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ニュースリリース

日本TI、医療用画像処理アプリケーション向けに、飛躍的な性能向上と高い画像品質を容易に実現する『TMS320C66x』DSP用ソフトウェア・ツールキットを無償で提供

2011年10月28日

SCJ-11-089

2011年10月28日

日本テキサス・インスツルメンツは、『TMS320C66x』ファミリのDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)製品向けに、複数の画像処理アルゴリズムで構成する医療用画像処理STK(ソフトウェア・ツールキット)バージョン3.0を発表しました。バージョンアップしたツールキットは、超音波診断およびOCT(光干渉トモグラフィ)をはじめとする、高い演算処理性能を必要とし、低い消費電力と高品質な画像を追求するアプリケーションに最適な画像処理カーネル群です。また、TIの医療用リアルタイム画像処理向けのアナログおよび組み込みプロセシング・ソリューションのフル・ポートフォリオと併せて活用できます。

TIのマルチコア/メディア・インフラストラクチャ部門の総責任者であるラメシュ・クマー(Ramesh Kumar)は次のように述べています。「今回発表した新しいツールキットは、医療用画像処理各社に、コスト・パフォーマンスの高いソフトウェア・ソリューションと、他に例のない高い演算性能を提供します。無償で提供されるSTK バージョン3.0と、プログラミングしやすいKeyStoneマルチコア・アーキテクチャおよび強力な『C66x』DSPコアを使うことで、開発各社は医療用画像処理製品を、大幅に短い開発期間で、より容易に設計できます」

STKバージョン3.0は、TIの『C66x』DSPおよびKeyStoneマルチコア・アーキテクチャを活用し、超音波画像診断においてはBモードとカラー・フロー処理の両方を、OCT向けには実数-複素数のFFT(高速フーリエ変換)および三次スプライン補間などの主要なカーネル群を実現します。TIの『C66x』DSP製品は高度なソフトウェア・プログラマビリティを提供することから、ポータブルからハイエンドのアプリケーションまで、幅広いシステムに渡ってコードを再利用できるほか、幅広い診断アプリケーションに容易に拡張することが可能です。例えば、OCTは眼科での臨床活用で知られますが、心臓病や癌の診断、外科手術での活用といった新しい応用が見られます。

STKバージョン3.0の主な特長と利点

  • モジュール化されたソフトウェアにより、低コスト、低消費電力でのコーディング効率とシステム性能を引き上げ、製品の市場投入時間を短縮
  • 整備されたAPIにより、モジュールの抽象化、および既存のシステムへの容易に導入することが可能で、開発を簡素化
  • 最適化された実装例は、TIのDSP製品で演算処理を実現する場合のコーディングのモデルとして、カスタマイズや独自の処理の場合にも活用可能
  • テスト・ベクタとともにテスト・ベンチを完備し、TIのCCS IDEを使った評価および開発、各モジュールの機能を検証する手法を提供

TIの医療アプリケーション向け製品について

TIは21世紀以降のヘルスケアのあり方を抜本的に変えるような、より高品質で、より使いやすい医療用デバイスのために、技術革新を続けています。アナログから組み込みプロセッシングまで包括的な製品群を展開し、ブロック図での包括的な半導体ソリューション、システム全般に対する知見、グローバルなサポート・インフラストラクチャ、先端プロセス技術、医療業界への関わりまで包括的にカバーすることで、革新的な医療エレクトロニクス・デバイスを、より柔軟で、安価で、使いやすいものにします。TIはワイヤレス通信、家電、自動車、航空などさまざまな分野で培った経験を元に、「より高速に、より高精度に、より低消費電力で、より小型に」といったニーズに応え、かつ医療デバイス市場に求められる高品質・高信頼性を達成できるよう、開発者を支援しています 。

TIKeyStoneマルチコア・アーキテクチャについて

TIのKeyStoneマルチコア・アーキテクチャは、マルチコアの本来の革新を実現するために開発され、高性能かつ低消費電力のマルチコア・デバイスのポートフォリオ『TMS320C66x』新型DSPシリーズの基礎として飛躍的な性能を提供します。KeyStoneアーキテクチャは、その他のあらゆるマルチコア・アーキテクチャとは異なり、マルチコア構成のデバイス内の、一つ一つのコアの処理性能をフルに発揮させる能力を提供します。KeyStoneアーキテクチャを搭載するデバイスは、ワイヤレス基地局、ミッション・クリティカル、テストおよびオートメーション、医療用イメージングおよびハイエンドのコンピューティングをはじめとした高性能市場向けに最適化されています。

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