TI ホーム > ニュースリリース

ニュースリリース

日本TI、DaVinciビデオSoCの新製品『DM8168』を発表 ビデオ監視とビデオ通信向けにクラス最高のビデオ性能を実現

2010年03月24日

高集積ビデオSoCが業界のベンチマーク性能を樹立、フルHD/D1/CIFビデオの
マルチチャネル・同時エンコーディング/デコーディングをサポート

SCJ-10-027 2010年 3月24日

日本テキサス・インスツルメンツは本日、DaVinci™ビデオ・システムオンチップ(SoC)の新製品として、HDマルチチャネル・システムのキャプチャ・圧縮・表示・制御機能のすべてをシングルチップに集積した『TMS320DM8168』(以下『DM8168』)を発表しました。
『DM8168』は高集積・高品位(HD)ビデオの需要の高まりに応えるものです。
クラス最高性能を誇るビデオSoCとなる『DM8168』は、ビデオ・セキュリティ・アプリケーションとビデオ通信アプリケーション向けに特別設計されており、1GHz動作版ARM® Cortex™-A8と1GHz動作版『TI C674x』デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)コアによる高集積を実現しています。高集積の『DM8168』ビデオSoCは、10個以上のディスクリート(専用)部品の機能を置き換えられるため、最終製品における基板面積と消費電力を削減し、システムの電子部品コスト(eBOM)の50パーセント削減が可能です。

『DM8168』ビデオSoCは、クラス最高性能を実現し、マルチチャネルの高密度化や高解像度のサポートにより、TIの旧世代製品である1GHz動作版『DM6467T』との比較では、最大4倍のビデオ圧縮性能を達成しました。さらにHDビデオの前処理・後処理能力が10倍以上向上しており、他に類を見ない高性能によって、ビデオ・セキュリティ・アプリケーションおよびビデオ通信アプリケーションにおいて、低ビットレート時でも高品質のビデオ性能を実現します。また『DM8168』ビデオSoCは、高度なビデオ解析能力と強力な2D/3Dグラフィックス処理性能を備えた、16チャネルデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)の機能をシングルチップ で実現可能で、旧世代のデジタル・ビデオ・プロセッサに比べてDVRのシステムコストを削減し、よりシンプルな設計を実現します。
詳しくはTIのホームページをご参照ください。(http://www.ti.com/dm8168-prhome 英語)

『DM8168』ビデオSoCの主要なシステム機能とメリット

  • ハイブリッド・セキュリティDVRソリューションでは、16チャネルH.264ハイプロファイルD1エンコーディングとCIFマルチストリーミングおよび8チャネル、D1デコーディングの同時処理に加え、ビデオ合成およびグラフィックス・ブレンディングは最大3台の独立したディスプレイをサポート
  • ビデオ通信アプリケーションでは、1080p 60フレーム/秒(fps)3チャネルを同時サポート、コーデック遅延1ミリ秒(ms)未満とオフチップの非効率性の排除により、グラス・トゥ・グラスのレイテンシ(遅延)を50ミリ秒未満に削減
  • 1GHz動作のARM Cortex-A8、1GHz動作の『TI C674x』浮動小数点DSP、複数の第2世代プログラマブルHDビデオ/画像コプロセッサ、画期的なHDビデオ処理サブシステムにより、H.264、MPEG-4、VC1を含むHD解像度でのマルチコーデック・サポートと同時に最高の集積度を実現
  • ギガビット・イーサネット、PCI Express、SATA2、DDR2、DDR3、USB 2.0、MMC/SD、HDM、DVIなど、複数のインターフェイスを備え、幅広い設計に柔軟に対応
  • 4つの『TI TVP5158』マルチチャネル・ビデオ・デコーダとの直接インターフェイスにより、最大16個のD1ビデオ・チャネルをシームレスにキャプチャ。TIの『TVP5158』デコーダは、コントラストを自動制御し、ノイズを軽減することで、圧縮比と全体的なビデオ品質を向上させ、FPGAや外部メモリの追加の必要性を排除しつつ、設計を簡素化し、システムの柔軟性を向上

顧客が求めるのは、高性能化と高集積化
Radvisionのテクノロジー・ビジネス・ユニットのジェネラル・マネージャであるアビシャイ・シャーリン(Avishai Sharlin)氏は、次のように述べています。「将来のビデオ会議市場の成功を現実のものとしていく上で、様々な経験が欠かせません。優れたユーザー体験とビデオ品質を特長とする差別化された製品を競争力のある価格で開発するためには、コスト、消費電力、基板面積の削減が不可欠です。TIは、市場のニーズを十分に理解しており、これらの問題を解決するため『DM8168』を開発しました。こうした特性とRADVISIONのE2E(エンド・ツー・エンド)戦略を連携させることで、俊敏かつ強力なビデオ・ソリューションが実現します」

システムを完成させる高性能アナログ製品
TIでは、『DM8168』ビデオSoCとの直接インターフェイスに不可欠な『TVP5158』ビデオ・デコーダと、ビデオ・セキュリティ・システムやビデオ通信システムの設計に対応するアナログ・ソリューション一式を包括的に提供しています。『DM8168』ビデオSoC向けに特別に設計された製品としては、必要なすべてのシステム・クロック周波数を提供する最新の汎用クロック・ジェネレータ製品や、最大1080p 60fpsのSビデオとコンポーネント・ビデオやRGBビデオの信号に対応するCVBS(コンポジット・ビデオ放送信号)向けフィルタがあります。両デバイスとも、『DM8168』ビデオSoCの発売と同時に提供されます。
使い勝手に優れたソフトウェア/ハードウェア・ツールとともに、TIでは、プロセッサやシステム全体に向けたすべての電源管理ソリューションと、オーディオ/ビデオ信号の処理に必要となるすべてのシグナル・チェーン製品を提供しています。

価格、供給、ツールについて
『DM8168』DaVinciビデオSoCは、先端的なビデオ・セキュリティとビデオ通信を求める顧客に向けて、2010年第2四半期中のサンプル出荷を予定しています。新型『DM8168』ビデオSoCは、代替製品を大幅に下回る価格設定により、次世代の高性能デジタル・ビデオ・システムを実現します。
また、設計サイクルの短縮に向け、TIでは、ビデオ・セキュリティとビデオ通信の評価モジュール(EVM)を提供します。各EVMには、リファレンス・ハードウェア・ボード、ソフトウェア、ツール、デモンストレーション・アプリケーションが付属しており、これによって開発者は、ビデオ処理の能力や性能を評価するとともに、アプリケーションの開発を直ちに開始できます。このほか、『DM8168』ビデオSoC内部の複雑さを取り除くソフトウェア・フレームワークと設計スイート一式を含む、包括的なEVMサポート・パッケージを利用できるため、複数のビデオ・チャネルの管理と処理が簡素化されるとともに、市場投入までの期間を短縮できます。

参考URL:TIのビデオ・ソリューションの詳細はこちらもあわせてご参照ください


RSS配信について
日本TIでは、製品・技術に関するニュースリリースをRSS配信しています。以下のページにある「RSS配信」のコーナーで「日本TIニュースリリース」をクリックしてください。
http://focus.tij.co.jp/jp/general/docs/rss.tsp


※ DaVinciはTexas Instrumentsの登録商標です。すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します