2010年09月17日
SCJ-10-074
2010年9月17日
日本テキサス・インスツルメンツは本日、150MHz性能の超低消費電力のデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)である『TMS320C5504』と『TMS320C5505』を発表しました。いずれも従来のC55xデバイスと比較して処理性能が25パーセント向上しています。
『C5504』および『C5505』プロセッサは、1.05V駆動時のアクティブ消費電力が0.15 mW/MHz未満、待機時も同0.15mW未満と、業界で最も低消費電力なDSPです。両製品とも大容量オンチップ・メモリ(『C5505』で320KB)と複数のペリフェラルを搭載し、現行のC55xプロセッサと比べてシステムコストを20パーセント以上も削減できます。また、ダイナミック・ボルテージ・スケーリングと周波数スケーリングにより、最適な周波数で電池を最大限に使えるため、現行のC55xプロセッサと比べて最大40パーセントもバッテリ寿命を延長できます。
『C5504』 と『C5505』の合計電力消費量
電力消費量 |
動作周波数 |
0.15 mW/MHz未満 |
60 MHz |
0.22 mW/MHz未満 |
120 MHz |
0.27 mW/MHz未満 |
150 MHz |
256KBのオンチップ・メモリを搭載する『C5504』 DSPは、ポータブル・ボイスレコーダーやMP3プレーヤーなどのポータブル・アプリケーションに向けて、性能と消費電力レベル(待機時/アクティブ時)のバランスを最適化させた、低コストのソリューションです。
『C5505』 DSPは、ノイズ・キャンセル機能付きヘッドフォン、楽器、医療用監視装置、生体認証センサや地震感知センサなどのアプリケーション向けです。同製品は『C5504』DSPに対し、LCDインターフェイス、高速フーリエ変換(FFT)用ハードウェア・アクセラレータを集積し、さらに64KBのオンチップ・メモリも追加しています。
『C5504』と『C5505』は、ペリフェラル・セットおよびオンチップ・メモリサイズを除き、エネルギー効率や処理性能は同一で、それぞれピン互換性、ソフトウェア互換性を確保しています。これらのプロセッサ間でのマイグレーションが容易なため、設計者は、異なる価格帯の複数の市場に向けて、同一のプラットフォーム上での開発が可能です。
『C5504』の特長と利点
特長 |
利点 |
ハイスピードUSB 2.0、I2S、UART、SPI、 MMC/SD および GPIOを高集積 |
より使い勝手の良いポータブル機能を実現しつつ、システムコストを削減 |
256KBのオンチップ・メモリ |
外部メモリ不要で、消費電力とシステムコストの双方を低減 |
16ビット デュアルMAC CPU |
非常に優れたエネルギー効率のDSPコアを、オーディオ、音声、スマート・センサ等のアプリケーション向けに統合 |
『C5505』の特長と利点
特長 |
利点 |
320KBのオンチップ・メモリ
|
外部メモリ不要で、消費電力とシステムコストの双方を低減、且つアプリケーションとデータの双方への高速アクセスが可能
|
最大1,024ポイントのプログラマブルFFTハードウェア・アクセラレータ |
DSPコアの負荷を低減すると共に演算スループットを増やし、トータルのシステム消費電力を削減 |
『C5504』上のペリフェラルに加え、LCDインターフェイス、10ビット 4チャネル SAR ADCを集積 |
メディア、アナログデバイス、その他プロセッサへのシームレスで柔軟な接続を実現し、システムコスト全体を削減 |
価格と供給について
『TMS320C5504』DSPは1,000ユニット受注時の単価が6.2ドル(参考価格)、『TMS320C5505』は1,000ユニット受注時の単価が7.45ドル(参考価格)にて、現在サンプル出荷中です。
『C5504』と『C5505』は、超低消費電力を実現する固定小数点DSP、C5000シリーズの最新のプロセッサです。C5000シリーズに加え、浮動小数点DSP C674xシリーズ、MSP430TM マイコン、パワー・マネジメント・ソリューション等からなる広範囲にわたる製品ポートフォリオにより、TIは革新的でエネルギー効率の良いソリューションで市場をリードし続けています。
TIのC55x DSPポートフォリオについては以下もご参照ください。
※ TMS320C55x、C55xおよびMSP430はTexas Instrumentsの商標です。全ての商標ならびに登録商標は、それぞれの所有者に帰属します