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ニュースリリース

日本TI、業界初の36V動作、 高精度ゼロ・ドリフト・オペアンプを発表

2011年08月29日

 

超高精度、低電圧/高電圧動作の各種アプリケーションの
感度、精度および消費電力を向上する新型デバイス

SCJ-11-066

2011年8月29日

日本テキサス・インスツルメンツは、業界初の36V 動作、2チャネル内蔵の高精度ゼロ・ドリフト・オペアンプである『OPA2188』を発表しました。この新製品は市場の同種の製品と同様の消費電力で、オフセット電圧ドリフトを4分の1に低減するほか、初期オフセット電圧を60%に、帯域幅を2倍に改善します。『OPA2188』はテスター・計測、電子重量計、医療用計装および流量計をはじめとした、超高精度が必要で、高電圧または低電圧電源動作の各種アプリケーションに最適です。

 

製品に関する情報はこちらからも参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ担当でシニア・バイスプレジデントのスティーブ・アンダーソン(Steve Anderson)は次のように述べています。「『OPA2188』はTIのゼロ・ドリフト・テクノロジーと、精密36V製造プロセスを組合わせたことで、高電圧環境において精密な計測機能を実現する時に直面する困難を解決するためのクリーンでシンプルな方法を提供します。TIの設計チームは超低雑音、EMI(電磁干渉)およびRFI(高周波妨害)に対する入力フィルタ、それに低消費電力の各要件において、業界をリードする性能レベルを達成しました。これらを結集することで、顧客各社は、コントロールおよびオートメーションなどのアプリケーションにおいてはより高い効率を、ポータブルの医療用機器においてはより高い精度を実現できます」

『OPA2188』の主な特長と利点

  • ゼロ・ドリフト・アーキテクチャによって0.03μV/℃の低ドリフト特性を提供、システム較正の要件を緩和
  • 25μVと低い初期オフセット電圧特性を提供することから、クラス最高の分解能のセンサ計測を実現
  • 2MHzの帯域幅と、475μAの静止電流特性を提供することから、ポータブルアプリケーションにより高レベルの精度を提供
  • 8.8nV/√Hzの低雑音特性を提供することから、高精度のシステムを実現
  • 同相入力電圧範囲は負電源電位から正電源電位-1.5Vまでと広いことから、追加回路が不要、+5V単一電源動作を実現

開発ツール群およびサポート

TIでは、『OPA2188』搭載製品の開発期間の短縮に役立つ、さまざまなツール群およびサポートを供給しています。

  • 数多くの異なる回路を容易かつ迅速に構成できることで、評価作業の短縮に役立つユニバーサル評価モジュール(EVM)を供給中です。このEVMは参考価格5ドルで供給中です。
  • SPICEベースのアナログ・シミュレーション・プログラムである『TINA-TI 9.1』内でリファレンス・デザインおよびSPICEモデルを利用できます。
  • 『Analog Filter Designer』、『FilterPro』のほか、デシベル、周波数/波長およびオペアンプによるゲイン・ステージのカリキュレータをはじめとした、解析のためのソフトウェア、アプリケーションおよび計算ユーティリティを供給中です。

供給、パッケージおよび価格について

『OPA2188』は3mm×5mmのMSOPパッケージおよび、5mm×6mmのSOICパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.40ドルです。

『OPA2188』の特性表

項目

OPA2188

 内蔵チャネル数

 2

 電源電圧範囲

 単電源: 4 V ~ 36 V

 両電源: ±2 V ~± 18 V

 ゲイン帯域幅積 GBW (typ)

 2 MHz

 スルーレート(typ)

 0.8 V/μs

 オフセット・ドリフト (typ)

 0.03 μV/℃

 入力バイアス電流 IIB (max)

 850 pA

 同相モード除去比 CMRR (min)

 120 dB

 電圧ノイズVn (1kHz)(typ)

 8.8 nV/√Hz

 出力振幅

 レール・ツー・レール

 入力オフセット電圧 Vio (max)

 25 μV

 ピン/パッケージ

 8ピンSOIC、8ピンMSOP

 動作温度範囲

 -40 ℃ ~ +105 ℃

 1,000個受注時の単価 (参考価格)

 1.40 ドル

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