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ニュースリリース

日本TI、業界最高性能のシングル・コア ARM® Cortex-A8および究極のシステム統合性を備えた『AM389x』Sitara™ARM®マイクロプロセッサを発表

2010年10月20日

1.5GHz動作のARM® Cortex-A8を搭載した新しい製品は、シングルボード・コンピュータや各種通信およびネットワーク機器向けにソフトウェア互換性とトータル・システム・コスト低減を提供します

SCJ-10-084

2010年10月20日

日本テキサス・インスツルメンツは、業界をリードするARM® マイクロプロセッサ(MPU)SitaraTM(シタラ)シリーズの製品ポートフォリオに、性能と統合性を大幅に向上する『AM389x』を新たに加えました。この新製品は、最高1.5GHz動作のシングル・コアARM CortexTM-A8に加え、各種のペリフェラル・モジュールを統合しており、シングルボード・コンピュータ、ゲートウェイ、ルータ、サーバー、工業用オートメーション、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)およびPOS(ポイント・オブ・サービス)端末をはじめとした、幅広いアプリケーションに最適です。『AM389x』は、特にLinux、Microsoft Windows® Embedded Compact 7、Androidをはじめとした各種OS(オペレーティング・システム)を搭載し、複数のアプリケーションを同時実行するシステムにおいて、高いCPU性能を提供すると共に、各種開発サポートツール群にて市場投入時間の短縮に貢献します。

 

高い接続性とコスト効率を提供する究極の統合

今回、『AM389x』Sitara  ARMマイクロプロセッサ製品として、『AM3892』および『AM3894』が発表されました。これらのプロセッサは、PCI Express Gen2、SATA 2.0、2ポートのGigabit Ethernet MAC、DDR2/DDR3インターフェイス等、数々の広帯域のペリフェラル・モジュールをワンチップに統合しています。幅広いアプリケーションに向けて、最適化された豊富でユニークなペリフェラルの組合せにより、プロセッサ本体と周辺デバイスとの高速のデータ伝送を実現でき、ARM Cortex-A8コアの性能を最大限活用できます。これらの多くのペリフェラルをワンチップに統合することで、より多くの機能をより小型の最終製品に搭載できるとともに、PCB(プリント基板)の実装面積の縮小およびBOM(原材料費)の低減に役立ちます。

 

進化したディスプレイおよび3Dグラフィック機能を提供

『AM3892』および『AM3894』のSitara ARMマイクロプロセッサは、共にディスプレイ・サブシステムをオンチップに統合しており、2つの異なるコンテンツを、2系統の高解像度ディスプレイに同時に表示できます。これにより、片方のディスプレイでタッチ・スクリーン・キーボードを表示しつつ、もう一方のディスプレイでマシン性能の出力結果を表示するといった使い方が可能になります。さらに、『AM3894』は3Dグラフィック・アクセラレータを統合しており、より複雑で豊かなユーザー・インターフェイスを実現可能です。

 

高度なスケーラビリティを提供、ソフトウェア再利用性を最大限高めたプラットフォーム

TIは、低消費電力から本発表の高性能のSitara ARMマイクロプロセッサに加え、同時発表したDSP+ARM統合プロセッサIntegraTM(インテグラ) DSP+ARM統合プロセッサ、ならびにDaVinciTMデジタル・メディア・プロセッサまで、幅広い選択肢を提供しています。これらの互換性を備えた製品を使用し、すべての製品においてソフトウェアを最大限に再利用することにより、開発時間・工数を短縮することでさまざまな機能を備えた複数の最終製品を迅速に開発することができます。特に、新製品のSitara『AM389x』とIntegra『C6A816x』は、同一のペリフェラル・メモリ・マップ、バス・アーキテクチャ、ARM Cortex-A8コア、およびパッケージを使用しており、完全ピン互換です。さらに、Sitara シリーズ内においては、従来製品の『AM35x』『AM37x』から最新の『AM389x』まで、ソフトウェアの互換性を最大限保つことにより、シリーズ製品間での移行およびスケールアップがスムーズに行えます。

 

 

評価を数分以内に、開発を1時間以内に開始できるサポートツール群

新しいSitara ARMマイクロプロセッサおよびIntegra DSP+ARMプロセッサの両製品は、共通のハードウェア評価モジュール(EVM)および、単一で無償のTI EZTMソフトウェア開発キット(EZ SDK)を提供しており、お客様は数分以内でデバイス評価を、1時間以内で開発を開始することができます。また、『AM389x』と『C6A816x』で共通の一般開発環境を使用できることにより、製品の市場投入時間の短縮および開発コストの低減に役立ちます。

 

AM389xSitara ARMマイクロプロセッサの特長と利点

特長

利点

性能: 最高1.5GHz動作のARM Cortex-A8コアを搭載

Linuxおよび、Microsoft Windows® Embedded Compact 7、Androidをはじめとした各種OSのBSP(ベース・サポート・パッケージ)を提供することにより、設計者がただちに評価・開発可能

ペリフェラルの統合: 2本のPCI Express Gen2、2個のUSB 2.0ポート、HDMI TX、最大2個の外部ストレージ・ドライブ用のSATA 2.0インターフェイス、最高1.6GHzまでの2個の32ビットDDR2/DDR3外部メモリ・インターフェイス、2個のGigabit Ethernet MAC(GEMAC)、2チャネルのビデオ入出力を含む柔軟なペリフェラル・オプションの組合せを提供

ネットワーク・コネクティビティおよび数々のペリフェラルをシームレスに統合することで、供給の問題を解決、また開発期間の短縮ならびにコスト低減が可能。

  • PCIeによるコンピュータのバックプレーンおよびFPGAとの高速接続を実現
  • Gigabit Ethernet Mac (GEMAC) およびUSB 2.0によって接続される周辺デバイスに対する接続性を提供
  • SATA により、大容量の外部記憶装置との高速データ通信を実現
  • DDR3による、より広いメモリ帯域幅を実現し、マルチ・プログラミング、総合的なシステムの応答性および性能の向上を提供

進化したディスプレイ機能および3Dグラフィック: 最高1920×1280ドットの高解像度ディスプレイを最高2台サポート

『AM3894』は最高333MHz駆動のSGX530グラフィック・アクセラレータを内蔵し、滑らかかつ表現力豊かな3Dグラフィック描画が可能

より複雑なGUIを必要とするアプリケーションにおいて、2つの異なるコンテンツを、2系統の高解像度ディスプレイへ同時に表示するとともに、3Dハードウェア・アクセラレータにより複雑で豊かなユーザー・インターフェイスを実現

ソフトウェア: TIのEZソフトウェア開発キット(EZ SDK)により、Sitara 『AM389x』とIntegra『C6A816x』をサポート

無料のソフトウェア・パッケージによって、デバイス評価を数分以内に、また開発を1時間以内に開始可能

各種サンプル・コード、OS、ネットワークおよびディスプレイ等の各種ペリフェラル・ドライバ、タッチ・スクリーン対応のグラフィック・アプリケーション・ランチャーおよびグラフィック開発キット、等を提供し、開発を迅速に開始することが可能

 

ツール、価格および供給について

『AM389x』のハードウェア評価モジュール(EVM)は、Integra『C6A816x』と共通のEVM『TMDXEVM8168DDR2』(DDR2バージョン)として、1,895ドル(参考価格)にて現在供給中です。ビデオ・キャプチャ機能を追加したDDR3バージョンのEVMは、2011年第1四半期に供給開始の予定です。Linux版のソフトウェア開発キット(EZ SDK)は、2010年11月より、Microsoft Windows® Embedded Compact 7およびAndroid版のEZ SDKは、2011年第1四半期より提供開始予定です。

 『AM3894』は、1,000個受注時の参考価格43.10ドルにて現在サンプル供給中です。また、『AM389x』とピン互換のIntegra『C6A816x』も、現在合わせてサンプル供給中です。

 ※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。