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日本TI、新製品『TMS320DM368』DaVinci ビデオ・プロセッサを発表 コスト効果的なフルHD対応、ARM性能も大幅アップ

2010年04月15日

HDマルチ・フォーマット・ビデオの提供による様々な最先端ビデオ・アプリケーションの柔軟性向上と簡易開発を可能に

 

日本テキサス・インスツルメンツは本日、ビデオ・プロセッサの新製品『TMS320DM368』(以下『DM368』)を発表しました。本製品はポータブルなビデオ・エンコーディング・ソリューションである『DM36x』DaVinciTMファミリを拡張し、フルHD 1080pのH.264エンコード(符号化)性能と40パーセント以上のARM®パフォーマンスの向上を提供します。HDビデオカメラ、リアルタイム・デジタルビデオ・レコーダ(DVR)、HDビデオ・コミュニケーション・システム、デジタルサイネージといった多くのビデオ・アプリケーションに最適です。

さらなる高解像度ビデオのサポートに加え、顧客は製品開発にあたりARMの性能向上による余剰性能を様々なHDビデオ処理や洗練されたユーザー体験といった機能実現面に振り向けることができます。

『DM368』ビデオ・プロセッサの詳細については、日本TIの『DM368』製品概要のページ(www.tij.co.jp/dm368prod)もあわせてご参照ください。

 

『DM368』はVC1、MPEG2、MPEG4、 MJPEG、H.264を含む様々なHDビデオ・フォーマットにて1080p 30フレーム毎秒(fps)までのエンコード処理に対応します。またマルチフォーマット・デコード、マルチレート・マルチストリーム、HDマルチチャネルにも対応しています。『DM368』向けのオーディオ、音声、その他のHDビデオ関連コーデックも用意されているため、設計負担を軽減した柔軟な開発が可能です

『DM368』は、従来品である『TMS320DM365』 DaVinciビデオ・プロセッサとのピン互換性とソフトウェア互換性を確保しながら、D1, 720pから1080p 30fpsまでフルラインアップの製品を実現します。従来品の顧客は『DM365』への投資を生かしながら、『DM368』の投入によって様々なコーデックをサポートする拡張性に富む製品ラインを構築し、設計サイクルや市場投入期間を短縮できます。

 

TMS320DM368 DaVinci ビデオ・プロセッサの特長と利点

  • ARM926EJ-STM コアを搭載。40パーセント以上の処理性能アップ(最大432MHz)と共にビデオのエンコード/デコード処理をHDビデオ・アクセラレータ(同プロセッサ上に集積)側で実行し、システム・パフォーマンスを最適化
  • 各種ペリフェラル(EMAC、USB 2.0 PHY、 16ビット DDR2、16KHz 音声コーデック、リアルタイムクロック、10ビットDAC×3)を高集積。ボード面積の小型化とシステムコストの削減(20パーセント以上)を実現
  • ロイヤルティフリーで製品レベルのスタンドアロン型オーディオ/音声コーデック(MP3、WMA、AAC LC、 G.711およびアコースティック・エコー・キャンセラ)またマルチフォーマット、マルチレート、マルチストリームの各種 HDビデオコーデック(H.264、MPEG-2、MPEG-4、JPEGおよび VC1/WMV9)ソフトウェアを組み合わせることで設計がしやすくなり、市場投入期間も短縮
  • 『DM368』と従来品の『DM365』に動作温度範囲の広い(-40℃~85℃)品種を追加

 

TMS320DM368 DaVinci ビデオ・プロセッサ開発ツール

デジタル・ビデオ・レコーダ DVR向けリファレンス・デザイン

  • UDWorks から供給されるDVR reference design は豊富な機能と高いコスト効率を兼ね備えたツール。録音、再生、ライブビュー、ストレージ、ストリーミングおよびディスプレイを同時実行
  • オート・コントラストやホワイトノイズ・フィルタのような先端機能を搭載。顧客はホスト・プロセッサを別途追加する必要がないため、開発コストを下げ開発期間を短縮
  • マルチチャネル・サポート(30fps での4チャネルDVS向けD1エンコード×4、または8チャネルDVR向けCIFデコード×8)、Windows PCベースのビデオ管理ソフト、LinuxベースのDVRアプリケーション(カスタマイズや差別化ができるソースコードを含む)の提供
  • マルチチャネル・ビデオ入力用にTIの『TVP5158』ビデオデコーダを搭載

 

IPネットカメラ向けリファレンス・デザイン

  • Appro Photoelectron Inc.のネットカメラ向けリファレンス・デザイン「DM368IPNC-MT5 IP」は様々なビデオ・フォーマットに柔軟に対応
    • H.264 ハイ、メイン、ベースプロファイル 1080p(30fps)もしくは720p(60fps)
    • 最大720pのMPEG-4(60fps)および5MP MJPEG(15fps)
    • マルチフォーマットでの3ストリーミングをサポート
  • 極めて低消費電力の設計。TIのPoEソリューション(『TPS23753』)やTIの第5世代ISP(イメージ・シグナル・プロセッシング)オンチップ・ソリューションにより外部ISPやカスタマイズされた光学アルゴリズムは不要に
  • ISPソフトウェアの実装によりビデオぶれ防止、顔検出、ノイズフィルタリング、オート・ホワイトバランス、オートフォーカス、オート露出、エッジ強調などの機能を実装可能

ビデオ・コミュニケーションおよびカメラ開発キット

  • 今後、『DM368』向けビデオ開発キット2点の投入を予定。ビデオ会議、ウェブカメラ、双方向型デジタルサイネージ、その他低コストのビデオ・コミュニケーション製品への組込み用途

 

価格、供給、ツールについて

『TMS320DM368』 DaVinci ビデオ・プロセッサはサンプル出荷中です。1,000ユニット購入時の参考価格は29ドルです。TIおよび販売特約店から供給されます。

顧客は『DM36x』プラットフォームのピン互換性とソフトウェア互換性を活用し、『TMDXEVM365』 EVM (評価モジュール)を使って直ちに開発に着手できます。『TMDXEVM365』の参考価格は595ドルです。さらにLinuxオープンソースコード向けに『TMS320DM365 』DVSDK  v. 3.10(ソフトウェア開発キット)も用意しています。

なおTIでは最適なパワーマネジメント、ビデオ/オーディオ・アンプ、データコンバータ、タッチスクリーン・コントローラ、インターフェイス、クロック、ローパワーRF、汎用ロジック等の各種アナログICも供給しています。

 

『DM368』ビデオ・プロセッサとDaVinci製品ポートフォリオの詳細については、以下のリンクもご参照ください。

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