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日本TI、Piccolo™マイコンを搭載、業界をリードする高効率・高性能化を実現する3種類の新型デジタル電源開発キットを発表

2011年05月20日

外部回路の追加なしで、スロープ補償付きピーク電流モード制御に対応した 業界初のキットを含めた、TIのデジタル電源向けポートフォリオを拡張

 

日本テキサス・インスツルメンツは、ソフトウェア、ツール群およびトレーニングを含む『TMS320C2000™』マイコン(MCU)のデジタル電源向けポートフォリオをさらに拡張し、デジタル電源向けに高効率と高性能化を実現する、3種類のデジタル電源開発キットを発表しました。これらの新型開発キットは、ブリッジレス設計および、スロープ補償付きのピーク電流モード制御(PCMC)をはじめとした、現在需要の高い複雑化した電源機能を実現および簡略化することができます。無償でダウンロードできる、25種類を超えるモジュール化されたデジタル電源ソフトウェア・ブロックを含んだ『controlSUITE™』プラットフォームを使うことで、プログラミング上の難しい作業を大幅に軽減します。これらの新型開発キットによって、サーバー、通信用電源装置、照明、再生可能エネルギーのほか、ハイブリッド自動車および電気自動車などの幅広いアプリケーションにおいて、デジタル電源による高効率化と信頼性上向上に役立てることができます。

 

製品に関する情報はこちらからも参照できます。

l         TIの『C2000』デジタル電源開発キット: http://www.tij.co.jp/digital-power-lp-pr

l         『controlSUITE』ソフトウェア: http://www.tij.co.jp/digital-power-sw-pr

 

今回発表した開発キットは、高性能なアナログ、PWMその他の制御系に相応しいペリフェラル群を搭載した『C2000™ Piccolo』マイコン1つで制御しているため、システム・コストの削減に役立ちます。各調整パラメータは、適応性の高いソフトウェア設定によって、ハードウェア上のシステムの再設計に時間を費やすことなく、複数の最終製品の要求条件に対応できます。各開発キットには、必要なすべてのハードウェアおよびソフトウェアが含まれ、開発を迅速に開始できます。さらに絶縁型のXDS100 USB JTAGエミュレーションもボード上に実装しているため、簡単にデバッグおよびプログラミングが実行できます。

 

高効率のブリッジレスPFC AC/DC開発キットの特長と利点

l         高い堅牢性のハードウェアおよびソフトウェアでAC整流部を柔軟性のあるデジタル制御を行うことで、より高い力率化や全高調波歪みの低減等、システム全体の効率改善を実現

l         適応電流制御および非線形電圧制御ループ・モードのほか、出力の過電圧保護および突入電流制限を設定可能

l         自動レンジ機能付きAC入力は100V AC~220V ACの入力電圧範囲に対応し、出力は380V ~400V DC、最高300Wに対応

 

フェーズシフト付き絶縁型フルブリッジDC/DC開発キットの特長と利点

l         スロープ補償機能を搭載したピーク電流モード制御を提供、外部回路を追加することなく絶縁型DC/DC電源の設計をすぐに評価可能

l         最高95%のピーク効率、10%~90%の定格電力範囲で90%を超える効率を実現

l         380V ~400V DCの入力電圧、最高600Wで12V DCの安定化出力が可能

 

共振LLC絶縁型ハーフブリッジDC/DC開発キットの特長と利点

l         絶縁型DC/DC電源のデジタル制御をすぐに評価できる、全ハードウェアおよびソフトウェア情報を提供

l         380V ~400V DCの入力電圧、ピーク効率93.7%、最高300Wで12V DCの安定化出力が可能

 

TIのデジタル電源向けの『C2000』マイコンのポートフォリオとして、今回発表した開発キットのほか、2相インターリーブPFC(力率改善)の全ハードウェアおよびソフトウェア情報も含めた、高電圧PFC AC/DC開発キット『TMDSHVPFCKIT』等の各種開発キットも供給中です。またオンデマンドのデジタル電源トレーニング(英語)をオンラインで無償提供するほか、海外パートナー企業のBiricha Digital Power Ltd.による、プログラム経験レベルの異なる開発者向けに、デジタル電源の理論および詳細な実践課題による確実な基礎知識を提供する、より専門的なトレーニングも提供しています。(日本での開催については、決定次第ホームページでお知らせいたします。)

 

価格および供給について

今回新しく発表したPiccoloマイコン搭載のデジタル電源開発キットは、現在供給中です。各開発キットの参考価格は、次の通りです。

l         高効率ブリッジレスPFC AC/DC開発キット『TMDSHVBLPFCKIT』: 450ドル

l         フェーズシフト絶縁型フルブリッジDC/DC開発キット『TMDSHVPSFBKIT』: 550ドル

l         共振LLC絶縁型ハーフブリッジDC/DC開発キット『TMDSHVRESLLCKIT』: 400ドル

 

『controlSUITE』ソフトウェアはhttp://www.tij.co.jp/digital-power-sw-prから無償でダウンロードできます。

 

TIのデジタル電源向けソリューションについて
TIはプロセッサ、コントローラ、ドライバおよびモジュール・ソリューションなどの幅広い製品ポートフォリオによって、電源設計者がデジタル電源システム設計のあらゆる課題に対処できるよう支援しています。絶縁型AC/DCから非絶縁型DC/DC POLソリューションまで、TIの柔軟でプログラマブル、カスタマイズ可能で直感的なデジタル電源ポートフォリオは、様々なソリューションを実現します。

 

TIの幅広いマイコンおよびソフトウェアのポートフォリオ

TIは、『MSP430』超低消費電力マイコンから『Stellaris® (ステラリス)』Cortex™-M3 32ビットマイコン、『TMS320C2000™』高性能ハイスピードマイコンにいたる幅広い汎用マイコン製品群を提供しています。設計者は、TIから提供されるソフトウェアおよびハードウェアツールやサードパーティが提供する多様なサービスとテクニカルサポートを利用することによって、開発期間を大幅に短縮できます。

 

※ StellarisはTexas Instruments Incorporatedの登録商標です。Piccolo、MSP430、TMS320C2000およびC2000はTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。