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日本TI、DaVinci™ビデオ・プロセッサ『DM37x』を発表 1GHz動作のARM® Cortex™と800MHz動作のC64x™ DSPを搭載、720p HDビデオに対応したアプリケーション向けに

2010年08月25日

『OMAP3530』比でARM性能が約50%、DSP性能が約40%向上、2倍のグラフィックス性能と、消費電力を約40%低減

SCJ-10-064

2010年8月25日

 日本テキサス・インスツルメンツは本日、新しいDaVinci™ ビデオ・プロセッサ2製品、『DM3730』および『DM3725』を発表しました。ARM® Cortex™-A8、C64x+™ DSP、3Dグラフィックス・アクセラレータ(『DM3730』のみ)、高機能ペリフェラル(USB 2.0、SD/MMC他)を単一のシステム・オン・チップ(SoC)に集積した製品で、720pクラスの HDビデオや大量データの処理を行うアプリケーションに最適です。主なターゲット・アプリケーションは、ナビゲーション・システム、メディア・プレーヤ、医療用の患者モニタ、産業用の試験・測定機器、産業用表示機器、ポータブル通信機器などです。

 『DM37x』プロセッサは、OMAP35xと高いソフトウェア互換性を備えるほか、Sitara™ AM37x デバイスとはピン互換性があるため、ソフトウェアおよびハードウェアの資産を最大限活用して従来製品の性能を容易に引き上げることが可能です。また『DM3730』は『DM3725』のシステム構成に3Dグラフィックス・アクセラレータを追加で搭載しています。『OMAP3530』から『DM3730』へ移行した場合、ARM性能が約40%、DSP性能が約50%それぞれ向上し、グラフィックス性能は倍化され、しかも約40%の消費電力の低減が出来ます。

 『DM37x』プロセッサには最大800MHz動作のC64x+™ DSPコアとハードウェア・ビデオ・アクセラレータが搭載されており、ARMコアのCPU負荷をかけることなく、オーディオや720pクラスのビデオのデコード・エンコード処理が行えます。これにより、最大1GHz動作のARM® Cortex™-A8コアの処理能力をフルに活用し、携帯情報端末のようなアプリケーションにおいても、従来以上の高機能なアプリケーションやリッチで応答性の高い2Dおよび3DのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)を実現します。また、C64x+™DSPコアを使用することにより、デジタル・フィルタリング、数学的処理、画像の処理・解析など、複数の様々な信号処理をプログラマブルに行うことができます。

 開発コストを最小限に抑え、市場投入に要する時間を短縮するため、TIは『DM3730』評価モジュール(EVM)用のソフトウェア開発キット(SDK)も提供します。このSDKには、デバイスの評価や製品開発を始めるためにデベロッパーが必要とするすべてのものが用意されています。詳しくは、http://www.tij.co.jp/dm3730-prpf をご覧ください。

DM3730の主な機能とメリット:

主な機能

メリット

『DM3730』と『DM3725』は相互にピン互換性・ソフトウェア互換性を確保しています。また、Sitara™ 『AM3715』『AM3703』プロセッサともピン互換性・ソフトウェア互換性を確保しています。いずれも複数の低消費電力モードならびに高性能モードに対応します。

 

価格、機能、消費電力目標に合わせ、共通のソフトウェアおよびハードウェア・プラットフォームから幅広い最終製品を生みだすことができます。

最高動作速度が800MHzのC64x+™ DSPコアの搭載により、720pクラスのHDビデオ・デコードおよびエンコードを30フレーム/秒(fps)で実行します。

複雑な信号解析・信号処理およびHDビデオ処理を行うマルチメディア・アプリケーションが構築できます。

『DM3730』には200MHz動作のPowerVRグラフィックス・アクセラレータが搭載されています。OpenGL ES 2.0および1.1対応で、1秒あたり2,000万ポリゴンの処理が可能です。また、最先端のディスプレイ・サブシステムも搭載されています。

ユーザー・インターフェイスやグラフィックス・ナビゲーションにおいて、高精細な3Dグラフィックスを実現することができます。

OMAP3530』に対し、LPDDRコントローラのパフォーマンスは20%増、ARMコアのL1キャッシュは2倍となっています。

メモリ・バンド幅の増加により、マルチ・プロセッシングの性能向上とレイテンシーの削減が実現されます。

 

ソフトウェアとサポート

Bluetooth+WiFiモジュールまで搭載した評価モジュール『TMDXEVM3730』を使ってただちに開発を始めることができます。SDKには、GUI、グラフィックス、アプリケーション、デモ、開発のユーティリティなど、すべてを完備したLinux カーネル2.6.32ベースのBSP(ボード・サポート・パッケージ)が用意されています。このSDKに含まれる信号処理アルゴリズム・ライブラリはDSPに最適化されており、マルチメディアのデコードやエンコード処理、数学的処理、高速フーリエ変換(FFT)などのデジタル・フィルタリング、画像のフィルタリングや解析などの画像処理をはじめ、80以上の信号処理アルゴリズムが用意されています。

現在対応のOS(オペレーティング・システム)はLinuxとAndroidで、Windows CE™については2010年第4四半期からサポートを予定しています。

価格と供給状況:

評価モジュール『TMDXEVM3730』は、参考価格1,495ドルにて現在供給中です。また、『DM3730』搭載の低価格ボードBeagleBoard-xMもオープン・コミュニティより提供中です。『DM3730』の1,000個受注時の参考価格は25.60ドルです。

 DM3730』と『DM3725 の詳細は以下リンクもご参照ください。

※ OMAP™、 DaVinci™ および TMS32064x™ はTexas Instrumentsの商標です。その他の商標ならびに登録商標はそれぞれの所有者に帰属します