2009年10月28日
入力バッファを内蔵、ワイヤレス通信、テスター・計測装置などの
各種広帯域アプリケーションにおいて、アナログ・フロントエンドの設計を簡素化する高速A/Dコンバータ
SCJ-09-061 2009年10月28日
日本テキサス・インスツルメンツは、12ビットの分解能と、1GSPS(ギガサンプル/秒)のサンプリングレートを兼ね備え、1個のA/Dコンバータでキャプチャ可能な信号帯域幅を高い効率で2倍に拡大する、『ADS5400』を発表しました。この新型A/Dコンバータ製品は、第一ナイキスト・ゾーン(*注)において、他に例のない59dBFS(ディービー・フルスケール)のSNR(信号-雑音比)、および75dBc(ディービーシー)のSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミックレンジ)を提供します。また、1000MHzを超えるIF(中間周波)帯域において、58dBFSのSNR、および70dBcのSFDRを提供します。アナログ入力には入力バッファを内蔵していることから、高インピーダンス入力を提供すると同時に、オンチップのサンプル・ホールドと入力を分離することで、信号源への内部スイッチング動作の影響を防止します。『ADS5400』が提供する高性能によって、より小型、より高性能、およびより高密度の広帯域レシーバ、ならびにデジタイザ機器を実現できます。
(*注)第一ナイキスト・ゾーン: DCからナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2の周波数)までを第1ナイキスト・ゾーン、またナイキスト周波数からサンプリング周波数までを第2ナイキスト・ゾーンと呼びます。
『ADS5400』はTI専有の高速BiCom3コンプリメンタリ・バイポーラSiGeテクノロジで開発されたモノリシックA/Dコンバータであり、諸特性は-40℃~+85℃の工業用温度範囲で規定されています。BiCom3テクノロジのSOI(シリコン・オン・インシュレータ)プロセスは、高温度、および高放射線環境に最適です。
『ADS5400』の主な特長と利点
供給および価格について
『ADS5400』は100 ピンTQFPパッケージで供給中です。100個受注時の単価(参考価格)は775ドルです。TIの『TSW1200EVM』デジタル・キャプチャ・カード向けインターフェイスを備えるとともに、A/Dコンバータの分析向けに高い柔軟性を備えた評価環境を提供するEVMも供給中です。
『ADS5400』の特性表
項目 | ADS5400 |
分解能 | 12 ビット |
サンプリングレート (Max) | 1000 MSPS |
変換方式 | パイプライン型 |
消費電力 (Typ) | 2200 mW |
SINAD | 58 dB |
SNR | 59.2 dB |
SFDR | 75 dB |
DNL(Max) | ±0.9 LSB |
INL(Max) | ±2 LSB |
ENOB | 9.3 ビット |
使用電源数 | 2 |
アナログ電源電圧範囲 AV/DD |
4.75 V ~ 5.25 V |
ロジック電源電圧範囲 DV/DD |
3.0 V ~ 3.6 V |
入力電圧範囲 | 2 Vp-p |
リファレンス | 内部/外部 |
定格 | データシート参照 |
ピン/パッケージ | 100ピン HTQFP |
入力チャネル数 | 1 |
動作温度範囲 | -40 °C ~ 85 °C |
100個受注時の単価 (参考価格) |
775 ドル |
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