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TI、OMAP™ 4プラットフォームを大幅に強化した『OMAP4440』プロセッサを発表、モバイル製品の標準をさらに向上

2010年12月14日

CPUコア1個あたり1.5GHzの動作クロックをはじめとしたOMAPTM 4テクノロジーのアップグレードによって、モバイル機器からのテレカンファレンス、立体3D画像およびジェスチャ解析などの高度な機能を実現

SCJ-10-098

2010年12月14日

テキサス・インスツルメンツは、現行の『OMAP4430』プロセッサを強化した『OMAP4440』アプリケーション・プロセッサを発表しました。現行の『OMAP4430』と比較して、グラフィクス性能を1.25倍向上、ウェブページのロード時間を30%短縮、1080pビデオ再生性能を2倍向上するとともに、内蔵のARM® CortexTM-A9 MPCoreTM 1個あたり、最高1.5GHzのクロック速度をはじめとした大幅な性能向上を提供します。これらの著しい性能向上と機能の強化は、1080p 立体3D表示(S3D)、1080pビデオ・カンファレンスおよびジェスチャ解析をはじめとした、現在最も人気のあるスマートフォンおよびタブレットのユーザー体験を実現していくOMAPTM 4プラットフォームの高い能力をさらに実証するものです。

TIのOMAPプラットフォーム事業部担当でバイスプレジデントのレミ・エル-オーザーン(Remi El-Ouazzane)は次のように述べています。「『OMAP4440』アプリケーション・プロセッサが提供するより高い性能は、適切なプラットフォーム環境内の、適切なプロセッサ・アーキテクチャによってモバイル・コンピューティングの可能性を拡大し続けるTIの高い能力のあらわれです。当社は『OMAP4430』プロセッサの成功の原動力となっているOMAP 4プラットフォームの能力を、さらに強化する機会を捉えました。『OMAP4430』プロセッサを搭載した製品は2011年前半に顧客各社から続々と市場出荷されますが、TIでは顧客各社の革新的な次世代製品向けとして、移行が容易な『OMAP4440』プロセッサによる大幅な性能向上を提供できると考えています。『OMAP4440』プロセッサが実現する数々のユーザー体験は、消費者が日常生活において各種のモバイル・テクノロジーを活用していく上で、大きな影響を与えることでしょう」

モバイル・ユーザー体験をさらに向上する『OMAP4440』プロセッサ

OMAP 4プラットフォームは、1個のコアあたり1.5GHzのクロックで動作する2個のARM Cortex-A9 MPCore汎用プロセッサを搭載した、高度に最適化されたSOC(システム・オン・チップ)です。これらのプロセッサのほか、処理時間に厳しい要件を持つタスクや制御タスクの負荷を軽減する、補助的な2個のARM Cortex-M3コアも搭載されています。このほか、POWERVRTM 3Dグラフィクス・エンジン、高品位・複数の標準規格のビデオに対応するTIのIVA 3画像エンジン、高画質・高画素の画像処理を提供するTIのISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)、TIのローパワー・オーディオ・プロセッサおよび、TIの『C64x』DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)をベースとしてより自然なユーザー・インターフェイスが可能なほか、各種のモバイル・アプリケーション向けに最適化され、革新的な信号処理機能を提供するDSPなどの各種のプログラマブル・コア群が、数々の高性能マルチメディア機能を実現します。

OMAP 4プラットフォームは、2本の広帯域メモリ・チャネルによって、コンカレントな高性能処理および高品位のマルチメディア機能を高い効率でサポートします。このプラットフォームはTIのM-ShieldTMセキュリティ機能で守られています。また、電力と性能のマネージメント・テクノロジーであるTIのSmartReflexTMを活用することで、モバイル機器の小さな使用可能電力に対応しながらも高性能を提供します。OMAP 4製品ファミリーの第二弾の製品である強化された『OMAP4440』プロセッサの特長と利点を次表に示します。

OMAP4440』プロセッサの特長と利点

特長

利点

それぞれ1.5GHzクロックに最適化された、2個のARM Cortex A9 MPCore内蔵

総合性能で50%の向上、ウェブページのロード時間を33%短縮

エンド・ツー・エンドのグラフィクス・アクセラレーションの強化(トライアングル/秒、フィルレートおよびシェーダー演算)

総合的なグラフィクス性能を25%向上

HDMI v1.4 の各3Dモードをサポート

3Dテレビへの1080p HD S3D再生をフルサポート

1080p60ビデオ・フォーマットをサポート

2倍の性能のビデオ再生を実現

最高2個の12メガピクセルのカメラを同時サポート

より高い分解能の立体3D映像で、ステレオ撮影をサポート。これまで2D撮影でサポートされていたものと同一の解像度を立体3Dでサポート

IVA 3マルチメディア・ハードウェア・アクセラレータ

低ビットレートで業界最高品質のビデオ再生を提供

完全なピン互換性およびソフトウェアの互換性を提供

『OMAP4430』プロセッサからの移行が容易

*数値は『OMAP4430』プロセッサと比較した場合

『OMAP4440』プロセッサは、広く期待されているモバイル機器からのビデオ・テレカンファレンス体験を唯一サポートする製品です。『OMAP4440』プロセッサは、次表に示すように、ビデオ・テレカンファレンスに必要とされる重要な要素を直接サポートしています。

OMAP4440』プロセッサのモバイル・テレカンファレンス向けの機能

モバイル・テレカンファレンスの必要要件

OMAP4440』プロセッサの対応機能

高品質のモバイル・ビデオ・カンファレンス

低光量の条件で、ビデオ画質の向上と安定

チャット用のソフトウェア(例えばSkypeやGoogle Talkなど)

H.264、VP7、H.263、SVCそのほかのビデオ・コーデックをサポート

1人のローカル・ユーザーと、もう1人のユーザーによるピア・ツー・ピアのチャット機能

1080pモバイル・ビデオ・カンファレンスをサポート

1人のローカル・ユーザーと、他の最高4人までのユーザーによるマルチ・チャット機能

720p分解能と、ステレオ・オーディオをサポート

アプリケーションの同時サポートのためのクラウド・アクセス(例えばチャット中のウェブ閲覧、文書の共有)

最適化された対称マルチプロセシング・アーキテクチャが、低いレイテンシおよび広帯域のサポートを提供

 

価格および供給について

『OMAP4440』アプリケーション・プロセッサのサンプル供給は2011年第1四半期に、量産出荷は2011年後半に予定されています。『OMAP4440』は、大量生産のワイヤレスOEM・ODM各社向け製品であり、一般汎用向けではありません。

※ 『OMAP』はTexas Instruments Inc.の商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。