2010年03月26日
部品点数および消費電力を最高で95%低減することで、システムを小型軽量化し、
ポータビリティを向上させる、初の医療用診断装置向けAFEファミリー製品
SCJ-10-029 2010年3月26日
日本テキサス・インスツルメンツは、ポータブルおよびハイエンドの心電計(ECG)や脳波計(EEG)をはじめとする医療用診断装置向けに、従来ディスクリート製品で構成されていた機能をワンチップに集積したアナログ・フロントエンド(AFE)製品、『ADS1298』を発表しました。『ADS1298』は8チャネル、24ビット分解能のAFEであり、同機能をディスクリート製品で構成した場合と比較し、部品点数および消費電力を最高で95%低減することができます。また1mW/チャネルという優れた電力特性とともに、最高レベルの診断精度を実現することができます。 詳細についてはTIのホームページ(下記)をご参照ください。
TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス・ユニットでシニア・バイスプレジデントを務めるアート・ジョージ(Art George)は次のように述べています。「これまでのECGおよびEEG機器は消費電力が大きく、製品自体も大きな形状であったことからシステムを持ち運ぶことが困難でした。今回発表した『ADS1298』は低消費電力と高集積性を共に実現することから、医療診断装置の製造メーカーは、より小型かつ低価格で持ち運びが容易な機器を開発することができます。このような機器によって、医療従事者は患者の生体情報を正確に、また長期間に渡ってモニタできるとともに、小型化を生かし患者の快適性を向上させることができます」
『ADS1298』の特長と利点
『ADS1298』 AFEは、ローパワーDSPファミリー『TMS320C5505』と併せて使用することで業界随一の低消費電力ソリューションを実現することができます。『TMS320C5505』 は0.15mW/MHz以下の低消費電力を実現しており、ポータブル向け医療診断装置において、長時間にわたるバッテリー駆動を達成します。
製品ファミリーについて
『ADS1298』に続いて製品化される予定の4チャネルおよび6チャネル製品をファミリーに加えることにより、ECG、生体情報モニタ装置、病院および公的施設に設置されるAED(除細動器)をはじめとする各種の医療用診断装置、さらにスポーツ用およびフィットネス用のモニタ機器をはじめとするコンシューマ向けの医療用アプリケーション等で要求される様々な分解能とチャネル数に対し、AFE製品の展開が容易に可能となります。
パッケージと開発ツールについて
『ADS1298』は64ピンPQFPおよびBGAパッケージで供給中であり、1,000個受注時の単価(参考価格)は23.95ドルです。 評価モジュール『ADS1298EVM』も供給中です。また『C5505』DSPとAFEおよびリファレンス・ソフトウェアで構成された『ECGメディカル・ディベロップメント・キット(ECG Medical Development Kit)』も供給中です。
『ADS1298』の特性表
項目 | ADS1298 |
SNR(Typ) | 118 dB |
アナログ電源電圧AV/DD | 2.7 V ~ 5.25 V |
デジタル電源電圧DV/DD | 1.65 V ~ 3.6 V |
入力設定範囲 | ± Vref/Gain |
リファレンス・モード | 外部/内部 |
入力チャネル数 | 8 |
定格 | データシート参照 |
ピン/パッケージ |
64ピン PQFP 64ピン BGA |
動作温度範囲 | -40 ℃ ~ 85 ℃ |
1,000個受注時の単価 (参考価格) |
23.95 ドル |
RSS配信について
日本TIでは、製品・技術に関するニュースリリースをRSS配信しています。以下のページにある「RSS配信」のコーナーで「日本TIニュースリリース」をクリックしてください。
http://focus.tij.co.jp/jp/general/docs/rss.tsp
※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。