2011年10月12日
SCJ-11-083
2011年10月12日
高集積度のワイヤレス・コネクティビティ・ソリューションおよびLPRF(ローパワーRF)テクノロジー分野の業界リーダーである日本テキサス・インスツルメンツは、セキュリティ、スマート・グリッド、産業、ワイヤレス・ヘルスケア製品、ホーム/ビルディング・オートメーションその他の分野の各種ローパワー・ワイヤレス・アプリケーションに、他に例のないコネクティビティを提供するsub-1GHz(1ギガヘルツ未満の周波数帯)のRFパフォーマンスライン製品ファミリーとして、『CC1120』および『CC1121』のトランシーバ、ならびに『CC1175』トランスミッタの3製品を発表しました。
このsub-1GHzパフォーマンスライン・ファミリーは、この市場分野における最も厳しい無線技術的条件に適合するとともに、他のRF信号のフィルタ機能において業界トップの能力を提供します。これらの特長によって、開発各社およびコンシューマ向けに、製品の周囲に設置された他のワイヤレス・システムからの妨害や混信に対する高い耐性を備えた、堅牢で高い信頼性のワイヤレス・リンクを持つ最終製品を提供できます。
製品に関する情報はこちらからも参照できます。
sub-1GHzパフォーマンスライン・ファミリーは、他のRFシステムや、リンクを妨害する可能性を持つ他の信号源との距離を、市場の同種の製品の三十分の一以下まで接近させることが可能なことから、同一環境内の様々な接続済機器との間で、よりシンプルな共存性を提供します。これらの製品は12.5kHzのチャネル間隔、90dBのブロッキング時に65dBの近接チャネル除去性能を備えていることから、業界で最も信頼性の高いsub-1GHzコネクティビティを提供します。さらに、139dBのリンクバジェットにより、これらの製品は10kmを超える通信距離と、建物内における最高の貫通性と回り込み特性を提供します。さらに、進歩したRFスニッフ・モードを提供することから、すべてのRF性能を保ちながら、受信スニッフ・モードにおいて、3mA未満と非常に低い消費電力でRFパケットを受信できます。
TIのLPRF担当マーケティング責任者のアーリング・シーメンセン(Erling Simensen)は次のように述べています。「今回発表したsub-1GHzパフォーマンスライン・ファミリーは、同一環境内のワイヤレス機器の影響を受けず、無切断のリンクで高い信頼性のユーザー体験を提供する遠距離のローパワー・ワイヤレス・コネクティビティを実現する上で、最も重要な製品です。例えば、一つの家庭内で家族のスマートフォン、ヘルス・モニタ、電気、ガス、水道などのスマート・メーター、警報システムその他、10種類を超えるワイヤレス接続機種を使うことを想定してみましょう。周波数資源は限られており、これらの機器は他のRFトラフィックをフィルタしながら、同一周波数帯で通信しなければなりません。TIのsub-1GHzパフォーマンスライン・ファミリーはこれらを実現すると同時に、高い堅牢性のRFコネクティビティを提供することで、最高のユーザー体験の実現に役立ちます」
sub-1GHzパフォーマンスライン・ファミリーの主な特長と利点
今回発表されたsub-1GHzパフォーマンスライン・ファミリーは、最も低価格から高性能まで、あらゆる要件を持つsub-1GHzアプリケーションにコネクティビティを提供するTIの取り組みを表すものです。このsub-1GHzパフォーマンスラインは、リモコン、玩具およびセキュリティ・システムなどの各種sub-1GHzアプリケーション向けに低価格のコネクティビティ・ソリューションを提供することを目的に、2011年6月に発表されたTIのsub-1GHz RFバリューラインファミリーを補完する高性能製品ファミリーです。
ツール群、供給、パッケージおよび価格について
現在、sub-1GHzパフォーマンスラインは量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。これらのソリューションは、ROHS指令に適合する5mm角のQFN-32パッケージで供給されます。
『CC1120DK』開発キットは、TIのeStoreから299ドル(参考価格)で供給中です。この開発キットは、868MHz帯および915MHz帯をサポートします。他の周波数帯をサポートする評価キットも、個別に供給中です。
TIのワイヤレス・コネクティビティ・ポートフォリオについて
TIは、業界で最も包括的で、成熟したローパワー・ワイヤレス・コネクティビティ向けソリューションのポートフォリオを供給しています。TIは12種類を超える複数のテクノロジーに関する専門知識を持っていることから、顧客各社のあらゆる形式のアプリケーションに最適なワイヤレス・コネクティビティを確実に提供します。TIでは、包括的な製品ポートフォリオのほかに、顧客各社および開発各社がワイヤレス・コネクティビティ製品をより迅速かつ容易に市場投入するために必要なサポートおよびツール群を供給しています。TIのサポートする各種テクノロジー、包括的な製品ポートフォリオおよび使用例などについてはTIのウェブをご参照ください。
『CC1120』、『CC1121』および『CC1175』の特性表
項目 |
CC1120 |
CC1121 |
CC1175 |
周波数帯 |
164~192MHz、410~480MHz、820~960MHz |
164~192MHz、410~480MHz、820~960MHz |
164~192MHz、410~480MHz、820~960MHz |
デバイスタイプ |
トランシーバ |
トランシーバ |
トランスミッタ |
データレート(max) |
200 kHz |
200 kHz |
200 kHz |
電源電圧範囲 |
2.0 V ~ 3.6 V |
2.0 V ~ 3.6 V |
2.0 V ~ 3.6 V |
受信時消費電流(min) |
17 mA |
17 mA |
|
スタンバイ時消費電流 |
0.3 μA |
0.3 μA |
0.3 μA |
ウェークアップタイム(パワーダウン→送受信) |
460 μs |
460 μs |
460 μs |
変調方式 |
2-FSK, 2-GFSK, 4-FSK, 4-GFSK, MSK, ASK, OOK, アナログFM |
2-FSK, 2-GFSK, 4-FSK, 4-GFSK, MSK, ASK, OOK, アナログFM |
2-FSK, 2-GFSK, 4-FSK, 4-GFSK, MSK, ASK, OOK, アナログFM |
感度(最良値) |
-123 dBm |
-117 dBm |
|
隣接チャネル除去 |
65 dB |
61 dB |
|
最小チャネル間隔 |
12.5 kHz |
50 kHz |
6.25 kHz |
RFブロッキング(±10 MHz) |
90 dB |
86 dB |
|
トランスミッタ出力(max) |
16 dBm |
16 dBm |
16 dBm |
ピン/パッケージ |
QFN-32 |
QFN-32 |
QFN-32 |
動作温度範囲 |
-40 ℃ ~ +85 ℃ |
-40 ℃ ~ +85 ℃ |
-40 ℃ ~ +85 ℃ |
1,000個受注時の単価 (参考価格) |
2.85 ドルより |
|
|
※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。