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日本TI、業界で最も低消費電力、最高の変換精度を提供する差動A/Dコンバータ・ドライバー・アンプ製品ファミリーを発表

2009年02月18日

低消費電力が要求されるシステム向けに、既存の製品と比較して
約半分の無負荷時電流特性を提供する新型アンプ製品ファミリー

SCJPR-09-016 2009年2月18日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、工業、医療、およびオーディオなどの広範囲のアプリケーションにおいて、1チャネルまたは複数チャネル内蔵のSAR(逐次比較型)A/Dコンバータ(アナログ-デジタル・コンバータ)およびデルタ-シグマ型A/Dコンバータを駆動し、業界最高の変換精度を実現する、完全差動アンプ製品ファミリー、『THS4521』、『THS4522』、および『THS4524』を発表しました。これらの新製品は業界最高の性能/低消費電力比を提供することから、圧力計および流量計、地震計、および心電計、それにバッテリー動作機器そのほか、低消費電力の要求を満たし、より高いダイナミック・レンジとともに、高分解能と精度を同時に必要とする各種アプリケーションに最適です。


『THS4521』、『THS4522』、および『THS4524』関連のリンク


TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス担当でバイス・プレジデントのアート・ジョージ(Art George)は次のように述べています。「これまで、差動入力の高精度A/Dコンバータを駆動するためのバッファ・アンプを求める顧客は、複雑なインターフェイス回路が必要なシングルエンド・アンプ、またはより消費電力の大きな完全差動アンプのどちらかのソリューションしか選択できませんでした。『THS452x』ファミリーは、既存の手段の代わりに、アンプ数を低減することで基板実装面積の節約に役立つとともに、消費電力を最少にしながらアンプと回路の整合の問題を解決します」


『THS4521』、『THS4522』、および『THS4524』の主な特長と利点

  • 無負荷時電流を1.14mA/チャネル(ミリアンペア/チャネル)と、既存の製品の半分まで低減、パワーダウン時の消費電流も20μA(マイクロアンペア)と22分の1まで低減
  • 帯域幅を145MHz(メガヘルツ)と30%以上増加、490V/μs(ボルト/マイクロ秒)のスルーレートを備え、システムの消費電力を増加しないで信号のバッファおよび増幅機能を提供
  • ダイナミック・レンジおよび感度を44%改善、また4.6nV/√Hzと低い入力電圧ノイズ特性を提供することから、優れた歪み特性を実現
  • TIのSARおよびデルタ-シグマ型A/Dコンバータに高性能のバッファ機能を提供し、高精度、かつ低消費電力のシステムを実現
  • 出力の同相モード制御機能によってDC(直流)結合が容易、負電源レール電位までの入力範囲、およびレール・ツー・レール電位までの出力能力によって設計を簡素化し、開発期間を短縮
  • +3V(ボルト)~+5Vの単一電源動作、ならびに±1.5V ~±2.5Vの二電源動作が可能なことから、動作電源の柔軟性を提供
  • 1回路、2回路、4回路内蔵のオプションによって、基板実装面積を低減


TIのSARおよびデルタ-シグマ型A/Dコンバータと組合せ、最高24ビットの高精度を提供
『THS452x』は、TIの『ADS8317』16ビット、250kSPSのSAR A/Dコンバータ、および『ADS1278』24ビット、128kSPSのデルタ-シグマ型A/Dコンバータをはじめとする TIの差動入力のA/Dコンバータ製品を駆動し、データシートに規定された高い性能レベルをそのまま実現できます。例えば、『ADS1278』を駆動するバッファとして『THS4521』を使用した場合、非常に低い静止電流によってシステムの消費電力を低減すると同時に、10kHz(キロヘルツ)入力時に102dB(デシベル)のSNR(信号-雑音比)および110dBc(ディービーシー)のSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)を実現できます。


供給、価格およびサポートについて
『THS452x』製品ファミリーの全製品は現在供給中です。価格およびパッケージを次の表に示します。


製品名 内蔵チャネル数 パッケージ 1,000個受注時の単価(参考価格)
THS4521 1 MSOP、 SOIC 1.10ドル
THS4522 2 TSSOP 1.85ドル
THS4524 4 TSSOP 3.15ドル


『THS452x』ファミリーの特性表

項目 THS4521 THS4522 THS4524
静止電流(Max) 1.25 mA/チャネル 1.25 mA/チャネル 1.25 mA/チャネル
スルーレート(Typ) 490 V/μs 490 V/μs 490 V/μs
利得帯域幅積GBW(Typ) 95 MHz 95 MHz 95 MHz
レール・ツー・レール 出力 出力 出力
出力電流Io (Typ) 55 mA 55 mA 55 mA
電源電圧範囲 Vs 3 V ~ 5.5 V 3 V ~ 5.5 V 3 V ~ 5.5 V
内蔵チャネル数 1 2 4
ピン/パッケージ 8ピン MSOP、8ピンSOIC 16ピン TSSOP 38ピン TSSOP
最小安定ゲイン Acl 1 1 1
最小安定ゲイン時の帯域幅
BW@Acl
145 MHz 145 MHz 145 MHz
入力オフセット電圧Vio(Max) 3.5 mV 3.5 mV 3.5 mV
セトリングタイム(0.1%)(Typ) 10 ns 10 ns 10 ns
オフセット電圧ドリフト(Typ) 2 μV/℃ 2 μV/℃ 2 μV/℃
使用可能チャネル数 S S S
平坦帯域内の入力ノイズ Vn(Typ) 4.6 nV/√Hz 4.6 nV/√Hz 4.6 nV/√Hz
入力バイアス電流Iib (Max) 900 nA 900 nA 900 nA
非反転入力電流ノイズ 0.6 pA/√Hz 0.6 pA/√Hz 0.6 pA/√Hz
第二高調波(0.1 MHz) -133 dBc -133 dBc -133 dBc
第三高調波(0.1 MHz) -140 dBc -140 dBc -140 dBc
2倍ゲイン時の帯域幅(Typ) 50 MHz 50 MHz 50 MHz
0.1dB平坦帯域幅 30 MHz 30 MHz 30 MHz
定格 データシート参照 データシート参照 データシート参照
動作温度範囲 -40 °C ~ +85 °C -40 °C ~ +85 °C -40 °C ~ +85 °C


※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します