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日本TI、医療用画像機器向けソフトウェア・ツールキットを発表 超音波診断やOCT検査の画像処理アルゴリズム各種に対応

2010年06月10日

C64x+ DSPベースの設計を行うOEM各社の開発期間を短縮

SCJ-10-047                                                                                              

2010年6月10日

 日本テキサス・インスツルメンツは本日、『医療用画像機器向けソフトウェア・ツールキット(STK) バージョン2』(以下、『STK 2.0』)を発表しました。『STK 2.0』はTIの『TMS320C64x+TM』DSP用に最適化された画像アルゴリズム群を多数とり揃えており、医療機器のOEM各社は『STK 2.0』を活用して製品開発期間を短縮することが可能です。アナログと組込みプロセッシングから成るTIの医療用画像機器向けポートフォリオをさらに充実させる最新版のツールキットには、超音波診断やOCT(光干渉断層法)検査などのリアルタイム医療用画像処理アプリケーションを実現する画像処理カーネル各種が追加されています。STKのダウンロードなど詳しくは www.tij.co.jp/ultrasoundstk  をご参照ください。

 新たに機能が強化された『STK 2.0』によって、TIのC64x+アーキテクチャの最大の特長である高効率な処理性能と消費電力を十分に活用し、超音波Bモード処理、3Dレンダリング、OCTのリアルタイム処理などを実現できます。例えば、新たに追加された3Dアフィン変換アルゴリズムは、回転、拡大縮小、移動といった画像変換に適用できます。これは、リアルタイムの3D画像を表示する産婦人科向け機器の小型化、針やカテーテルの正確な位置をガイドするアプリケーションの低コスト化などに有効です。OCT検査機器は眼科での臨床用途で使われてきましたが、循環器診療、癌の診断、外科やその他の専門領域でも使われ始めています。OCT向けのDSPアルゴリズムは、コンピュータを使用する現行システムと比較して、プログラマブルで、より低消費電力で、小型化を実現する組込み信号処理システムに最適なソリューションです。

 GE ヘルスケアのプリンシパル・エンジニアである Erik N. Steen氏は次のように述べています。「TIの医療画像ソフトウェア・ツールキットにはとても満足しています。TIのソフトウェア・ツールキットは扱いやすく、高性能でモバイル型の超音波製品の開発に役立ちました。」

 特長と利点

  • ソフトウェア・モジュールはC64x+向けに最適化され、より低コスト、低消費電力でありながら、コード効率に優れた高性能システムを、より早期に市場投入可能に
  • 医療用画像診断装置向け画像処理をソースコードで提供
  • APIが提供され、モジュールの抽象化、既存システムへの容易な統合など、シンプルな開発が可能
  • 最適化された実装例をベースにカスタマイズ、あるいは、C64x+コア向けの最適化手法のコーディング例として参照する上で有用
  • テスト・ベンチ(機能評価のためのサンプルコードおよび入出力サンプルデータ)が提供され、モジュール機能の確認、評価と開発への活用も可能。任意の入力に対する機能とサイクル性能をチェックする独自のテスト・ベクタは、TIの『Code Composer StudioTM』(『CCStudio』)を使っての自動機能サイクル・プロファイリングを容易に追加可能

 『STK 2.0』はTIの『TMS320C64x+TM』DSP コアを搭載するすべての組み込みプロセッサ製品に搭載可能です。例えば、TIのマルチコアDSPである『TMS320C6472』と『TMS320C6474』は、医療用画像アプリケーションの高性能化と省電力化に特に適しています。TIのシングルDSPの『TMS320C6455』は、医療用画像アプリケーションで実績の高い製品の1つです。また、TIの『OMAP35xTM』プロセッサと『DaVinciTM』プロセッサは、ポータブルな医療用画像機器において、開発コストの削減や早期の市場投入が実現できるよう設計された高集積SoC(システム・オン・チップ)です。これらのSoCは、C64x+ DSP コア、ARM® コア (CortexTM-A8または ARM926)、ビデオ(および/またはグラフィック)・アクセラレータ、多くのオンチップ・ペリフェラルの組み合わせを搭載しています。

供給について

『STK 2.0』はTIのホームページから無償でダウンロードできます。ダウンロードには以下のサイト(www.tij.co.jp/ultrasoundstk)にアクセスし、必要事項を記入して申請してください。申請内容が受理されると、お客様は各種ドキュメントやテスト・ベンチを含むSTK 2.0を無料でダウンロードできます。

 TIの医療用画像機器ソリューションの詳細については以下のリンクからも参照できます:

TIの医療用コンポーネントについて

TIは21世紀以降のヘルスケアのあり方を抜本的に変えるような、より高品質で、より使いやすい医療用デバイスのために、技術革新を続けています。アナログから組み込みプロセッシングまで包括的な製品群を展開し、システム・ブロック図から半導体ソリューション全般、システム全般に対する知見、グローバルなサポート・インフラストラクチャ、先端プロセス技術、医療業界への関わりまで包括的にカバーすることで、革新的な医療エレクトロニクス・デバイスを、より柔軟で、安価で、使いやすいものにします。TIはワイヤレス通信、家電、自動車、航空などさまざまな分野で培った経験を元に、「より高速に、より高精度に、より低消費電力で、より小型に」といったニーズに応え、かつ医療デバイス市場に求められる高品質・高信頼性を達成できるよう、開発者を支援しています。より詳しくは www.tij.co.jp/medicalimaging をご参照ください。

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