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ニュースリリース

日本TI、究極の統合性と高性能を提供、業界最高速のシングル・コア浮動小数点DSP搭載、『C6A816x』Integra™DSP+ARM®統合プロセッサを発表

2010年10月20日

1.5GHz動作DSPと1.5GHz動作ARMコアを統合した新しい製品は、マシンビジョン、計測・テスター、追従および制御などの各種アプリケーションに高精度かつトータル・システム・コストの低減を提供します

SCJ-10-083

2010年10月20日

日本テキサス・インスツルメンツは、実績あるDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)+ARM®の統合製品を大幅にパフォーマンス・アップした新世代の『C6A816x』IntegraTM(インテグラ)DSP+ARM統合プロセッサ製品を発表しました。これらの統合プロセッサ製品は、最高1.5GHzと業界で最高速で動作する浮動/固定小数点DSPに、業界最高速の1.5GHz動作ARM CortexTM-A8シングル・コアを統合した製品です。この新しい「IntegraTM」のアーキテクチャでは、内蔵のDSPを信号処理や複雑な数値演算および音声・画像処理アルゴリズムに専念させることができ、一方、ARMコアでLinuxやMicrosoft Windows® Embedded Compact 7およびAndroid(アンドロイド)などのハイレベルOS(オペレーティング・システム)をサポートすることでGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェイス)、ネットワークへのコネクティビティ、システム制御およびアプリケーションをストレスなく動作させることできるため、より広範囲のアプリケーションに柔軟に対応することができます。『C6A816x』Integra DSP+ARM統合プロセッサは、多数の高速ペリフェラルも集積していることから、システム・コストの低減に役立ち、マシンビジョン、計測・テスター、制御系アプリケーションなどに最適です。

 

高い性能、接続性およびコスト効率を提供する究極の統合

今回、『C6A816x』 Integra DSP+ARM世代のプロセッサ製品として、『C6A8168』と『C6A8167』の二種類の製品を発表しました。これらの新型プロセッサは『TMS320C674x』浮動/固定小数点DSPとARM Cortex-A8プロセッサ、ならびに高速ペリフェラルをワンチップに集積しています。ペリフェラルにはPCI Express Gen2、SATA 2.0、2個のGigabit Ethernetおよび2個のDDR2/DDR3インターフェイスなど、さまざまなネットワークおよびストレージ接続機能を提供することで、プロセッサ本体と周辺デバイスとの高速のデータ伝送が実現可能です。この高い統合性により、システムの性能を大幅に向上できる一方、部品点数の削減、外付けメモリのコストやPCB(プリント基板)の実装面積を小さく設計でき、BOM(原材料費)を最大50%低減することが可能です。

 

進歩したディスプレイおよび3Dグラフィック機能を提供

『C6A8168』および『C6A8167』のIntegra DSP+ARM統合プロセッサは、強力なディスプレイ・エンジンにより、2つの異なるコンテンツを再生すると同時に2個の高解像度ディスプレイに表示できます。これは片方のディスプレイでタッチ・スクリーン・キーボードを操作しながら、もう一方のディスプレイでマシン性能および撮影映像の分析出力を表示するようなハイエンドのマシン・ビジョン・システムのアプリケーションにおいて役立つ機能です。特に最近ではユーザ・インターフェイスが重要となっており、『C6A8168』Integra DSP+ARMプロセッサは強力な3Dグラフィック・アクセラレータを 統合していることから、より複雑で豊かなGUIを実現することができます。『C6A8168』および『C6A8167』の両プロセッサともに、シームレスで綺麗なグラフィックをマルチ・スクリーンで実現できるため、より広いアプリケーションに"直観的なインターフェイス"という新しい可能性が広がります。

 

高度なスケーラビリティを提供、ソフトウェア再利用性を最大限高めたプラットフォーム

TIは、低消費電力から本発表の高性能のIntegra DSP+ARMプロセッサに加え、同時発表したSitaraTM(シタラ)ARM マイクロプロセッサ、ならびにDaVinciTM(ダヴィンチ)デジタル・メディア・プロセッサまで、お客様にとって幅広い選択肢を提供します。これらの高い互換性を備えたTI製品を採用し、複数の製品開発においてソフトウェアを最大限に再利用することにより、開発時間・工数を短縮することで多様な市場に迅速に対応することができます。互換性を備えたIntegra DSP+ARMプロセッサとSitara ARMマイクロプロセッサは、共通のペリフェラル・メモリ・マップ、バス・アーキテクチャおよびARM Cortex-A8コアを使用していることから、一度開発したアプリケーションやミドルウェアの資産を別の製品に再利用することが容易で、設計における頑健性に優れています。さらにTIではソフトウェア互換性を備えた幅広い製品シリーズを提供しているので、従来のARM9TMベースのローパワー『OMAP-L13x』 DSP+ARMプロセッサから最新の『C6A816x』Integra DSP+ARM統合プロセッサ製品および将来の互換デバイスまで、お客様の開発をスケーラブルかつ強力に支援します。

 

評価を数分以内に、開発を1時間以内に開始できるサポートツール

新しいIntegra DSP+ARMプロセッサおよびSitara ARMマイクロプロセッサの両製品は、共通のハードウェア評価モジュール(EVM)および、単一で無料のTI EZTMソフトウェア開発キット( EZ SDK )を提供しており、お客様は数分以内でデバイス評価を、1時間以内で開発を開始することができます。Integra DSP+ARMプロセッサおよびSitara ARMマイクロプロセッサの開発では、TIのすべての組込用 プロセッサ共通の『Code Composer StudioTM IDE(統合開発環境)』を使用できます。これら強力な開発環境によって学習曲線が効率化され、製品の市場投入時間の短縮および開発コストの低減に大きく寄与します。さらにEZ SDKは、Integra DSP+ARMプロセッサに内蔵のDSP性能をコプロセッサとして有効に活用したいARMプログラマ向けに、DSPのプログラミングを簡単にするツール群を同梱しています。例えばTIのコード移植用の『C6EZRun』によって、開発者はARMプロセッサ用のアプリケーション・コードを変更せずに、ARMのコードをDSP上で簡単に実行することができます。また『C6EZAccel』はDSPに最適化された数百種類もの信号処理アルゴリズムおよび複数のARM APIのライブラリを提供し、開発時間を大幅に短縮します。

 

C6A816x Integra DSP + ARM統合プロセッサの特長と利点

特長

利点

性能:市場で最も高性能で最高1.5GHz動作の浮動/固定小数点DSP(『TMS320C674x』)コアと、同じく最高1.5GHz動作のARM Cortex-A8 コアをワンチップに集積

DSPとARM Integraを統合したことで、DSPによってより複雑な数値演算アルゴリズムを実装することが可能で、単精度および倍精度の浮動小数点演算を含む精密な処理が要求されるアプリケーションの実行能力を大幅に向上させることが可能。また製品の市場投入時間を短縮、よりスムースな開発、各アルゴリズムの移植のための研究・開発作業を最小に抑えられる。

 オンチップのARM Cortex-A8プロセッサは、ハイレベルのシステム制御、ネットワーク・コネクティビティおよびOSのサポートに利用できることから、高度かつ幅広いアプリケーションの実行が可能

コアの統合: DSPコアと ARM コアをワンチップに統合したことで、強力な信号処理機能、包括的なシステム制御、高い応答性のGUIおよび、Linux、Microsoft Windows Embedded Compact 7やAndroidをはじめとする複数のハイレベルOS上で動作する各種アプリケーションを実行するのに最適

基板実装面積の小スペース化、製造コストを最高50%低減、集積による複数チップ構成で必要だった各々個別メモリのコストを低減し、DSPとARMのコア間には強化された内部バス・アーキテクチャによって、より高速の性能を提供

 

ペリフェラルの統合: 2本のPCI Express Gen2、2個のUSB 2.0ポート、HDMI TX、最大2個の外部ストレージ・ドライブ用のSATA 2.0インターフェイス、最高1.6GHzまでの2個の32ビットDDR2/DDR3外部メモリ・インターフェイス、2個のGigabit Ethernet MAC(GEMAC)、2チャネルのビデオ入出力を含む柔軟なペリフェラル・オプションの組合せを提供

ネットワーク・コネクティビティおよび数々のペリフェラルをシームレスに統合することで、供給の問題を解決、また開発期間の短縮ならびにコスト低減が可能。

  • PCIe によるコンピュータのバックプレーンおよびFPGAとの高速接続を実現
  • Gigabit Ethernet Mac (GEMAC) およびUSB 2.0によって接続される周辺デバイスに対する接続性を提供
  • SATA による大容量ストレージ等との高速インターフェイスを提供
  • DDR3 による、より広いメモリ帯域幅を実現し、マルチ・プログラミング、総合的なシステムの応答性および性能の向上を提供

進歩したディスプレイ機能および3Dグラフィック: 最高1920×1280ドットの高解像度ディスプレイを最高2台サポート

『C6A8168』は最高333MHzのSGX530グラフィック・アクセラレータを内蔵し、滑らかかつ表現力豊かな3Dグラフィック描画が可能

高い統合性を備えたワンチップ・プロセッサで、より複雑なGUIを実現、また3Dグラフィックを使用できるとともに、シームレスなグラフィック、マルチ・スクリーン出力を実現

ソフトウェア: TIのEZ ソフトウェア開発キット(EZ SDK)が、『C6A816x』 Integra DSP + ARM プロセッサおよび『AM389x 』Sitara ARM MPUをサポート

 このキットには、TIの『C6EZRun』 および『C6EZAccel 』ツールも同梱

無料のソフトウェア・パッケージによって、デバイス評価が数分以内に、また開発を1時間以内に開始可能

 必要な開発ソフトウェアおよびソフトウェア例のインストールを一度行うだけで、DSPプログラミングを簡単にするTIのC6EZツール群、OS、周辺回路、ネットワーク・コネクティビティおよびディスプレイのドライバー、タッチ・スクリーンのグラフィック・アプリケーション・ランチャー、グラフィック開発キット、グラフィック例およびスターター・コードを提供することから、開発が迅速に開始可能

 

ツール、価格および供給について

Integra DSP+ARM統合プロセッサおよびSitara ARM MPUの開発を簡単にスタートでき、評価を数分で開始できる、共通ハードウェア評価モジュール(EVM)および無料のEZ SDKの供給を開始しました。DDR2バージョンのEVM(『TMDXEVM8168DDR2』)は1,895ドル(参考価格)で供給中です。ビデオ・キャプチャ機能付きのDDR3バージョンのEVMは2011年第1四半期に供給の予定です。無料でダウンロード可能な新型のTIのEZ SDKは、ARMおよびDSP向けのソース・コードおよび、すぐに使用可能な数百種類のDSPカーネル群などを1パッケージにし、たった一回のインストールで使用することができます。LinuxをサポートしたEZ SDKから供給を開始し、2011年第1四半期にMicrosoft Windows® Embedded Compact 7およびAndroidをサポート予定です。

『C6A816x』Integra  DSP+ARM統合プロセッサのサンプルを出荷開始しました。『C6A8167』Integra DSP+ARMプロセッサの1,000個受注時の単価(参考価格)は46ドルより、また『C6A8168』Integra DSP+ARMプロセッサは同49ドルより設定されています。『C6A816x』Integra DSP+ARMプロセッサとピン互換性を提供する高性能の『AM389x』Sitara ARMマイクロプロセッサもご注文を受付け中です。

 

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