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ニュースリリース

日本TI、工業用アプリケーション向けに、消費電力およびシステム・コストを低減するPROFIBUS®ワンチップ・ソリューション、『AM1810』 Sitara™ ARM® MPUを発表

2010年11月30日

PROFIBUS International(PI)のPROFIBUSスレーブ認証を取得した新製品

SCJ-10-096

2010年11月30日

日本テキサス・インスツルメンツは、各種のファクトリー・オートメーション装置間の通信機能として普及しているフィールドバスであるPROFIBUS®(プロフィバス)インターフェイスをワンチップに統合した新しいARM9TMソリューションとして、『AM1810』SitaraTM ARM® MPU(マイクロプロセッサ)を発表しました。この新製品は、外付けのPROFIBUSインターフェイス用ASICやFPGAなどが不要なことから、システム性能の向上と同時に、開発期間の短縮およびシステム・コストの低減を可能にします。また、PROFIBUSインターフェイスの使用に関わらず、各種の工業用アプリケーションをサポートする高性能を提供します。この製品は、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)およびHMI(ヒューマン-マシン・インターフェイス)をはじめとした各種の工業用アプリケーションに最適です。またTIでは、業界団体であるPROFIBUS International(以下 PI)への参加も発表し、開発の迅速化およびコストの低減に役立つ認証試験済の統合ソリューションの提供を通じて、工業用市場への取組みを明確に打ち出しました。

現在、市場に流通している複数チップ構成のソリューションと異なり、『AM1810』はPROFIBUSインターフェイスをRS-485トランシーバに直接接続でき、外付けのASICやFPGAが不要です。さらに、低消費電力アーキテクチャであるため、より容易な放熱設計で、より小型の筐体やハウジングを使用してPROFIBUS対応製品を開発できます。

『AM1810』は、内蔵ペリフェラル・モジュールの一つであるPRU(Programmable-Real-Time Unit)内に、PROFIBUS向けのリアルタイム・フレーム・ハンドラであるFDL(Fieldbus Data Link)を統合しています。PRUは内部のシステム・バスを通じてARMコアと緊密に接続されており、PROFIBUS DP において最高12MBaudの通信速度と、より高速のシステム応答を実現します。また複数の接続メモリ・オプションを提供することにより、シリアル・フラッシュからブートし、内部RAM上でPROFIBUSを実行するため、外部メモリ不要でPROFIBUSノードを動作させることができます。『AM1810』に統合されたPROFIBUSソリューションは、オペレーティング・システムのアブストラクション・レイヤ(仮想レイヤ)も備えていることから、オペレーティング・システムに依存しないPROFIBUS DPプロトコル・スタックを実現し、設計上の柔軟性を提供します。

PROFIBUS認証を取得済のシリコン・チップおよびスタック・ソフトウェア

TIのPROFIBUS DPスレーブは、Siemens AG社が設立したPROFIBUS認証ラボであるComDecにおいて、PIの認証を取得済です。この認証は、特に『AM1810』に統合されたPROFIBUSインターフェイスについて取得したものであり、これにより、各種の工業用標準規格に適合する製品を安心して設計することができます。

TIの工業用製品マーケティング・マネージャーであるラム・ササファン(Ram Sathappan)は、次のように述べています。「工業用製品分野において、PROFIBUS標準は高い信頼性を備えたネットワーク機能の代名詞であり、TIは今回の認証取得によって、既存のソリューションと置換え可能な高品質な製品を、より確実に提供できます。TIの目標は、顧客各社のBOMコストの低減、基板実装面積の縮小、および開発期間の短縮を実現する製品の提供供給であり、PROFIBUSを統合したワンチップ・ソリューションである『AM1810』こそが、この目標に最適な製品であると確信しています」

『AM1810』はPROFIBUSインターフェイスのほか、ワンチップに統合されたEthernetポートがEtherCAT® マスターのプロトコルもサポートします。この機能によって、複数プロトコルをサポートする製品を開発することも可能です。

AM1810Sitara ARM + PROFIBUS 統合プロセッサの特長と利点

特長

利点

PROFIBUS通信機能を統合したARM9ソリューション

ワンチップにPROFIBUS通信機能を統合。専用の外付けPROFIBUS チップが不要で、システム設計を簡素化するとともにコストを低減

PROFIBUS Internationalの認証ラボにおいて認証を取得済

PIの認証ラボによる相互動作テストに合格し、認証を取得。開発各社は工業用標準に適合する製品を安心して設計可能

10/100 Ethernet MACを統合

EtherCATのマスターをはじめとしたEthernetを使用する工業用プロトコルをサポートすることで、工業向け製品の設計各社は、複数のプロトコルをサポートする製品を開発可能

375MHz動作のARM9 RISCコアを搭載

コアの動作クロック1MHzあたり1mW未満の低消費電力を実現。冷却ファンや放熱器が不要でありながら、PROFIBUSインターフェイス含めてPLCやHMIのような工業用アプリケーションを実現

長期製品寿命の工業用グレード製品

工業用温度範囲をサポートし、10年以上の使用期間を必要とする各種工業用アプリケーションの要求条件に適合

開発ツールおよびサポート

TIでは、製品開発に必要な『AM1810』PROFIBUS評価モジュール向けの各種の設計データ、ソフトウェアおよびツール群を供給

価格、ソフトウェア、ツール群および供給について

TIでは、すぐに開発を開始できる『TMDXEVM1810』評価モジュール(EVM)を995ドル(参考価格)で供給中です。ソフトウェア開発キットには、Linuxカーネル2.6.33およびWindows® Embedded CEの各ボード・サポート・パッケージ(BSP)、PRUコンフィグレーション・ツール、PRU CAN、PRU UARTおよびタッチスクリーンのデモが含まれます。このEVMのほか、TIの「Design Houseパートナ」であるCritical Link LLC社が『AM1810』を搭載した量産品質の工業用ETX標準対応の開発ボードを749ドル(参考価格)で供給しています。このボードにはReal Time LinuxカーネルベースのBSP、PROFIBUSデモンストレーションおよび評価ソフトウェアが含まれます。

『AM1810』は現在サンプル出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。1,000個受注時の単価(参考価格)は9.95ドルです。 

PROFIBUS Internationalについて

PROFIBUS® International(略称: PI)は、1400を超える会員各社が加入し、世界首位のPROFIBUSフィールドバスの採用を推進する団体であり、これまで全世界に3100万件を超えるPROFIBUSデバイスを設置済です。PROFIBUSはIEC 61158およびIEC 61784開放標準によって規定され、ネットワーク経由で共同的で安全な動作を行う工業用機器を必要とする各種アプリケーションで使用されます。PROFIBUSは、ポイント・ツー・ポイントの通信配線が不要で、ファクトリー・オートメーション、プロセス制御、工業用駆動装置、モーション・コントロールのほか、緊急停止ボタンなどの保安機器において、複雑さ、設置およびメインテナンスなどのコスト低減に役立ちます。

※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。