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日本TI、業界最高速250MSPSで高効率を提供する2回路内蔵、14ビットのA/Dコンバータを発表

2009年05月12日

同等の製品と比較して帯域幅を66%も向上する2回路内蔵
250 MSPSの新型A/Dコンバータ製品

SCJPR-09-038 2009年5月12日

日本テキサス・インスツルメンツは、広い信号帯域幅、高いダイナミック性能、および低消費電力の組合せを提供する、2回路内蔵、250 MSPS(百万サンプル/秒)の新型14ビットA/Dコンバータ(アナログ-デジタル・コンバータ)、『ADS62P49』を 発表しました。『ADS62P49』は、60MHz(メガヘルツ)の入力信号周波数において、73dBFS(ディービー・フルスケール)のSNR(信号-雑音比)、および85dBc(ディービーシー)のSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)を実現します。業界最高のサンプリングレートを備えた『ADS62P49』は、通信、および画像処理システムにおいて、通信距離および感度を犠牲にせずに、また広帯域のテスター・計測装置においては精度を犠牲にせずに、信号帯域幅を向上できます。

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『ADS62P49』の関連リンク

TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス担当でシニア・バイスプレジデントのアート・ジョージ(Art George)は次のように述べています。「通信システムおよびテスター・計測装置の設計者は、信号レシーバおよびデータ・アクイジション・システムを構成する場合、システムの総合性能を保ったままで、継続的に拡大する信号帯域幅にいかに対応するかという困難に直面してきました。TIでは、このような問題に対応して、高性能、コンパクト、高い電力効率の設計を可能にし、3G(第3世代)および4G(第4世代)システム、SDR(ソフトウェア・ラジオ)およびスペクトラム・アナライザなどの迅速な展開を実現する『ADS62P49』を発表しました」

『ADS62P49』の主な特長と利点

  • 業界最高速の2回路内蔵、250 MSPSの14ビットA/Dコンバータであることから、ダイナミック性能を犠牲にせずにマルチ・チャネル、かつ広帯域のサンプリングを実現。ポータブルのテスター・計測器ではより高い精度を提供。
  • 1チャネルあたりの消費電力が625mW(ミリワット)と、単位面積あたりの発熱が低いことから、高密度のマルチ・アンテナ基地局用レシーバ、およびSDRなどでシステム効率を向上。
  • ユーザーが選択可能なプログラマブル・ゲインその他の設定によって、設計上の柔軟性を向上。1dB(デシベル)ステップ、最高6dBの内部ゲイン設定によって、顧客各社は個々のアプリケーションの要求条件に対応してSNR、SFDR、および入力振幅を最適化できます。設計各社はSNRを最大化することで、DPD(デジタル・プリディストーション)向けソリューションのリニアライゼーション効果を向上できます。また高周波レシーバのアプリケーションでは、SFDRの増加、および入力信号振幅の低減によって、小信号時の解析能力を向上できます。
  • 製品の市場投入時間の短縮に役立つ全機能内蔵のシグナル・チェーン・ソリューション、および包括的な評価ツールを供給。
    『ADS62P49』との動作に最適化されたTIのアナログ製品:
    • D/Aコンバータ(デジタル-アナログ・コンバータ): 『DAC5682Z』、『DAC5688』
    • アンプ: 『THS4509』
    • RFコンポーネント: 『TRF3703』、『TRF3761』
    • DPDトランスミット・プロセッサ: 『GC5325』
    • クロック分配回路: 『CDCE72010』
    • DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ): 『TMS320C674x』
  • 『ADS62P49』に続き、サンプリングレート210 MSPSおよび250 MSPS、2チャネル内蔵の12ビットおよび14ビットA/Dコンバータ 3品種も発表予定: 『ADS62P28』、『ADS62P29』、『ADS62P48』
  • 2チャネル内蔵の『ADS6000』ファミリーとの間でピン接続の互換性を提供することから、サンプリングレート、および分解能の平易なアップグレード経路を提供。


供給および価格について
『ADS62P49』は9mm角のQFNパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は144.75ドルです。VCXO(電圧制御水晶発振器)およびクリスタル・フィルタ、ならびにTIの最新の高性能クロック分配およびジッタ・クリーニングICである『CDCE72010』のためのソケットを実装し、システム・レベルの評価キットおよびA/Dコンバータの評価モジュールとして機能させることが可能な『ADS62P49EVM』も供給されます。

また、最高16ビットの分解能および500 MSPSのサンプリングレートのLVDS出力A/Dコンバータを迅速に評価できることから、複雑なシステムの設計・試作、および開発期間の短縮に役立つ、TIの『TSW1200』デジタル・キャプチャ・ツールも供給中です。

『ADS62P49』の特性表

項目 ADS62P49
分解能(ビット) 14
サンプリングレート (Max) 250 MSPS
変換方式 パイプライン
消費電力 (Typ) 1250 mW
SINAD 72.7 dB
SNR 73 dB
SFDR 85 dB
DNL (LSB) (Max) ±1.3
INL (LSB) (Max) ±5
ノー・ミッシング・コード性能(ビット) 14
ENOB(有効ビット数) 11.3
使用電源数 2
アナログ電源電圧範囲AV/DD 3.15 V ~ 3.6 V
ロジック電源電圧範囲DV/DD 1.7 V ~ 1.9 V
入力電圧範囲 2.0 Vpp
リファレンスモード 内部/外部
ピン/パッケージ 64 ピン VQFN
入力チャネル数 2
サーマル・シャットダウン なし
動作温度範囲 -40 °C ~ +85 °C


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