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TI、半導体メーカーとして初めてEtherCAT®技術のライセンス契約を締結、ARM®ベースの組込みプロセッサ製品に搭載

2011年04月15日

EtherCAT技術の統合により、業界標準の発展に貢献し、より高い柔軟性を備えた製品を実現

SCJ-11-026

2011年4月15日

テキサス・インスツルメンツは、ARM®ベースの組込みプロセッサ製品向けに、半導体メーカーとしては初めて「Ethernet for Control Automation Technology」(以下 EtherCAT®)のライセンス契約を締結したと発表しました。この画期的な工業向けEthernet技術は、2011年第4四半期の初めに『SitaraTM(シタラ)』ARMマイクロプロセッサに搭載、また2012年初めには、『IntegraTM(インテグラ)』DSP+ARM統合プロセッサにも搭載される予定です。

EtherCATテクノロジーの主な特長と利点

  • 効率の向上: EtherCATは、オンザフライ(データをバッファなどに記録せず、リアルタイムに直接処理を行う)による高速処理を基本としています。EtherCATの各メッセージはノード間で受渡しされ、受渡し中に処理が行われます。これによって、工業用システム内での総合的な応答速度および動作効率を向上することができます。
  • 使いやすさ: EtherCATでは、標準的なIEEE 802.3フレームおよび物理レイヤを使用します。各フレームはEtherCATのスレーブ・コントローラが自動的に転送し、外付けのスイッチやハブが不要です。大多数のデバイスが備えている2個のRJ-45ポートは、主としてEthernet接続のためのデータ・ポートとして使用されます。さらに、EtherCATテクノロジーのオート・コンフィグレーションをサポートしており、手動によるアドレス設定および、ネットワーク調整も不要です。
  • コストの削減: EtherCATテクノロジーは標準のEthernetケーブルを使用でき、外付けのハブやスイッチが不要で、コストの削減を実現します。またオート・コンフィグレーションをサポートし、設定のためのコストも削減できます。

TIARMベースの組込み用ソリューションの利点

  • 高い統合度: TIの最先端シリコン・テクノロジーで製造された、EtherCATスレーブ・コントローラ搭載のシステム・オン・チップ・ソリューションです。ARMコアとの統合により、高いスループット、低いレイテンシのアクセス、基板実装面積の縮小、総合的なコストの低減などに役立ちます。
  • 高い柔軟性: プログラマブル・リアルタイム・ユニット(PRU)を搭載し、今後の工業用標準規格の発展に、より柔軟に対応できる製品を実現できます。

TIの工業用オートメーション製品のマーケティング・マネージャーであるラム・ササファン(Ram Sathappan)は、次のように述べています。「TIのARMベースの組込みデバイスが工業市場分野に対応するために、高いリアルタイム性能と柔軟性の両面において、これまでに例のないレベルの業界標準を打ち立てるEtherCATテクノロジーは非常に重要です。EtherCATは現在、工業用のドライブおよび入出力アプリケーション分野において業界をリードする通信プロトコルです。このEtherCATテクノロジーを統合することにより、高雑音の過酷な工業用環境において、ホスト・コンピュータなしでマスタおよびスレーブ・コントローラ相互の通信を実現できます。EtherCATおよびPRUを『Sitara』ARMマイクロプロセッサおよび『Integra』DSP+ARM統合プロセッサに搭載するTIの手法は、今後の工業用標準規格の発展に貢献し、より高い柔軟性を備えた製品の実現に役立ちます」

EtherCAT テクノロジー・グループのエグゼクティブ・ディレクターであるマーチン・ロスタン氏(Martin Rostan)は次のように述べています。「TIがEtherCATインターフェイスを数種類の製品に統合したことで、EtherCATは工業用オートメーション分野だけに限定されない主流技術となりました。この記念すべき展開は、全く新しい市場分野を切り拓き、幅広い組込みアプリケーション分野におけるEtherCATの優位な立場の確立に役立つとともに、工業市場分野においてもEtherCATの採用を加速することから、大きな興奮をおぼえます」

※ SitaraおよびIntegraはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。