2011年03月02日
SCJ-11-015
2011年3月2日
日本テキサス・インスツルメンツは、DaVinciTM デジタル・メディア・プロセッサ・プラットフォームに、ハイ・パフォーマンスの『TMS320DM8168』(以下『DM8168』)、およびソフトウェア互換性を持ち高い電力効率を提供する『TMS320DM8148』(以下 『DM8148』)の2製品を追加すると発表しました。これらの新型DaVinciデジタル・メディア・プロセッサは、現実に近いビデオ・コミュニケーションを提供することで、人々を結びつけ、公共の安全性を高めるほか、より安全な運転をサポートする自動車用リアルタイム・ビジョン・システム、コンシューマ向けの最高品質エンターテインメントなどの実現に役立ちます。
・ハイ・パフォーマンスの『DM8168』DaVinciデジタル・メディア・プロセッサ
最高3本の1080p60フレーム/秒(fps)のビデオ・ストリーム、12本の720p30 fpsビデオ・ストリームまたは、それよりも低い解像度の複数のビデオ・ストリームの組合せを同時にサポートでき、市販の同種の製品と比較して、3倍のビデオ・ストリーミング能力を提供します。顧客各社はこの高い能力によって、複数のビデオ・ストリームのキャプチャ、エンコード、デコード、および解析して、最高3台の独立したディスプレイで同時に表示する機能を持つ、ビデオ集約機能システムを構築し、また先端解析機能による製品差別化もできます。『DM8168』は、マルチ・チャネルのHDビデオ監視システム、ビデオ・カンファレンス・システム、メディア用ハブおよびサーバー、ビデオ・ブロードキャスト・システムに最適です。
・高消費電力効率の『DM8148』DaVinciデジタル・メディア・プロセッサ
『DM8148』は、1本の1080p60 fpsのビデオ・ストリーム、3本の720p30 fpsのビデオ・ストリーム、または更に低い解像度の多数のビデオ・ストリームの組合せを、消費電力3Wで同時にサポートできます。また『DM8168』と同様の最先端のディスプレイおよび解析機能を備えています。『DM8148』は、より少ない本数のビデオ・ストリーム処理および低消費電力が必要なコンシューマ向けおよび医療用ビデオ・アプリケーションに最適です。このようなアプリケーションには、SkypeTM用のビデオカメラ、インタラクティブなデジタル広告ボード、映像監視用のデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)、IPネットワーク・カメラ、ストリーミング・メディア・プレーヤおよびネットワーク接続のプロジェクタなども含まれます。
容易に様々な製品オプションの開発が可能に
ハイ・パフォーマンスの『DM8168』と、高い電力効率の『DM8148』の両デジタル・メディア・プロセッサは、そのソフトウェアの互換性のため、TIのEZソフトウェア開発キット(SDK)を使うことで、同一のDaVinciデジタル・メディア・プラットフォーム上で、既存ソフトウェア・コードの再使用ならびにカスタマイズが可能であり、複数のユニークな製品を迅速に開発できます。また、ビデオ処理が不要なアプリケーションについてもEZ-SDKの使用により、ピン互換性を備えたSitaraTM ARM® MPUまたはC6-IntegraTM DSP+ARMの各プラットフォームへの移行が容易に可能であることから、ハードウェアおよびソフトウェアへの投資成果を、さらに広範囲に活用できます。
TIのデジタル・プロセシング・システム担当でバイスプレジデントのニールス・アンデルスコフ(Niels Anderskouv)は、次のように述べています。「現在、世界中のありとあらゆるデバイスがHDビデオ機能の搭載を求められており、TIでは、それに対応する用意があります。今後、人々を結びつける主な手段はFacebookだけではなくなります。TIは、人々をさらに緊密に結びつける、現行のリアルタイム・ビデオ・カンファレンス、そして今後の3Dビデオおよびジェスチャ認識技術などのさまざまな技術革新によって、重要な役割を担います」
調査会社In-Statのチーフ・テクノロジー・ストラテジストであるジム・マクレガー氏(Jim McGregor)は、次のように述べています。「高品質で活き活きとしたビデオ体験が、あらゆるコミュニケーションを革新してエンターテインメント体験をより豊かにするとともに、ビデオ視聴をプロダクティビティ・ツールとして変容させつつあります。TIがビデオ分野で達成した進歩は、3D、リアリティ向上、および魅力的なゲームなどをはじめ、将来、私たちがデバイスに搭載されると期待する、すべてのアプリケーションを実現していくでしょう。ビデオ処理は、システム・オン・チップと個別ソリューションの両方で決定的な差別化項目となりつつあることから、TIでは、競合ソリューションとの差を際立たせる、独自のビデオ・テクノロジーを開発しています」
『DM8168』、『DM8148』 DaVinci デジタル・メディア・プロセッサの特長と利点
特長 |
利点 |
究極の機能をワンチップに統合: ビデオ・アクセラレータ、ARM CortexTM-A8、『TMS320C674x』 DSP、3Dグラフィクス・アクセラレータ、ディスプレイ・コントローラおよびペリフェラル(PCIexpress Gen 2、SATA 2.0、Gigabit Ethernet、HDMI、Gigabit Ethernet Switch、CANおよびDDR2/DDR3 そのほか)を統合 |
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録画、エンコード、デコード、および複数のビデオ・ストリームの分析が可能な、最高3個のHDビデオ・アクセラレータを提供:
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顧客各社において、個々のアプリケーションの要件に応じたビデオ解像度および性能をスケーリングに選択できることから、消費電力と性能の間で正しいバランスを提供し、同時に最終製品のカスタマイズも実現 |
最高 1.2 GHz動作の ARM Cortex-A8を統合 |
高性能ARMプロセッサの提供により、顧客各社において、各種アプリケーション、機能豊富なGUIを、複数のオペレーティング・システムに向けて製品のカスタマイズが可能 |
最高1.0 GHz動作のC674x DSPが、発展中の各標準規格に適合可能なプログラマビリティを提供し、より高い精度とダイナミック・レンジで数値演算、信号処理、および浮動小数点演算をカスタム実現することが可能 |
分析、複雑なアルゴリズム、オーディオおよび、新型のコーデック標準に対応する柔軟性を備えるDSPによって差別化を実現
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SGX530グラフィクス・アクセラレータと共に、最高1920×1280ドット解像度の高画質ディスプレイを2台までサポート |
H.264ビデオ・ストリームのエンコードおよびデコードを実行しながら、切れ目のないマルチ・スクリーン体験と、より複雑な3DグラフィクスでのGUIを提供(拡張マルチ・フォーマットのサポートも利用可能) |
迅速な評価および開発開始が可能 『TMDXEVM8168』評価モジュールおよび、TIのEZ-SDKを供給 |
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サンプルおよび評価モジュールの供給について
ハイ・パフォーマンスの『DM8168』DaVinciデジタル・メディア・プロセッサは、現在、サンプル出荷中です。『DM8168』DaVinciデジタル・メディア・プロセッサの、量産出荷時の1,000個受注時の単価(参考価格)は75ドルより設定されています。高い電力効率を提供する『DM8148』DaVinciデジタル・メディア・プロセッサのサンプル出荷は2011年第3四半期の予定で、同プロセッサの量産出荷時の1,000個受注時の単価(参考価格)は51ドルより設定されています。ただちにシステム開発の開始が可能な『TMDXEVM8168』は1,995ドル(参考価格)で供給中です。Linuxオペレーティング・システムをサポートするEZ-SDKはti.comよりダウンロードが可能です。EZ-SDKによるAndroidのサポートは2011年第2四半期に、Microsoft Windows Embedded Compact 7のサポートは2011 年第3四半期に予定されています。
シグナル・チェーンの選択を簡素化
TIでは、『DM8168』および『DM8148』のDaVinciデジタル・メディア・プロセッサをサポートするハイ・パフォーマンス・シグナル・チェーン製品を供給しています。
※ SitaraおよびDaVinciはTexas Instrumentsの商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。