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ニュースリリース

日本TI、『C2000™』および『Stellaris®』マイコンの開発で浮動小数点演算の高精度な利点を簡単に利用できる『IQmathライブラリ』を発表

2010年11月16日

『C2000』ハイスピードマイコンおよび『Stellaris(ステラリス)』ARM® CortexTMM3 マイコン上でC/C++プログラマが浮動小数点アルゴリズムを固定小数点コードへ容易に移植可能な『IQmathライブラリ』を無償提供

SCJ-10-091

2010年11月16日

日本テキサス・インスツルメンツは、固定小数点演算マイコンを使用する開発者向けに、『C2000』および『Stellaris』において浮動小数点アルゴリズムの高精度を実現する『IQmathライブラリ』を無償で提供すると発表しました。『IQmath ライブラリ』は高精度な各種算術演算が可能な実証済かつ最適化された仮想浮動小数点ソフトウェア・ライブラリで、さまざまな浮動小数点アルゴリズムを固定小数点コードへ容易に移植可能です。開発者は『IQmathライブラリ』を使うことで、ANSI標準の C言語で記述されたコードと比較して、大幅な高速処理が実現できることから、モーター制御・デジタル電源制御・セキュリティおよびマンマシンインターフェイスをはじめとする、数値演算を多用する用途で活用できます。さらに、『IQmathライブラリ』により開発者は、開発期間の大幅な短縮と、固定小数点の桁処理(スケーリングおよび飽和)による制限の解消が容易に可能です。

Drivetech, Inc.の社長であるデル・オーム博士(Dr. Dal Ohm)は次のように述べています。「当社では、これまで5年以上に渡って、リアルタイムのモーター制御アプリケーションにTIの『IQmathライブラリ』と固定小数点の『C2000』マイコンを使用し、開発の大幅な簡素化・迅速化と最適化を実現してきました。『IQmathライブラリ』による正確な桁範囲と精度は、当社が複雑なパワー・エレクトロニクス製品向けの安定な制御システムを構築する上で、極めて重要です。さらに『C2000』の浮動小数点デバイスへのスケールアップも容易となりました」

IQmathソフトウェア・ライブラリ」の特長と利点

  • 浮動小数点演算のシミュレーションやアルゴリズムの固定小数点マイコンへの移植作業を簡素化
  • 固定小数点プロセッサ向けの数値演算ソフトウェア・ライブラリが浮動小数点データ演算を高速化
  • 45種類を超える関数をフォーマット変換ユーティリティ・数値演算関数・三角関数および数学関数をはじめとした複数のカテゴリに分類、容易に探すことが可能
  • 分解能とダイナミックレンジを適切に調整できることから、アプリケーションの要求に応じた最適化が可能
  • 固定小数点と浮動小数点の各マイコン間でのスケーリングでシームレスなコード移植が可能
  • 浮動小数点から固定小数点への変換はコンパイル時に完了するため、コード実行時におけるCPUサイクルは不要

価格および供給について

「IQmathライブラリ」は、「StellarisWare®ソフトウェア」または「C2000 controlSUITETMソフトウェア」を経由して無償でダウンロードできます。固定小数点の『Stellaris』マイコンの参考価格は1ドルから、また浮動小数点の『C2000』ハイスピードマイコンの参考価格は2ドル未満からです。

TIMCUおよびソフトウェアの幅広いポートフォリオ

TIでは、汎用の『MSP430TM』超低消費電力マイコン、『Stellaris』Cortex-M3 32ビットマイコン、さらに『C2000』ハイスピードマイコンまで、包括的なマイコンソリューションを供給しています。またそれらの製品を補完するTIの統合的なソフトウェア、ハードウェア開発ツール群、強力なパートナー製品、および技術サポートが、お客様の製品開発期間の短縮を支援します。

※ MSP430、C2000、Piccolo、DelfinoおよびcontrolSUITEは Texas Instrumentsの商標です。ARMはARM Limited社の登録商標、CortexはARM Limited社の商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。