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日本TI、『StarterWare』パッケージを無償で提供 OSなしでも組込み用プロセッサのプログラミングが迅速、容易に

2011年11月01日

TIのSitara 32ビットARMマイクロプロセッサとC6000 DSP、ならびにDSP+ARMプロセッサ向けソフトウェア・パッケージが開発期間を画期的に短縮

SCJ-11-090

2011年11月1日

日本テキサス・インスツルメンツは、SitaraTM 32ビット ARM® マイクロプロセッサ(MPU)、C6000 TM DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)およびDSP+ARMプロセッサの開発者に、ユーザー・フレンドリで、組込みプロセッサの設計プロセスにおける学習曲線を大きく上昇させ、開発時間を大幅に短縮する『StarterWare(スターター・ウェア)』ソフトウェア・パッケージを無償で提供すると発表しました。組込み用ソフトウェアのプログラミングは、製品開発工数の大部分を占めますが、このソフトウェア・パッケージは、複雑なOS(オペレーティング・システム)のオーバーヘッドを考慮せずに、アプリケーションを柔軟に開発できます。さらに、『StarterWare』で開発したプログラムは、TI組込みプロセッサ製品の別シリーズのデバイスに簡単に移植することが可能です。

開発を簡素化、迅速化する『StarterWare

TIの新しい『StarterWare』ソフトウェア・パッケージは、ペリフェラル群の設定およびインターフェイスを構成するAPI群(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス群)を提供し、ARM マイクロプロセッサおよびDSPの開発プロセスを画期的に簡素化します。さらに、『StarterWare』はUSB、ネットワークおよびグラフィクス機能を実現する小型で軽量のソフトウェア・スタック群を同梱しているほか、開発をスタートする際に役立つサンプル・プログラムおよびアプリケーション・ノートを合わせて提供します。

『StarterWare』ソフトウェア・パッケージは、プログラムの構築にあたり複雑なハードウェア構造を理解する必要がないよう、あらかじめ必要なコンポーネントが準備されています。またOSがない環境でも動作するため、OS経由でハードウェアへのアクセスが不要で、CPU・ペリフェラル群およびメモリのリソース管理をオーバーヘッドなしで実現できるほか、Linux® OSと比較して、システムレベルの遅延を最高500分の1まで低減できます。反対に、複数のデータ・フローを管理するためにOSが必要な、より高度で複雑なシステムの場合でも、『StarterWare』とOSの組み合わせが容易にかつ効率的にできるよう親和性が高く設計されています。数多くのRTOS(リアルタイムOS)ベンダー各社が新規ドライバなどの開発に、この『StarterWare』の活用を計画しています。

TIのSitara 32ビットARM マイクロプロセッサやC6000 DSPに『StarterWare』が提供する様々な利点に加え、DSP + ARMプロセッサにおいて、処理の有効化、簡素化とOSを必要としないプロセッサ間の通信ソフトウェア・レイヤでも低レイテンシの設計がサポートされます。I/O(入出力)タスクを2個のコア間で効率的に共有することで、OSなしのアプリケーションにおいて最適なシステム性能を実現します。

TIの組込みデバイス間の移行が簡単な『StarterWare

TIの『StarterWare』ソフトウェア・パッケージは、複数の組込み機器間、異なるTIの組込みプロセッサ間において簡単にアプリケーションを移行することが可能です。ソフトウェアの設計者は、IARとKeilTMなどのソフトウェアでおなじみのマイコン・ツールチェーンをプログラミングすることによってStellaris®(ステラリス)ARM CortexTM- Mマイコン(MCU)からSitara 32ビットARM マイクロプロセッサにいたるプロセッサ間での相互の移行が簡単となります。同ソフトウェアは、DSPおよびARM マイクロプロセッサで同じAPIが定義されるため、開発者はARM マイクロプロセッサからC6000 DSPやDSP + ARMプロセッサまでスケーラブルな設計が可能です。

価格および供給について

『StarterWare』パッケージはTIの各デバイスに最適化されており、ただちに開発が可能です。現在、TIの『AM18x』ARM9TMマイクロプロセッサ、『OMAP-L138』DSP+ARM9プロセッサおよび『TMS320C6748』DSP向けの『StarterWare』が無償でダウンロード可能です。その他のデバイス向けパッケージは、数カ月以内に供給の予定です。

『StarterWare』ソフトウェア・パッケージは、開発の壁を入門レベルまで低くすることで、製品の市場投入時間の短縮およびマイコン開発の革新を実現した『StellarisWare®』ソフトウェア・スイートを元に開発された製品です。

※ StellarisおよびStellarisWareはTexas Instrumentsの登録商標です。SitaraおよびC6000はTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。