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ニュースリリース

日本TI、業界をリードする『TMS320C66x』世代のDSPを発表、新型の高性能DSPおよび既存のマルチコア・デバイスを機能強化

2011年05月18日

  • 『TMS320C66x』DSP世代の新製品として、業界最高速の固定小数点および浮動小数点のシングルコア・デバイスである『TMS320C6671』DSPを発表、開発各社のマルチコアへの移行を容易にする、戦略的な設計アプローチを提供
  • 『TMS320C6670』無線向けSoCへの新機能搭載および強化によって、各種通信向けアプリケーション向けに、性能および効率をこれまでにないレベルまで向上
  • ピン互換性およびソフトウェア互換性を備えた『C66x』DSP世代によって、開発各社の製品設計上の総合的なスケーラビリティを向上

SCJ-11-038

2011年5月18日

日本テキサス・インスツルメンツは、マルチコア分野において、より高い性能レベルおよび、より多くの革新を実現する、『TMS320C66x』DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)世代の最新製品として、『TMS320C6671』DSPを発表するとともに、『TMS320C6670』無線向けシステムオンチップ(SoC)の機能強化を発表しました。TIのKeyStoneマルチコア・アーキテクチャをベースにした『C6671』DSPは、業界初の固定小数点および浮動小数点のシングルコア・デバイスであり、マルチコアの世界への平易な移行を望む開発各社に魅力ある選択肢を提供します。また『CC6670』無線向けSoCは、既存の通信アプリケーション向けSoCソリューションと比較して、消費電力/性能を2倍に向上します。

TIのマルチコアおよびメディア・インフラストラクチャ部門の責任者であるラメシュ・クマー(Ramesh Kumar)は次のように述べています。「TIでは、競合ソリューションよりも高い性能レベルの複数のソリューションを短時間で供給することで、全く新しいレベルのマルチコアを実現しました。『C6671』DSPは、各種の高性能アプリケーション分野において、シングルコア・デバイスによる設計に慣熟し、今後、マルチコア性能を必要としている開発各社向けに、マルチコアへとつながる足がかりを提供します。また、通信アプリケーション分野において、より高性能が必要な開発各社には、『C6670』無線向けSoCが、これまで全くなかった機能強化を提供します」

マルチコアへの移行を平易にするTIの『C6671DSP

『C66x』DSP世代の初の1.25GHzシングルコア製品である『C6671』DSPは、マルチコア・デバイスの専門知識のない設計各社に、マルチコア・デバイスをより親しみやすくする戦略的な設計アプローチを使用します。高性能、コアあたりのペリフェラル数およびメモリ容量の増加および、固定小数点性能と浮動小数点性能をワンチップに集積したことから、『C6671』DSPを使用する顧客各社は、ベンチマーク記録を次々と塗り替えるTIのマルチコア機能の利点を活用できます。

開発各社はTIの『C6671』DSPを使用することで、マルチコア・デバイスが自社のニーズに適合するかどうかを検証できます。また将来、より高い性能が必要となった場合に、自社設計をTIの『C66x』DSPポートフォリオのその他のプロセッサへ移行する選択肢を調査できます。『C6671』は、TIの『TMS320C6672』、『TMS320C6674』および『TMS320C6678』の各マルチコアDSPとの間でピン互換性およびソフトウェア互換性を提供することから、顧客各社は、ミッション・クリティカル、公共安全および防衛、医療およびハイエンドのイメージング、テストおよびオートメーション、高性能コンピューティングおよびコア・ネットワーキングをはじめとした高性能市場向けに、より高い電力効率およびコスト効率の製品を、より容易に設計できます。

各種の通信アプリケーションを実現する『CC6670』無線用SoC

機能強化されたTIの『CC6670』無線用SoCは、ソフトウェア無線(SDR)、公共安全および、新生のブロードバンド無線システムをはじめとする各種の通信アプリケーション向けにアクセラレータ性能を向上させた、1.2GHz動作の4コア・デバイスです。『C6670』無線用SoCへの機能強化としては、LTE、WCDMA、TD-SCDMAおよびWiMAX向けのフィジカル・レイヤを高速化する、複数標準対応の新型ビット・レート・コプロセッサ(BCP)その他のコプロセッサがあり、システムの能力および性能を低いレイテンシで大幅に向上します。さらに、良好にバランスしたプログラマブルのCPUコア群および設定可能なアクセラレータ群が、簡素化したプログラミング・モデルによるソフトウェア無線機能を実現します。改良されたアクセラレータ群の追加によって、開発各社は複数の標準規格に対応する通信業界向けソリューションを開発できます。

TIでは、本日、この発表と同時に、無償のマルチコア・ソフトウェア開発キット(『MCSDK』)、Linuxソフトウェア、最適化されたライブラリ群および、OpenMPプログラミング・モデルのサポートをはじめとした、マルチコア開発ソフトウェアおよびツール群の大幅なアップデートを発表しました。TIのソフトウェア製品は開発各社においてマルチコア・ソリューションへの移行を平易にするとともに、メーカー各社において、競合ソリューションよりも低価格、低消費電力および、より短い開発期間の、より広範囲のソリューションのポートフォリオの開発を実現します。

価格および供給について

TIでは『C6670』、『C6671』、『C6672』、『C6674』および『C6678』の各DSPを搭載する製品の設計を迅速に開始できる、使いやすい、低価格の評価モジュール(EVM)である『TMDXEVM6670L』および『TMDXEVM6678L』をそれぞれ399ドル(参考価格)で供給中です。両EVMには、無償のMCSDKCode Composer StudioTM(CCS)統合開発環境(IDE)およびアプリケーション/デモ・コードのスイートが含まれていることから、新型の『C66x』DSP上で、迅速なプログラム開発を実現します。『C6671』DSP、『C6670』無線用SoCおよび各EVMは、現在、ご注文を受け付け中です。『C6671』DSPの1,000個受注時の単価は、79ドル(参考価格)です。

TIKeyStoneマルチコア・アーキテクチャについて

TIのKeyStoneマルチコア・アーキテクチャは、真のマルチコアの革新を実現するプラットフォームであり、開発各社に堅牢で高性能かつ低消費電力のマルチコア・デバイスのポートフォリオを提供します。飛躍的な性能を提供するKeyStoneアーキテクチャは、TIの『TMS320C66x』新型DSP世代を開発する基礎となりました。KeyStoneは、その他のあらゆるマルチコア・アーキテクチャとは異なり、マルチコア構成のデバイス内の、一つ一つのコアの処理性能をフルに発揮させる能力を提供します。KeyStoneアーキテクチャを搭載するデバイスは、ワイヤレス基地局、ミッション・クリティカル、試験およびオートメーション、医療用イメージングおよびハイエンドのコンピューティングをはじめとした高性能市場向けに最適化されています。『C66x』マルチコアDSPについては、http://www.ti.com/c66multicoreをご参照ください。

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