TI ホーム > ニュースリリース

ニュースリリース

日本TI、 システムの消費電力を効率的に管理するSAR型A/Dコンバータを発表

2010年07月22日

医療用機器、通信、リモート・センサーおよびエネルギー・ハーベストなどの各種アプリケーションにおいてシステム全体の消費電力を50%以上低減可能なデバイス

 

SCJ-10-062

2010年7月22日

 

日本テキサス・インスツルメンツは、4チャネル、12ビットのSAR(逐次比較型)A/Dコンバータとして、『ADS7924』を発表しました。『ADS7924』は、2.2Vの電源電圧で動作するとともに、システム全体を通して低消費電力が要求される、センサーモニタリングシステムの消費電力を50%以上低減できます。

 

 

『ADS7924』はI2Cインターフェイス経由でプログラミングを行うことで、制御用のマイコンとは独立した動作が可能となり、定期的にスタンバイ状態から復帰して4チャネルの内蔵A/Dコンバータの変換を順次行います。この動作のために必要な電力は、わずかに5μWです。この自律的な動作によって、制御用のマイコンは他のタスクを行うか、あるいはパワーダウン状態を保つことができ、エネルギー・ハーベスト(注)、医療用機器、通信、リモート・センサー、ポータブル機器などの各種アプリケーションにおいて、大幅な電力の節約を実現できます。

注)エネルギー・ハーベスト:熱、光、振動などの周囲の環境にあるエネルギーを電気に変換し、一次電池や外部電源を使わずに電子部品を駆動する技術

 

ADS7924の主な特長と利点

  • 『ADS7924』は、内蔵の4チャネルのA/Dコンバータを10msごとにスキャンするようプログラミングした場合の消費電力がわずか5μWであることから、4チャネル内蔵の12ビットA/Dコンバータとしては最も低消費電力の製品です。
  • 追加のシグナル・コンディショニングが必要なアプリケーション向きには、4チャネルのA/Dコンバータで共有できるオペアンプをMUXの後に接続することができます。このオペアンプを『ADS7924』のサンプリングと変換のタイミングに同期してシャットダウンと再起動のコントロールすることができ、さらに電力の節約が可能です。
  • 『ADS7924』の性能を最適化するためのマイコン・プラットフォームとして、ウルトラ・ローパワー・シリーズ『MSP430TM』も供給中です。

ツール群、供給およびパッケージについて

『ADS7924』は3mm角の16ピンQFNパッケージでサンプル供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.25ドルです。またA/Dコンバータと組み合わせて迅速なシステム評価および製品の市場投入時間の短縮に役立つ、評価モジュール『ADS7924EVM』および『ADCPro』モジュール・ソフトウェア・システムも供給中です。『ADS7924EVM』の価格は49ドルです。

 

ADS7924』の特性表

項目

ADS7924

分解能

12ビット

サンプリングレート(max)

100 kSPS

変換方式

SAR型

消費電力 (typ)

0.5 μW

DNL (max)

±1 LSB

INL (max)

±1.5 LSB

ノー・ミッシング・コード

12 ビット

使用電源数

2

アナログ電源電圧範囲AV/DD

2.2 V ~ 5.5 V

ロジック電源電圧範囲DV/DD

1.65 V ~ 5.5 V

リファレンス・モード

外部

定格

データシート参照

ピン/パッケージ

16ピン WQFN

入力チャネル数

4

動作温度範囲

-40 ℃ ~ 85 ℃

1,000個受注時の単価
(参考価格)

1.25 ドル

 

※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。