーションを実現、重要情報を保護

価格と供給について

『AM335x』ARM Cortex-A8 マイクロプロセッサの開発を迅速に開始できる、参考価格89ドルのBeagleBoneは、BeagleBoard.org から供給中です。また、全機能内蔵の『AM335x』EVM(『TMDXEVM3558』)は、995ドル(参考価格)で2011年12月より供給されます。TIのLinux開発支援ツールEZ SDK および、Android 2.2のサポートはTIのウェブサイトから、2011年12月より無償でダウンロード可能です。また、Windows Embedded Compact7のサポートは2012年第1四半期に予定されています。QNX、MentorおよびWind RiverなどのRTOSや、各種μITRONの供給は2011年第4四半期から準備される予定です。『XAM3358ZCE』および『XAM3359ZCZ』の各デバイスのサンプルを出荷開始しました。『AM335x』ARM Cortex-A8 MPUの100,000個受注時の単価は4.99ドル(参考価格)より設定されています。『AM335x』ARM Cortex-A8 MPU用の特定アプリケーション向けのリファレンス・デザインは、2011年の終わりから2012年にかけて供給されます。

※ SitaraはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。