CORPPR-11-005
2011年4月19日(米国時間2011年4月18日)抄訳
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、会長、社長 兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は18日、2011年第1四半期の業績を発表しました。主な内容は次の通りです。
TIの2011年第1四半期売上高は3,392百万ドルとなりました。前期(2010年第4四半期)比4パーセント減、前年同期(2010年第1四半期)比では6パーセント増となりました。営業利益は908百万ドルで、前年同期比、前期比ともに減少となりました。受注額は3,580百万ドルで、前年同期比2パーセント減、前期比14パーセント増となりました。
2011年は順調にスタートし、1-2月の顧客需要も予測を上回る伸びを示していましたが、3月の東日本大震災によって会津工場および美浦工場が被害を受けました。また、ワイヤレス・ベースバンド製品の需要が落ち込み、売上高は当初の予測を下回る結果となりました。とはいえ、市場は堅調で、新規受注は増加しました。
会津工場および美浦工場は順調に回復しています。会津工場は、まもなくフル稼働生産再開の予定で、美浦工場では、すでに初期のウェハ生産を再開し、7月中旬にはフル稼働にもどる予定です。しかし、日本の顧客の工場はまだ再開したばかりで、供給に支障が出る可能性があります。震災の影響はあるものの、顧客需要がこのまま堅調に推移すれば、今年後半の業績は回復すると予測しています。
特別費用および収入を含めた一般的会計原則に基づいた業績は、以下の通りです。
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2011年 第1四半期
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2010年 第4四半期
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2010年 第1四半期
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売上高または営業収入
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3,392百万ドル
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3,525百万ドル
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3,205百万ドル
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営業利益
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908百万ドル
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1,230百万ドル
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950百万ドル
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税引後純利益
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666百万ドル
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942百万ドル
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658百万ドル
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1株当り利益
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0.55ドル
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0.78ドル
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0.52ドル
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営業活動によるキャッシュフロー
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516百万ドル
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1,230百万ドル
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710百万ドル
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営業利益は、震災の影響を受けたことによりコストが増大し、前年同期比、前期比ともに減少となりました。
TIの各製品分野の売上高は以下の通りです。
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2011年 第1四半期
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2010年 第4四半期
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2010年 第1四半期
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アナログ
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1,536百万ドル
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1,518百万ドル
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1,367百万ドル
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組み込みプロセッシング
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533百万ドル
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538百万ドル
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440百万ドル
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ワイヤレス
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658百万ドル
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767百万ドル
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717百万ドル
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その他
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665百万ドル
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702百万ドル
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681百万ドル
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アナログ:(特定用途向けアナログおよびロジック製品、汎用向け高性能アナログ製品、パワー・マネージメント製品を含む)
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2011年第1四半期のアナログ製品の前年同期比売上増は、汎用向け高性能アナログ製品、パワー・マネージメント製品、特定用途向けアナログおよびロジック製品の売上増によるものです。
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前期比の売上は、パワー・マネージメント製品の売上増のほとんどが、汎用向け高性能アナログ製品の売上減により相殺されたために、ほぼ横ばいとなりました。特定用途向けアナログ製品の売上は、ほぼ同等でした。
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前年同期比で営業利益増となったのは、粗利益の増加によるものです。前期比の営業利益は、主に粗利益減により、減少しました。
組み込みプロセッシング:(多様な市場で販売されるデジタル信号プロセッサおよび汎用向けマイコン製品、通信インフラおよび車載用アプリケーションに特化した製品を含む)
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2011年第1四半期の組み込みプロセッシング製品の売上高は、汎用製品および通信インフラおよび車載用アプリケーションに特化した製品の売上増により、前年同期比で増加となりました。
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前期比の売上は、車載用アプリケーションに特化した製品の売上増が通信インフラ製品および汎用製品の売上減によって相殺され、ほぼ横ばいでした。
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前年同期比の営業利益は、粗利益増により増加しました。前期比では、主に粗利益減により、減少となりました。
ワイヤレス:(コネクティビティ製品、OMAPTMアプリケーション・プロセッサ、ベースバンド製品を含む)
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2011年第1四半期のワイヤレス製品の前年同期比売上は、ベースバンド製品の売上減により、減少しました。コネクティビティ製品の売上は増加し、アプリケーション・プロセッサの売上はほぼ同等でした。
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前期比の売上高は、ベースバンド製品の売上減により、減少となりました。コネクティビティ製品の売上は増加しましたが、アプリケーション・プロセッサの減少によって相殺されました。
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営業利益は、前年同期比では経費増により、前期比では粗利益減により、ともに減少となりました。
その他:(DLP®製品、カスタムASIC製品、グラフ電卓、ロイヤルティ、工場取得に関連した供給契約に基づく製品を含む)
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2011年第1四半期の売上高は、主に供給契約の増加のほとんどがロイヤルティの減少により相殺され、前年同期比で減少となりました。
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前期比の売上減は、グラフ電卓およびDLP®製品の売上増が、カスタムASIC製品およびロイヤルティの減少によって相殺されたためです。
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営業利益は、粗利益減により、前年同期比減となりました。前期比では、主に前期に発生した売却益により、減少となりました。営業利益は、日本の震災の影響によるコスト増の影響を受けました。
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2011年度の研究開発費は約17億ドルが予定されています。
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2011年度の設備投資額は約9億ドルが予定されています。
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2011年第2四半期の売上高は3,410百万ドルから3,690百万ドルの範囲を見込んでいます。
英文のニュース・リリース(全文)については、TIのインターネットのホームページ(http://www.ti.com)からご覧いただけます。